隠されたコロナ死者はやはりいた! 日本法医病理学会の解剖医アンケートで「死亡者のPCR検査を拒否された」の回答が多数

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解剖医から寄せられた〈「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている〉の声

 この「日本法医病理学会」の解剖医アンケートでは、具体的な事例以外でも、保健所が検査に積極的でないことを証言しているコメントがいくつもあった。

〈保健所から疑いが強いもののみにしてほしい、検体は1個のみと言われている。民間検査会社から死体は受けないと言われている。某大学病院で検査受け入れ可能か問い合わせ中。〉
〈CTで肺炎像を確認したので依頼した。保健所より「厚労省が一定以上の条件が整わないと検査をしてくれない」との話があった。〉
〈一般的には「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている。〉

 ここからは、解剖医の間に「死体は検査してもらえない」という認識が広まり、諦めムードさえ漂っていることがうかがえる。解剖医が最初から保健所に検査を依頼しなくなっているケースも出てきているのではないか。

 しかも、問題はこの数字や実態が、「解剖医」のアンケートであることだ。解剖医は変死や異状死の死因を解明する専門家であるため、死因を厳密に特定する必要がある。にもかかわらず、保健所から検査を拒否され、「死体は検査してもらえない」という認識が広まっているのだ。

 多くのパターンは解剖医まで行かない段階で臨床医が死因を判断するのだが、その場合は当然、解剖医などより死因の特定のハードルが低い。だとしたら、全体では何百倍の死亡者検査拒否、検査諦めがあると考えるのが、普通だろう。

 いずれにしても、これで完全にはっきりしたのが、安倍首相の説明が嘘だったことだ。冒頭で少し触れたが、安倍首相は3月28日の会見で、ジャーナリストの神保哲生氏からの“日本は検査数が少なく実際には感染が広がっているのでは”という質問に対し、訊かれてもいないのに自ら「死者の数」に言及。「PCR検査の数が少ないけれども死者の数が多いということではありません」とし、こう言い張った。

「肺炎で亡くなった方については、基本的に肺炎になって、最後はCTを必ず撮ります。それで、CTにおいて、これは間質性肺炎の症状が出た方は必ずコロナを疑います。必ず。そういう方については、これは必ず大体、PCRをやっておられます」

 そして、田崎史郎氏もこの安倍発言を補強すべく、4月6日放送の『モーニングショー』で、「肺炎で亡くなった人のことをあとでCT検査をして、コロナかどうかいちいち判断している」「全部やっているんですよ」などと強弁していた。

 しかし、これらは全部、自分たちの失策を隠すための嘘っぱちだったのだ。しかも、それはただの失策隠蔽に終わらず、さらなる被害を拡大させている。他国がピークアウトを迎えつつあるなか、日本は感染拡大を止められないどころか、院内感染が深刻化し、医療崩壊状態が起きているが、この事態を引き起こした最大の要因は死亡者の検査を含めPCR検査数を抑えてきたことにある。検査体制を整備・支援することをせず、感染実態を隠蔽してきた安倍首相の責任はもはや疑いようもない。

最終更新:2020.09.15 11:45

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