ネトウヨ大喜び『反日種族主義』は韓国で出版前から日本版出版予定だった!編集協力に安倍応援団の産経・久保田や西岡力の名前も

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『反日種族主義』(文藝春秋)


 韓国人研究者たちが「韓国の“反日”はウソと捏造だらけ」と糾弾する書籍『反日種族主義』(李栄薫・編著)が売れている。日本語版の版元である文藝春秋によると、今月15日の発売から18日の時点ですでに4刷、累計20万部を数えるという。

 絶賛の声をあげているのは、右派メディアと極右文化人、そしてネット右翼だ。「正論」(産経新聞社)、「月刊Hanada」(飛鳥新社)、「WiLL」(ワック)、「Voice」(PHP研究所)など極右モロ出し雑誌はもちろん、「中央公論」(中央公論新社)そして「文藝春秋」にも著者らのインタビューや論文が次々に掲載されるなど、いわば、右派論壇はいま“反日種族主義バブル”の最中にあると言える。

 ある意味、当然だろう。同書は「韓国の反日」を徹底的に批判するだけでなく、前編記事(https://lite-ra.com/2019/11/post-5097.html)で詳しくお伝えしたように、慰安婦問題や徴用工問題などの歴史認識でも日本の歴史修正主義や政府の言い分を“トレース”するような内容になっている。つまり、以前から日本の極右勢力と安倍政権が展開してきた「韓国が悪い!」の大合唱を「韓国人」が代弁してくれるというシロモノだからだ。

 しかも、同書には〈韓国の嘘つき文化は国際的に広く知れ渡っています〉〈二〇〇〇年代に入ると全ての国民、全ての政治が平然と嘘をつくようになったのです〉などと、日本のヘイト本さながらの記述まで盛り込まれている。韓国文化や国民性を「呪術的な“反日”で結託し、ありとあらゆる嘘をつく」と断言したうえで、未開的かつ侮蔑的な意味で「反日種族主義」と名付けるのだから、いまだ「併合時代の宗主国意識」を温存して韓国を見下したい日本の右派のみなさんにとって、これ以上にうってつけの本はないというわけだ。

 だが、この本、本当に日本の右派が言うような「韓国人が母国の未来を嘆いて“反日”を糾弾する憂国の書」なのか。いや、そんなピュアなものではありえないだろう。

 というのも、『反日種族主義』は最初から日本での発売を意図しており、実際、日本の極右勢力の全面協力を得ているからだ。むしろ、発売までの経緯を追っていくと「日韓右派のマッチポンプ」の可能性すら浮上してくる。

 たとえば、日本語版『反日種族主義』には、産経新聞編集委員である久保田るり子氏の「解説」が寄せられている。久保田氏といえば、ソウル支局特派員などを歴任し、「朝鮮半島ウォッチ」と称して韓国叩きを繰り返してきたゴリゴリの右派。フジテレビのニュース番組にも出演して安倍政権を擁護しまくったり、具体的根拠を示さずに“日本に3桁ぐらいいる北朝鮮スパイがテロを起こす”などと垂れ流してきた記者だ。

 そんな久保田氏が、実は『反日種族主義』出版計画の初期から大きく関与していた。李栄薫(イ・ヨンフン)氏による「日本語版序文」には〈『反日種族主義』日本語版の刊行には、韓国語版の企画段階からそのような提案をされて来られた産経新聞の久保田るり子記者(編集委員)の役割が重要でした〉と記されている。さらに、李氏と文藝春秋の編集者とを引き合わせたのも久保田氏だったという。

 これだけでも、日本の右派にとって同書がどれだけ“待望の一冊”であったかがよくわかるというものだが、それだけではない。李栄薫氏が「韓国語版の企画段階からそのような提案をされて来られた」と記しているように、実は、『反日種族主義』は最初から日本での刊行を予定してつくられていたのだ。

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