ジャニー社長「お別れ会」への退所タレント参列をマスコミが美談仕立てに! 一方、ジャニー社長の「タレント性的虐待」過去はやはり一切報じず

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最高裁でも確定してもジャニー社長のセクハラを一切報じないマスコミ

 この衝撃的な裁判は、当時、海外メディアでも大きく報じられたが、しかし国内マスコミはほぼ黙殺。ジャニー社長の行為のみならず、裁判で確定したセクハラ問題までジャニーズタブーで沈黙する日本メディアの姿勢も、それ以上に大問題だろう。

 また、一部で取り上げられたとしても、当時はジャニー社長の性的指向ばかりがセンセーショナルにクローズアップされるかたちとなっていた面もあるが、ジャニー社長の行為の本質は、芸能人生の命運を握る権力者であることを背景にしたパワハラをともなう性的虐待、しかも未成年への虐待だ。

 しかし当時も、そして#MeToo運動の拡大もあり世界中でセクハラ・パワハラに対する問題意識が高まっている現在においても、ジャニー社長の負の問題について、マスコミは口をつぐんだままだ。
 
 なかには“十年以上も前の過去のこと”などと嘯く人もいるかもしれない。だが、世界的に見ても、#MeTooの発端となった映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインへの告発は十年以上前や数十年も前の行為も含まれており、また大きな衝撃をもって報じられたカトリック教会の莫大な人数の神父による性的虐待・隠蔽もまた、過去に遡って検証されている問題だ。

 ジャニー社長が歴史に残るプロデューサーであることは否定しないが、であればこそ、正の面だけでなく負の側面も検証されてしかるべきだろう。実際、イギリスの公共放送局・BBCは、ジャニー社長の訃報を伝える記事のなかで、その功績だけではなく性的虐待問題にも言及している。しかし、上述の通り、国内メディアはジャニー社長賛美一色。『報道ステーション』や『news23』のような報道番組までもが横並びの賛美報道しかできないのは異常だ。

 いまメディアで喧伝されているジャニー社長の功績とされる部分の多くもまた、男性グループを実質的に独占してきたことなど、こうしたジャニーズ事務所の強権的なマスコミ支配によるところが大きいことも付記しておきたい。

 ジャニーズタブーに縛られたマスコミだが、ジャニー社長が逝去したいまこそ、こうした性的虐待、パワハラの実態を再び検証すべきではないのか。

最終更新:2019.09.04 09:59

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