塚田副大臣辞任も、安倍首相の利益誘導を物語る文書が! 忖度案件の道路に要望書提出、山陰自動車道、下関人工島にも疑惑

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首相官邸ホームページより


「安倍・麻生道路」と呼ばれてきた下関北九州道路の建設計画をめぐって、「総理とか副総理が言えないので、私が忖度した」と発言した塚田一郎・国土交通副大臣がようやく辞任を表明した。

 しかし、問題は塚田副大臣の辞任で済む話ではない。これは安倍首相と麻生財太郎務相の地元に露骨な利益誘導がおこなわれたという話だからだ。

 先日の記事でも既に伝えたが(https://lite-ra.com/2019/04/post-4643.html)、塚田副大臣は、昨年12月、「私の逆らえない」相手だという吉田博美・自民党参院幹事長と福岡県選出の大家敏志・参院議員のふたりと面会。そこで「塚田、わかってる? これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」「俺が何で来たかわかるか」と言われ、対して塚田国交副大臣は「わかりました」と返答したと語っていた。そして、下関北九州道路は今年度から国直轄の調査となり予算として4000万円が計上された。

「逆らえない」相手である政治家の固有名詞まで挙げて、こんな具体的な嘘をつく理由はどこにもない。「忖度」どころか「圧力」があったと考えるのが普通だろう。

 しかも、やはり昨日おこなわれた野党合同ヒアリングでは、立憲民主党の長妻昭議員から「吉田氏と塚田氏の面会がだめ押しになって4000万円の予算がついたのではないか」と問われると、国交省側は「時系列的にはそうなる」と回答。またこの面会の際、国交省の池田豊人道路局長と担当課長までもが同席していた。

 さらに、ここにきて、「本人からしっかりと説明すべきで、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」などとまるで他人事のように語ってきた安倍首相に、直接的な関与を物語る物証が出てきた。

 2016年3月31日付けの石井啓一国交相宛てに提出された「下関北九州道路の早期実現に向けての要望書」。この要望書の提出者は「関門会」なるグループなのだが、その提出者のひとりとして〈安倍晋三〉と明記されているのだ。昨日の参院決算委員会で共産党の仁比聡平議員が突きつけた。

 総理大臣が国交相に対して「道路の建設を早く進めろ」と要望をおこなっていた──。その事実だけでも驚くが、この要望書には、こんなことが書かれていた。

〈「関門会」は、関門すなわち下関、北九州にゆかりのある自民党、公明党国会議員の有志によって結成された会である。去る二月二十四日、安倍総理を囲み懇談会を開催させていただいたところ、その際、「第二関門橋」の早期建設促進の件が話題となり、「関門会」の総意として要請活動を行うこととなった。〉

 つまり、安倍首相が発端となって、この要望書は提出されていたのである。

 要望書を読み上げた仁比議員が「こうやって忖度させてきたんじゃありませんか?」と追及すると、安倍首相は「私自身ですね、そういう要望書が出されたってことは、いま拝見するまで知らなかった」などと言い訳をしたが、無責任にもほどがある。実際、下関北九州道路は2008年の福田康夫政権時に調査が中止されたにもかかわらず、第二次安倍政権で復活。要望書が提出された翌年の2017年度からは自治体予算と国の補助で調査を再開させているのだ。

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