アパホテルが官邸・国会そばの新ホテルから歴史修正主義を発信! 自民講演で安倍絶賛のバノンもPRに協力

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「アパプライド国会議事堂前」の部屋にも置かれていた元谷代表の歴史修正本

 早くも危惧が的中したことにげんなりしながら、チェックインの手続きを済ませ、今度は部屋へ。すると、やっぱりここにもあった。筆者が泊まった「スタンダードルーム」は普通のビジネスホテルぐらいの広さの部屋だったが、なんとベッドの真上に小型のシャンデリアが吊り下げられていたのだ。そういえば、予約の時に「アパプライドって普通のアパホテルとどう違うんですか?」と聞いてみたら、速攻で「シャンデリアがついてたりします」という答えが返ってきた。どうも、これが「最上級グレード」とやらの正体らしい。

アパホテルが官邸・議事堂の裏につくった新ホテルに泊まってみた! 日本の中心で歴史修正主義を発信の画像4
客室にも当然のように歴史修正本

 いや、すまん。シャンデリアのことなどどうでもよかった。部屋で見つかったもっと重大なものは、例の『理論近現代史学』シリーズ。引き出しの中などでなくサイドデスクのうえに、歴史修正本がむき出しで置かれていたのである。

 しかも、よくみると、ラインナップが更新されていた。『理論近現代史学』は機関誌「Apple Town」の連載をまとめたものでシリーズ化されており、“南京事件や従軍慰安婦は捏造だ”とする内容が海外で問題視されたのはシリーズのII。だが、「アパホテルプライド国会議事堂前」の客室には、問題発覚以降に刊行されたIIIとIVが置いてあった。

 IIIとIVははじめてお目にかかったので、読んでみたのだが、その内容は批判を受けて抑制されているのかと思いきや、逆。もっととんでもないことになっていた。

 まず、IIIの「まえがき」からすごい。元谷氏は例の騒動について、〈多くの日本のメディアが「謝罪をしないのか」「書籍を撤去しないのか」などと、アパが何か悪いことをしたかのように取材を申し込んできた〉とメディアを非難する一方、自らの「南京大虐殺はなかった」という主張について〈これまで具体的な根拠を示して反論してきたものはなかった〉と強弁。こう続けていた。

〈中国は「南京大虐殺はなかった。」という主張に対して反論できなかったことで、今後、「南京大虐殺」を日本を批判する歴史カードとして使うことはできなくなった。これまで中国が日本の首相をはじめとする政治家による靖国参拝を批判したり、多額のODAを要求したりしてきた根拠は、日本が中国に侵略し、南京をはじめ多くの都市で残虐行為を行ってきたという一方的な歴史観であったが、その根拠が崩れたのである。〉

 ちょ、ちょっとまってくれ。元谷代表は「具体的な根拠を示して反論してきたものはなかった」と言うが、「南京大虐殺はなかった」というのはとっくのとうに反論されているトンデモであるし、本サイトでも当時、元谷氏の主張を具体的に検証した記事(https://lite-ra.com/2017/01/post-2862.html)を出している。ところが、元谷代表はどういうことか一方的に勝利宣言をして、しかも大日本帝国による中国侵略の否定にまで飛躍させているのである。

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