靖国神社宮司が天皇批判!「天皇は靖国を潰そうとしている」…右派勢力が陥る靖国至上主義と天皇軽視の倒錯

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宮司による衝撃的な“天皇批判”が(靖国神社HPより)

 先週発売の「週刊ポスト」(小学館)10月12・19日号が、靖国神社の宮司による衝撃的な“天皇批判”をすっぱ抜いた。

「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。そう思わん? どこを慰霊の旅で訪れようが、そこには御霊はないだろう?」
「はっきり言えば、今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?」

 記事によれば、今年6月20日、靖国神社の社務所会議室で行なわれた「第1回教学研究委員会定例会議」で、靖国宮司・小堀邦夫氏の口からこの“不敬発言”は飛び出した。小堀宮司は皇太子夫妻に対しても「(今上天皇が)御在位中に一度も親拝なさらなかったら、今の皇太子さんが新帝に就かれて参拝されるか? 新しく皇后になる彼女は神社神道大嫌いだよ。来るか?」「皇太子さまはそれに輪をかけてきますよ。どういうふうになるのか僕も予測できない。少なくとも温かくなることはない。靖国さんに対して」と批判的に言及したという。

 小堀宮司は「週刊ポスト」の直撃に対して「何も知らないですよ」などと誤魔化しているが、すでに、録音された音声が動画で公開されており、靖国宮司が今上天皇を猛烈に批判したことは疑いない。

 いうまでもなく、靖国神社は戦前・戦中の皇室を頂点とする国家神道の中枢であり、いわば「天皇の神社」だ。そのトップである宮司が、今上天皇が皇后と共に精力的に行ってきた各地への“慰霊の旅”を全面否定し、「靖国神社を潰そうとしている」と批判するとは、ただ事ではなかろう。

 複数の神社関係者によれば、神職の間でも「小堀さんはわかっていない」「神道の慰霊は様々な場所で行われるものだ」「靖国のことしか考えていないのか」などの反発の声があがっており、大きな波紋を広げている。当然、保守系言論人を巻き込む一大騒動に発展するものと思われた。

 ところが、である。この「週刊ポスト」のスクープから一週間が経つというのに、反応したのはごく一部のメディアだけ。一般紙はまったく後追いせず、あの産経新聞ですら沈黙状態なのだ。それだけではない。普段、「首相の靖国参拝」をあれだけ熱心にがなりたてている極右メディアや安倍応援団もまた、完全に無視を決め込んでいる。

 これはいったい、どういうことなのか。

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