『メディアに操作される憲法改正国民投票』著者・本間龍氏インタビュー

安倍首相が党大会で「改憲」強行を表明! 裏では電通に依頼して国民投票に向けた大規模広告戦略を計画

2018.03.25 07:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

広告規制がないため、改憲勢力と護憲勢力の間に圧倒的な差が

──現在、マスコミ世論調査を見ると改憲に反対の声も多く、そうやすやすと改憲などできないと護憲派は思いがちです。しかし本間さんが国民投票法と広告の関係、問題を指摘した『メディアに操作される憲法改正国民投票』を読んで、そんな楽観論が吹き飛びました。

本間 まず強く指摘したいのは、国民投票法には大きな欠陥があるということです。そもそも投票運動期間、通常の言い方で言えば「選挙期間中」に、メディアの広告規制がほぼ存在しない。つまり事実上の無制限なんですね。その期間は最低60日。投票の2週間前から「投票運動」のテレビCMは禁止されますが、しかし「意見広告」などは禁止されていない。たとえば、著名人や企業が「私は賛成です」「反対です」と言った“意見”を述べる広告なら、投票当日までOKなんです。さらに問題なのは、その訴えの“量”に大きな差、つまり不公平さが生じることです。広告宣伝活動には莫大な予算、資金が必要で、金を持っている側が絶対的に有利になる。ですから当然、改憲派である自民党が圧倒的有利。なにしろ政党交付金をいちばん多く受け取っているのは自民党ですから(2016度は約174億円)。また、企業献金も自民党に集中しています(2015年度は約22億円)。

──改憲賛成派、反対派ともに、その主張を正しく国民に訴えることは重要だと思います。しかし、広告というお金がかかる観点から考えると、たしかに最初からお金持ちの自民党、改憲派が圧倒的に優位ですね。

本間 その通りです。金を持っている方がいくらでも金をつっこんで好きなことができる。改憲派には神社本庁や日本会議などの支援団体もいますし、莫大な資金源となるでしょう。その上、自民党には巨大広告代理店の電通がついています。広告規制のない国民投票は、広告屋にとっては非常にオイシイものです。金が無尽蔵にあって「何をしてでもとにかく勝て!」って言われれば、なんでもしますよ。広告屋にとって全ては金です(笑)。かなしいけどね。

──そこには企業として護憲とか改憲という考えはない?

本間 ないでしょうね。儲けるチャンスなんですから。広告代理店にしてみれば、別に改憲でも護憲でもどちらでもいいんです。そんなことは関係ない。お金をくれればきちんと仕事をする。それだけの話です。通常の企業商品のPRと同じなんです。そして、護憲派にとって致命的なのは、今の段階においてもその“中心”が決まっていないことです。どこが中心になって戦略を練るのか、立憲民主党なのか共産党なのか政党も決まっていないし、大きな支援母体もない。お金はあるのか、どこから出すのか、それすらも決まっていない。もうひとつ、広告戦略的に言うとアイコンが大切なんです。いわゆる“顔”ですね。改憲派の顔は、当たり前ですが安倍首相です。安倍首相が改憲を叫び、それが“絵”としてパッと浮かんでくる。だから広告戦略や企画も容易に考えられる。一方、護憲派のアイコンは誰なのかというと、いまだに決まっていない。

──たしかに野党政治家にしても“護憲の顔”が誰かというと、すぐには思いつきません。

本間 知名度も大切です。例えば共産党の志位和夫委員長にしても、広告屋の視点から見れば「知名度的にどうなんでしょう?」となります。相手は日本の首相ですよ。それに勝る知名度、対抗できるようなアイコン、例えば宮崎駿や坂本龍一などを探さなれればならない。しかし、もう今年中に発議がされようかという現時点でも、それが決まっていません。つまり広告屋的に言うと、護憲派はクライアントが存在せず、オーダーさえされていないわけです。国民投票が現実味を帯びているにもかかわらず、護憲派はその対策に何も動いていない。残念ですが今の護憲派には、勝つために何が必要かという考え方が足りません。これはもう、赤子の手をひねるよりも簡単で圧倒的な差でしょう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

メディアに操作される憲法改正国民投票

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

安倍首相が党大会で「改憲」強行を表明! 裏では電通に依頼して国民投票に向けた大規模広告戦略を計画のページです。LITERAは政治・マスコミ・ジャーナリズム・オピニオン・社会問題や芸能(エンタメ)・スキャンダル・カルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三、広告代理店、改憲、本間龍、編集部、自民党、電通の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 高市政権と日本会議「明治の日」復活の策謀
2 山里亮太が国会前デモを捻じ曲げ解説し批判殺到
3 葵つかさが「松潤とは終わった」と
4 「議員定数削減」で自民・維新は議席占有率アップと「企業献金」温存の一挙両得
5 高市“飲酒G7ドタキャン”を隠すため茂木外相が嘘答弁!嘘に嘘を重ねる迷走
6 バイデン大統領就任でも日本のトランピストのフェイクは止まらない
7 大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり!
8 高市早苗が「戦争をしたがっている」ことを証明するトンデモ発言集!
9 岩城滉一騒動で「在日」差別激化
10 文春の維新・馬場代表「社会福祉法人乗っ取り疑惑」報道に維新幹部が恫喝発言
11 少年犯罪は昔のほうが酷かった
12 吉高由里子が元カレに言った一言
13 高市早苗“G7ドタキャン”言い訳の嘘と本当の理由を徹底検証!
14 田宮二郎自殺の真相を夫人が告白!
15 自衛隊が小学生まで「自衛官勧誘」目的のパンフレット作成
16 三笠宮家に夫妻、母娘の断絶が!
17 竹田恒泰の側近が詐欺逮捕、その裏側には
18 日テレ青山和弘がセクハラで有働アナのパートナー降板
19 産経新聞の総帥が「軍の慰安所作り」を下劣自慢!靖国神社に裏付け資料が
20 たけしのもう一人の愛人の行方

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄