横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」②

自民・維新がカジノ法案成立でさらに関係強化 政界枠組み激変の鍵を握るのは小池都知事!

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 松田氏は14年の滋賀県知事選では、嘉田前知事後継指名の三日月大造知事ではなく、自公推薦で元経産官僚の小鑓隆史氏(参院議員)の支援に回った。選挙中に出回った「小鑓隆史メモ」(緑風出版『シールズ選挙〈野党は共闘〉』に全文掲載)には「松田さんもひょうひょうとして面白い、いろいろ分析してくれているよね」と登場。メモには「原発に反対する嘉田知事は滋賀の恥」「原発はいるに決まっている」とあったが、小鑓氏は「読んでいない」と釈明するも法的措置は取らず、信憑性は高いと受け取られた。そして「原発推進の経産省出身の小鑓氏VS卒原発の嘉田知事後継の三日月氏」という構図が鮮明になった。

 橋下氏はこの時、かつて大飯原発再稼働に反対したにもかかわらず、“原子力ムラ”の総本山・経産省出身の小鑓氏の街頭演説会に駆け付けてマイクを握ったのだ。嘉田前知事から「小鑓候補は原発推進」と忠告を受けたが、橋下氏は「大阪都構想で世話になっている菅長官に頼まれた」と言って現地入りに踏み切ったという。

 なぜ原発再稼働反対の“旗頭的存在”だった橋下氏が「変節した」という批判覚悟で、原発推進の自民党推薦候補の応援をしたのか。結果的に誕生を後押しすることになった”我が子“のような安倍政権への“親心”とみると、その心情が垣間見えてくるのだ。

 ここで注目されるのは、滋賀県知事選で選挙プランナーを務めた松田氏の助言内容だ。小池新党結成の場合、官邸の依頼に応えて地元への利益誘導を果たす「政権補完勢力」の立場を勧めるのか否か、ということだ。小池知事がIR推進で維新や官邸と連携するのか、それとも距離を置くのかということでもある。

 衆議議員時代に「カジノ(IR)推進議連」のメンバーだった小池知事が、IR推進で安倍政権と足並みを揃える可能性はある。地元選出の菅官房長官(神奈川二区)と連携して、IR候補地の横浜港山下埠頭整備を進める林文子・横浜市長と同じ道を歩むという選択肢である。

 一方、IR法案に山口那津男代表が反対した公明党や、“カジノミクス”と命名して対決姿勢を取った民進党と組んで、安倍政権(自民党)と対峙する選択肢もありうる。都議会公明党が自民党と決別したことや、蓮舫代表が党首討論でIR推進の安倍首相を追及したことも、政権補完勢力とは違う選択の可能性を高める。

 なお松田馨氏の講義内容をネット上で紹介したのは、音喜多駿都議だ。都知事選直後の8月10日、都内のホテルで開かれた「小池新党予備軍が結集か」と言われた「小池知事とともに新しい都政を前進させる地方議員の会」で、「都では審議会の7割以上が公開されていない」「都政最大の問題が情報公開」と強調した若手改革派である。

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