自民党のネット応援部隊が「植松容疑者の主張は間違ってない」「障がい者は死んだほうがいい」と障がい者ヘイト!

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■自民党支持者が障がい者排除の根拠にしているのは自民改憲案

 さらに2013年9月3日にも、同様に野田氏に関して〈自分の子供を見殺しにできるようにならなければいけない〉と述べているのだが、注目すべきは、その投稿がこのように結ばれていたことだ。

〈こういう自分勝手な人間が増えたのも日本国憲法のせいである。自由を謳い、権利を行使しなくてよいという天賦人権論が日本人を堕落させたのである。だからこそ自民党は天賦人権論を否定する憲法案を出したのである。この憲法が通れば国民の血税を使っても他人に対する感謝の心を持てるようになる。
 自民党は野田議員と改憲案の矛盾を解消するために野田議員に子供の延命治療を中止するよう勧告するべきだ。どうせこのまま生きていても長生きはできないし、治療費がさらにかさんで国民が迷惑を被るだけである。それよりも子供なんかさっさと死なして日本のために死んだと持ち上げたほうが自民党の勝利に貢献することになる。だから野田議員は決断をするべきである。母親としてよりも国家公務員としての立場が優先されるのは当然なのだから。〉

 ある意味でこのネトサポが述べていることは“正しい”。もちろん「子供なんかさっさと死なして」などという、どうかしているとしか思えない主張のことではない。いささか逆説的だが、この暴論は、自民党が2012年に発表した改憲草案の本質を、的確に説明しているのである。

 いうまでもなく、天賦人権説とは、すべて人間は生まれながら自由にして平等であり、誰もが幸福を追求する権利をもつというもの。日本国憲法のいわゆる三大原理のひとつ「基本的人権の尊重」の根底をなす思想だ。しかし、自民党改憲草案では、起草委員である片山さつき参院議員が〈天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です〉(片山氏ツイッターより)と発言しているように、これをすべての人間から剥奪すべく企図されている。

 事実、自民党改憲草案は、個人の権利に対して〈責任及び義務が伴う〉と強調し、現行憲法が個人の権利利用の目的や幸福追求の条件として付す《公共の福祉》を軒並み〈公益及び公の秩序〉なる文言にすげ替えている(草案12、13、29条)。

 上述のネトサポが障がいを持つ人間を「死なせるべき」なのが「国家に対する重大な貢献」であると繰り返すのは、まさにこの《公共の福祉》から〈公益及び公の秩序〉への変更の本質をつく解釈だろう。その意味において、このネトサポが述べる“障がい者の存在は、自民党憲法草案と「矛盾」する”というのは、まったく正しい認識と言わざるをえない。

 言い換えれば、このコアな安倍支持者は、“すべての人間が平等に有す権利を剥奪し、国家の元に人権を制限すべき”という自民党改憲草案のストレートな体現者なのである。

 そして、今、安倍首相の周りにいる自民党の極右政治家たちも、直接、口には出さないものの、おそらく、このネトサポと同じく「障がい者や役に立たない老人はいなくなった方が国家のためである」くらいのことは考えているはずだ。

 実際、石原慎太郎や石原伸晃、麻生太郎らは、過去に障がい者や高齢者に対して安楽死を口にしたり、「いつまで生きているつもりなのか」などといった暴言をはいてきた。植松容疑者、それに同調して「障がい者は死なせろ」と叫ぶネトサポ、そして障がい者を邪魔者扱いする自民党の極右政治家……この三者は完全に同一線上にいる。そのことを指摘することのどこが「政治利用」なのか。

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