本当はもっとドロドロだった!『花子とアン』花子の不倫略奪婚

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hanako_140714.jpg
NHK連続テレビ小説『花子とアン』NHKオンライン


 放送開始から14週連続で視聴率21%を突破するなど、相変わらず絶好調な朝ドラ『花子とアン』。勢いに乗っている一因は、なんといっても吉高由里子演じる花子が妻帯者である村岡英治(鈴木亮平)を好きになってしまうという“不倫の恋”が描かれていたことも大きいだろう。そして、本日放送分(第16週〜)では、花子の実家に英治とふたりで帰郷。明日には結婚式まで行ってしまう。そう、長い朝ドラ史上でも初の“不倫略奪婚”が進行しているのだ。

 しかし、朝ドラといえば、主婦層や年配の視聴者も多い枠。さすがに天下のNHKで不倫を肯定的に描くわけにはいかなかったのか、苦肉の策的展開も多く見られた。たとえば、花子が英治に告白してから、彼がじつはすでに結婚していることを知る……というのは“潔白”を強調するために必要な流れだったとしても、英治の妻が病気で死ぬ前に「新しい人と一緒に生きていってほしい」と言い残したというのは、さすがにテレビの前でツッコんだ視聴者も多かったはずだ。

 もちろん、現実の世界はそんなに都合よく話は進まない。『花子とアン』の原案となった『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(村岡恵理/新潮社)の記述を追えばわかるが、実際の花子と英治の恋愛は、朝ドラというより昼ドラといってもいいほどにドロドロだったのだ。

 そもそもドラマでは、花子は英治が妻帯者と知ってからは距離を置いていたが、本書によると、英治のモデルになった村岡儆三と花子は、なんと出会って2ヵ月弱で初キッス! さらには半年の間で約70通ものラブレターを送り合っており、距離を縮めまくっている。もちろん、このラブレターの中身は強烈で、花子から儆三宛に送った手紙には、

「あなたが私を愛して下さること、私があなたをこんなに好きなこと、それを思うと、その愛で何もかもを解決していけると信じることができます」
「私はあなたのもの」

 などと書いてあり、恋愛特有のお花畑思考が露わに。また、「愛で何もかもを解決」と、ふたりの恋愛には障害があることをうかがわせているように、実際の花子は相手が既婚者と知りながらも交際していたのだ。

 こうした“不倫節”は随所に見られる。たとえば、ある日、花子がきれいな百合の花をもらったときには、儆三にも「差し上げたい」と思うのだが、「あなたがお花を持ってお帰りになったら、周りの方々が妙にお思いになりはしないかと考えて、御遠慮して仕舞ひます」と書き綴っている。

 ……遠慮するなら相手にわざわざ手紙でいうなよ!と思うが、これこそがリアル花子の恋愛テクニック。「必ず一緒になれるからと思つて、愛したのではありません」と意地を張りつつも、「人の前ではいつでも笑って居た私は、あなたに御めに懸つてから、あなたの前で泣くことをおぼえて仕舞ひました」などと、かよわさをアッピールするのだ。これは現代でもよく見られる不倫略奪の常套手段ではないか。

 こんな手を使われた日には相手も怯んでしまうのでは……と思ってしまうが、じつは儆三、花子以上に恋愛体質だったようで、「往来を歩いている丸髷の若き人妻を見れば、我が愛する者にもこの扮装をさせる日も近き日にあるのだと思ふと足も踊らずには居りません」と、浮き足だった手紙を花子宛に送付。しかも、出会ってから4ヵ月後、「籍の事が片付いた」あとの手紙は、まさしく“ヘブン状態”だ。

「今の苦しみなどは私の傍に来れば直ぐに忘れる位に私はあなたを可愛がります」
「私の胸に抱かれて泣くのであるならばつらい涙も嬉し涙に変らせて見せると云ふ自信が私にはあります」
「あなたを見ると可愛くなってkissをせずには居られない。帰り際のkiss……」

 まるで詩人にでもなったかのような多幸感と万能感に満ちた文章。「あの、病気の奥さんは……」と声をかけるのも躊躇われるほどに、まわりが見えていないことが手に取るようにわかる。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

アンのゆりかご 村岡花子の生涯

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

本当はもっとドロドロだった!『花子とアン』花子の不倫略奪婚のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。NHK不倫吉高由里子朝ドラの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 菅首相の7月高齢者接種完了宣言の裏で総務省が自治体に「完了すると言え」
2 高橋洋一「さざ波」「笑笑」ツイートを擁護するお笑い芸人たちの浅はかさ
3 東京五輪学徒動員”に向け、緊急事態宣言中に教員770人が会場を“集団下見”
4 大阪維新・府議の「感染、即入院」はなぜ報じられない?
5 大阪で123の病床が削減! コロナ医療崩壊でも菅政権が強行する医療カット
6 入管法改正強行に小泉今日子らが反対表明!スリランカ人女性見殺しにも非難
7 宮本亞門が「“お金がからない五輪”は架空」海外のVIP接遇費44億円
8 『名探偵コナン』の公安礼賛がヒドい
9 西村担当相が「マスクでも感染」認めたのに濃厚接触者の定義変更しない菅政権
10 北海道の感染爆発は菅首相忖度の鈴木知事が対応を遅らせた!
11 菅首相に飛ばされた元総務官僚が語った恐怖支配!「あそこまでひどい人は…」
12 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
13 ローラも辺野古反対署名を呼びかけ!
14 ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア
15 大阪の入院率10%のなか、維新議員が「コロナ感染、即、入院」で非難殺到!
16 松坂桃李、GLAYもランクイン「芸能人よく言った大賞」後編!
17 維新の市長候補はたかじん遺言執行人
18 小田嶋隆・武田砂鉄対談 後編 糸井重里と松本人志をあらためて語る
19 内閣官房参与の高橋洋一がコロナ感染状況を「さざ波」「笑笑」とツイート
20 東京都が東京五輪の観戦に子ども81万人を動員! 感染拡大中に通達
1大阪の入院率10%のなか、維新議員が「コロナ感染、即、入院」で非難殺到!
2コロナのさなか自公が高齢者の医療費負担を2倍にする法案を強行採決へ
3東京五輪学徒動員”に向け、緊急事態宣言中に教員770人が会場を“集団下見”
4大阪維新・府議の「感染、即入院」はなぜ報じられない?
5 菅首相が「人流は間違いなく減少」と真っ赤な嘘! 東京駅前は昨年の1.8倍
6宮本亞門が「“お金がからない五輪”は架空」海外のVIP接遇費44億円
7『めざまし8』で3時のヒロイン・福田らが「吉村知事はタイプ」話で盛り上がる
8大阪で123の病床が削減! コロナ医療崩壊でも菅政権が強行する医療カット
9北海道の感染爆発は菅首相忖度の鈴木知事が対応を遅らせた!
10菅首相「五輪選手と国民が交わらない」は嘘 528自治体で選手団と住民が交流
11内閣官房参与の高橋洋一がコロナ感染状況を「さざ波」「笑笑」とツイート
12高橋洋一「さざ波」「笑笑」ツイートを擁護するお笑い芸人たちの浅はかさ
13池江璃花子のツイートを菅政権やメディアが反対運動封じに利用!
14西村担当相が「マスクでも感染」認めたのに濃厚接触者の定義変更しない菅政権
15菅首相の7月高齢者接種完了宣言の裏で総務省が自治体に「完了すると言え」
16入管法改正強行に小泉今日子らが反対表明!スリランカ人女性見殺しにも非難
17病床を削減した病院に消費税でご褒美…病床削減推進の改正医療法が成立か

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄