“アイドル”刺傷事件は警察のずさんな対応に責任あり! 目くらまし「ファンとの距離の近さ」議論に騙されるな

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ストーカーに対する警察の対応はいつになったら改善されるのだろうか?(YouTube「ANNnewsCH」より)


 今月5月21日、タレント活動をしている冨田真由さんが、イベントの行われる予定だった東京都小金井市のライブハウスに会場入りするところを待ち伏せされ、ファンであった岩埼友宏容疑者から20カ所以上もナイフで刺され重体となった事件。

 この事件の報道を通じ、SNSにより芸能人とファンの心の距離があまりにも近くなり過ぎ、疑似恋愛をこじらせてしまいやすい環境ができあがっていることや、2014年5月に岩手県の握手会会場でAKB48のメンバーが切りつけられた事件などを引き合いに出し、アイドルとファンによる「握手会」の撤廃を求める声などがメディアを通じて多数出てきている。確かに今回起こってしまったのはあまりにも痛ましい事件で、これから芸能プロダクションやイベント関係会社は、より一層の危機管理体制を敷くことが求められるものではある。

 だがよく考えれば、SNSによりファンとの距離感が近くなったのは、なにも「アイドル」に特化した問題でもない。役者、作家、映画監督、漫画家、スポーツ選手……現在人前で表現活動をしている人でSNSを利用していない人の方が少なく、このような事件はどのジャンルの人が相手でも起こり得るものである。たとえば、作家の出版記念サイン会、映画の舞台挨拶、スポーツの試合会場、事前に興行の告知があるイベントであればどこで起きてもおかしくない事件であった。

 今回、問題視すべきは、そんなアイドルとファン云々という話より、警察の対応の方ではないだろうか?

 盛んに報道されている通り、冨田さんは今月9日、武蔵野署を訪れて、岩埼容疑者からツイッターを通して脅迫文が送られてきていることを相談している。

 実際、岩埼容疑者のものと言われているツイッターアカウントを見ると(現在は凍結されている)、プレゼントを送り返されたことに逆上し、延々と脅迫めいた罵倒のリプライを送信し続けている。たとえば、先月28日には「渋谷青山通り郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本3冊が入ってました。わざわざ送ってくれなくても取りに行きましたよ?ほんと、嫌な女。それから蜷川実花の言葉集はどうしました?全部返すならそれも忘れずに」とコメント。また、同日には「ごめんね。そのうち死ぬから安心してね(●^ー^●)ごめんね」といった、自殺予告なのか殺害予告なのかどちらともつかぬ物騒なコメントも残し、その後、冨田さんは警察に相談に行っている。

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「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)

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