ストーカー500人に対峙したカウンセラーが分析する彼らの共通性とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
suto-ka-_141202.jpg
『「ストーカー」は何を考えているか』(新潮社)

 ストーカーによる凶悪犯罪が続いている。昨年、三鷹で起きたタレントの18歳女性が自宅に潜んでいた21歳の元交際相手に殺害された事件は世間を震撼させたが、最近でも横須賀市で22歳の元交際相手の女性をメッタ刺しにして殺した43歳の男、10年以上も元妻に付きまとった上の犯行、家族をも巻き込んだ殺害事件など凶悪化も進み、また警察対応の不手際も目立つ。そうした中、ストーカー被害者についての、法的整備、対応は少しずつ進んでいるが、なぜストーカー行為が行われるのか、その加害者側の“心理”にスポットが当てられることはまだ少ない。一体なぜ人はストーカーになってしまうのか。

 ストーカー“加害者”の実に500人以上に対峙した人物がいる。2012年に起こった逗子ストーカー殺人事件で、被害者から相談を受けていたNPO法人『ヒューマニティ』の小早川明子だ。自身もストーカー被害にあった経験を持つ小早川だが、彼女の『「ストーカー」は何を考えているか』(新潮社)では加害者たちの特徴や病理が描かれていて興味深い。

 あるIT会社を起業した20代の男性のケースを紹介しよう。取引先のOLと知り合い交際を始めたが、3カ月ほどで「堅苦しくて楽しくない」と別れを告げられた。男性は再考を求めたが、ほどなく女性には新たな恋人が出来た。すると穏やかだった男性は一転、駅で待ち伏せしたり、後ろから蹴りを入れたりというストーカー行為を開始した。相談を受けた著者がこの男性に会うと「僕はIQ160でT大の大学院を出ている」「彼女は僕を裏切った。僕は苦しんだ」「復讐する権利がある」などと口にしたという。

 また、家庭を持つ40代女性とW不倫していた60代の男性会社経営者の場合、交際中に女性が妊娠したが、男性は「離婚してでも生まれてくる子供が欲しい」と主張した。しかし、女性が「子供は夫の子。その歳で妊娠させられるなんて思うほうがおかしい」と突き放すと、男性は「子供をよこせ」と何度も迫るメールを送り続け、自宅前で待ち伏せした。

 ストーカーになる人間には共通性があるという。「とるに足らないことにひどくプライドが傷つく。その異様な精神状態は本人以外には想像ができず、被害者は何が加害者の逆鱗に触れたのかも分からない」というものだ。そこには必ず「被害者意識」が存在するという。「相手が不誠実で、反省していない。人間として許せない」と。前記の2例も「素晴らしい自分に別れをいう女などいない」「子供を作れないと尊厳を傷つけられた」と自らのプライドが傷つけられたことでストーカーと化した。自分にも非があるという考えは彼らにはない。そして、筆者が扱うストーカーの半分は意外にも女性だ。これは警察庁の統計(8割が男性)とは違うが、実際は「男性側があまり警察に届け出ようとしないだけ」だ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ストーカー500人に対峙したカウンセラーが分析する彼らの共通性とは?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。カウンセリング伊勢崎馨殺人の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 東京五輪招致をめぐるICC買収に新証拠! 菅首相も賄賂に関与か
2 菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は合計78億円!
3 大坂なおみを賞賛し黒人差別に抗議した自民党議員がツイートを削除し謝罪
4 河野太郎のパフォーマンスがひどい! 行政改革目安箱を私物化
5 ジャパンライフ山口会長逮捕 焦点は消費者庁の立入検査中止問題だ
6 葵つかさが「松潤とは終わった」と
7 デジタル担当相・平井卓也は電通と組んでネット情報操作を始めた張本人
8 安倍政権が消費者庁のジャパンライフ立入検査ツブシ、内部文書が
9 区立中学の性教育に自民党が圧力!
10 自民党のネット誹謗中傷対策メンバーの平井卓也が女性蔑視書き込み
11 安倍晋太郎が山口会長に「金儲けの秘訣を教えて」と懇願した夜
12 菅政権で「公費不倫」の和泉洋人首相補佐官が“再任、官邸官僚のトップに
13 ジャパンライフの広告塔に田崎とNHK島田も
14 止まらない岡田晴恵バッシング!「週刊新潮」が「予言外れた」と的外れ批判
15 乃木坂46歌唱で『セーラー服を脱がさないで』歌詞の女性蔑視に非難殺到!
16 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
17 『バイキング』坂上忍パワハラ報道は政権批判潰しだった!
18 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
19 佐川誘導尋問、丸川珠代の本質を見抜いていたマツコ
20 安倍首相の病状説明に矛盾 「体調異変」と説明した時期にステーキ
1菅政権で「公費不倫」の和泉洋人首相補佐官が“再任、官邸官僚のトップに
2菅官房長官がテレビでもポンコツ露呈!『報ステ』では徳永有美に陰険クレーム
3菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は合計78億円!
4安倍首相は本当に病気だったのか? 辞任表明以降一度も病院に行かず
5つるの剛士が畑泥棒を「近くの工場で働いてる外国人」「あそこ怪しすぎる」
6デジタル担当相・平井卓也は電通と組んでネット情報操作を始めた張本人
7ジャパンライフ山口会長逮捕 焦点は消費者庁の立入検査中止問題だ
8安倍首相が昨晩、フルコースを完食しワイン、ゴルフの約束まで! 
9菅政権の官房長官に決定 加藤勝信厚労相がコロナ対応で見せた無能
10菅義偉“総理”誕生で権力のために不正を働く「忖度官僚」だらけに
11東京五輪招致をめぐるICC買収に新証拠! 菅首相も賄賂に関与か
12総裁選で自民党がまた新聞社に圧力文書!
13大坂なおみを賞賛し黒人差別に抗議した自民党議員がツイートを削除し謝罪
14大坂なおみの黒人差別抗議マスクに冷ややかなマスコミとスポンサー
15菅内閣が「第三次安倍政権」化! 6月の時点で密約説
16河野太郎のパフォーマンスがひどい! 行政改革目安箱を私物化
17三浦瑠麗が特別講師「N高政治部」で麻生太郎が民主主義否定の暴言
18『バイキング』坂上忍パワハラ報道は政権批判潰しだった!
19乃木坂46歌唱で『セーラー服を脱がさないで』歌詞の女性蔑視に非難殺到!

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄