改憲に動き始めた安倍首相の「押しつけ憲法論」は嘘だらけ! GHQ支配の元凶は自民党とお前のじいさんだ!

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「敗戦の否認」が必要とされたのは、大東亜戦争を指揮した人たちが戦後も支配層にとどまり続けるためだった。その代表が安倍首相の祖父、岸信介であり、読売新聞中興の祖といわれた正力松太郎であり、賀屋興宣といった元A級戦犯の面々だ。彼らが復権できたのは、やはりアメリカ(GHQ)の意向によるものだった。米ソ冷戦が緊迫化し始めた占領後期、アメリカは日本の民主化よりも反共国家化を優先するようになる。この方針転換に従って、戦争犯罪人を含む戦前の支配層を再び元の地位に戻すことにした。前出の岸が「このまま米ソが対立すれば(復権の)望みがある」と日記に記していたのは有名な話だ。しかし、岸ら元戦争指導者にとって“負けた責任”を追及されるのははなはだ困る。

 だから、それをごまかすための「敗戦の否認」が必要だったわけだ。

 国民の目線から「敗戦」の事実を隠すために占領終了後もさまざまな工作が施された。尖兵となった正力松太郎は日本テレビを使ってアメリカ製ホームドラマや英会話番組を流すことで心理作戦に貢献し、アメリカナイズされた生活様式を浸透させた。本土にあった駐留米軍基地を当時アメリカの施政下にあった沖縄に押し付けていったのも「敗戦の否認」の一環だ。“独立”後も占領が続いていることを隠すためだ。“洗脳”はいまも続いている。アメリカの手先となってそれを推し進めてきたのが歴代自民党政権なのである。

 同じ敗戦国でありながら敗戦ときちんと向き合ったドイツはいまやEUの中核国という地位を占め、アメリカとも対等に渡り合っている。片や「敗戦」を「終戦」と言い換えるばかりか、敗戦責任者でもあるA級戦犯を「神」として祀る靖国神社を東京のど真ん中に置く日本は、いまだに近隣諸国との軋轢すら解消できず、いつまで経ってもアメリカのお追従を続けている。これは歴史的な事実である。

 日本の右派・保守勢力は東京裁判を戦勝国による一方的な後付け裁判だったと批判する。WGIP史観本にもそうした言説が溢れている。百歩譲ってそれが当たっているとしても、普通の考え方でいけば、戦争指導者らの“負け戦”に対する責任は逃れることができないだろう。だが、歴代自民党政権はその責任追及を怠ってきた。なぜなら、それを追及することは自らの存立基盤を脅かすことになるからだ。

 実は“占領時代につくられた仕組み”の最大のものがこれなのだ。戦勝国のアメリカは、日本の敗戦を覆い隠すことでアメリカにとって都合のいい日本人(親米保守)を支配層にとどめることに成功した。それが自民党のルーツであり、際限のない対米追従構造の始まりでもある。岸がアメリカ(CIA)の資金と援助によってつくられた首相であったことは、ニューヨークタイムズのティム・ワイナー記者がその著書『CIA秘録』(日本版は文藝春秋)で暴露している。
https://lite-ra.com/2015/08/post-1400.html

 その岸を通じて自民党がアメリカ(CIA)から継続的に秘密献金を受け取っていたという指摘もある。そもそも自民党の結党資金はアメリカ(CIA)が用立てたという説さえある。自民党が本気で日本の近現代史を検証するというなら、ぜひこの点も明らかにして欲しいものである。際限なく続く対米追従構造を変えない限り、「戦後レジームからの脱却」などとは恥ずかしくて言えないだろう。

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