AV誕生から35年──カンパニー松尾&バクシーシ山下、2人のレジェンド監督が語るAV業界の変遷とは

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「週刊プレイボーイ」(集英社)15年11月30日号

 来年2016年は、1981年に日本最初のAVと言われる『ビニ本の女・秘奥覗き』・『OLワレメ白書・熟した秘園』が発売されてから35年目を迎える年となる。それを記念して、各メーカーでは昔の作品が復刻されたりと、早くも今年から様々な事業が行われている。

 そんな状況を受けて、「週刊プレイボーイ」(集英社)では、カルト映画化した『劇場版 テレクラキャノンボール2013』でもおなじみの二人のベテランAV監督による「カンパニー松尾とバクシーシ山下のAV史講義 1981-2016」という不定期連載が2015年の9月7日号から11月30日号にわたって連載されていた。この「AV史講義」は、先日全9回で終了。80年代から人気AV監督として第一線で見てきた彼らの目に、AV業界はどう映ってきたのか?

 アダルトビデオ35年の歴史。それは、AV業界が健全化をたどった歴史でもあると言う。かつてのAV業界はいかにムチャクチャだったか、カンパニー松尾は新人監督時代の思い出を語る。

 カンパニー松尾が童貞を喪失した相手は、彼の初監督作品に出演していたAV女優の亜里沙であるというのはファンにはよく知られた話。しかし、彼女とカンパニー松尾が関係をもった後日談にはこんなエピソードがあったという。二人が関係をもった後、松尾が亜里沙をキャスティングして撮影に入った時の話である。

〈松尾 亜里沙って実は爆弾で。白夜書房で編集者やってたアナル市原さんに男優役を頼んだんです。男優兼雑誌の取材という形で。そこで市原さんに「俺、亜里沙のことが好きで……」って打ち明けたら、「亜里沙はみんなとヤッとるでぇ」と(笑)。
(中略)
 ダイレクトに言うと市原さんと亜里沙が付き合ってたんですよ。で、「なんや、兄弟やんけ」って関西弁で明るく言われて。(中略)まあ初監督作でAV業界の洗礼を受けたって話です(笑)〉(10月12日号より)

 このような現象は松尾のまわりだけで起きていたわけではない。かつては業界全体にこのような傾向があったという。

〈山下 昔はそれこそ隙あらば女優口説くのが普通で。誰が女優を自宅へ送るかって競争があったじゃん?
 松尾 家の前で突然、腹を壊すスタッフ続出で。
 山下 トイレ借りるフリして部屋に上がり込んでね(笑)〉(11月9日号より)

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