“AV出演”を報道された日経記者は話題の書『「AV女優」の社会学』著者だった

「文春」に“AV女優歴”を暴かれた元日経記者・鈴木涼美が緊急寄稿!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
suzuksuzumi_01_141005.jpg
『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)

「日経新聞記者はAV女優だった! 70本以上出演で父は有名哲学者」

「週刊文春」(文藝春秋)10月9日号にこんな記事が掲載された。だが、これは日経記者が過去にこっそりAVに出演していたというだけの話ではなかった。

 実はこの記者は、「鈴木涼美」の名で昨年6月に『「AV女優」の社会学』(青土社)という本を上梓している社会学者でもある。同書は、彼女が東大大学院時代に実施したAV業界周辺へのフィールドワークを元とする修士論文に加筆・修正したもので、小熊英二や北田暁大からも激賞された。

 現在は日経を退社しているが、その理由はAV出演をすっぱ抜かれたためではない。「文筆業との両立に時間的/立場的にやや無理が生じたため」と彼女は語る。

 今回の「文春」にかぎらず、芸能人や大企業社員の“AV出演歴”暴きは、週刊誌やネットの定番というべきものだ。かくいう本サイトも、似たような記事を一度配信したことがある。

 こうした報道について、当事者の元AV女優でかつ社会学者である鈴木涼美はどう受け止め、どう分析したのか。彼女にアプローチしたところ、「文春」オヤジ的価値観では太刀打ちできない、刺激的な原稿を寄せてくれた。ぜひ一読してみてほしい。(編集部)

.....................................................................

「週刊文春」の「日経記者はAV女優」記事に書いていないもうひとつの問題
鈴木涼美(社会学者・文筆家)

 ジェルネイルの凄いところは、人本来の爪と人工爪との境目を極限まで無くしたということだと思う。チップで長さを出す場合を除いて、爪の基盤自体は自分自身の爪を使うが、それを分厚いジェルでコーティングするため、丈夫さや質感は人工のつけ爪よろしく、細かいアートを施しても3週間くらいはそれを維持できる。マニキュアではこうはいかない。それはデリバリーヘルスやDCが風俗から「場」を取り除いたことで、プロと素人の境目を極限まで不可視にしたのと似ている。綺麗なホテルでオトコと性的な行為をして代わりに何かをもらうという行為自体は、そのオカネの何割かをお店にとられるかどうかという点を除いてプロでも素人でも変わらない。そういった意味で、もともと海外映画から連想されるような売春婦に比べて素人っぽい日本の風俗嬢が、さらに「風俗嬢」という一応の定義を脱ぎ捨て始めて久しい。

 ただし、顔面とおっぱい丸出しの画像を全国に配信され、カメラの前で性行為をするAV女優は現在でも、非・AV女優とは一線を画したスキャンダラスな香りのする存在であるようだ。私が渋谷の文化村通りにあるネイルサロンの待合室で、その日に発売された「週刊文春」を開いて読んでいると、受付の案内係のギャルが「そのAV女優のニュース、今朝ネットでも流れてました」と前のめりで教えてくれた。そもそも私は各所からのメールの返信や、心配した友達からのLINEの返信に追われていて、ネイルサロンに行っている余裕はなかったのだけれど、ジェルネイルを3週間と3日放置していた私の爪は、日曜日の時点で右の小指と中指が折れていて、パソコンを叩いて原稿を書こうにも、どうにも都合が悪かったのである。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

「文春」に“AV女優歴”を暴かれた元日経記者・鈴木涼美が緊急寄稿!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。編集部週刊文春鈴木涼美の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 蓮舫の菅首相演説事前公開はルール違反じゃない おかしいのは批判する側だ
2 菅首相が「明るい話聞いた」相手は「コロナはインフル並み」が持論
3 読売新聞「菅首相が疲労」報道は安倍政権末期にもあった官邸の作戦
4 特措法・感染症法の改正案が酷い 嘘の申告した感染者には懲役も
5 吉村知事のずさんな政策決定と責任転嫁の手口を“8割おじさん”西浦教授が暴露
6 もはや権力の「中の人」…御用ジャーナリスト5位〜2位、大賞を発表
7 菅首相のポンコツが止まらない!「変異種」を忘れ、患者を「お客さん」
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
10 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
11 安倍政権でも菅政権でも権力大好き! 御用ジャーナリスト大賞10位〜6位
12 菅首相ポンコツ会見で「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音ポロリ
13 大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり!
14 ノーベル賞・本庶教授が「PCR検査の大幅な拡充」訴えるも厚労省は…
15 産経が新潟知事選でフェイク野党攻撃!
16 麻生太郎が愛人の店に2360万円
17 PCR検査拡大を訴える大谷クリニック院長がテレビから消えた!
18 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
19 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
20 安倍首相の病状説明に矛盾 「体調異変」と説明した時期にステーキ
1菅首相のポンコツが止まらない!「変異種」を忘れ、患者を「お客さん」
2ノーベル賞・本庶教授が「PCR検査の大幅な拡充」訴えるも厚労省は…
3もはや権力の「中の人」…御用ジャーナリスト5位〜2位、大賞を発表
4感染者560人! 吉村知事の「感染拡大が抑えられている」に非難殺到
5菅首相ポンコツ会見で「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音ポロリ
6吉村知事のずさんな政策決定と責任転嫁の手口を“8割おじさん”西浦教授が暴露
7菅義偉首相の言い訳がホラー「専門家が年末年始に感染者が少なくなると」
8特措法・感染症法の改正案が酷い 嘘の申告した感染者には懲役も
9安倍政権でも菅政権でも権力大好き! 御用ジャーナリスト大賞10位〜6位
10菅首相 緊急事態宣言の記者会見で露呈したヤバさ!結婚式みたいなセリフが
11 菅首相が「明るい話聞いた」相手は「コロナはインフル並み」が持論
12 読売新聞「菅首相が疲労」報道は安倍政権末期にもあった官邸の作戦
13蓮舫の菅首相演説事前公開はルール違反じゃない おかしいのは批判する側だ

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄