スクールセクハラで懲戒200人以上! のぞき、性交…わいせつ教師が増えるのは構造的理由があった

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 そして3つ目の要因は、問題を解決する機関がないという構造的な問題だ。教師・学校はもちろん、教育委員会までもが問題を隠ぺいしようとするケースは本書にも多く散見される。その根っこにあるのは、「教師のわいせつ事件は起こらないもの」という前提。「起こらないこと」が起こってしまった場合、「なかったこと」にするのが一番楽な解決法だからだ。しかし、前述のように、いまや教師のわいせつ事件は頻発しているといっても過言ではない。個人の嗜好や人間性の問題に原因を求めるだけでなく、構造的・職業的な要因を分析したり、起きてしまったときにどう調査し対処すべきかというガイドラインを制作したり、学校・教育委員会に求められる問題は山積みだといえるだろう。

 そしてなにより、社会がスクールセクハラに対してシビアな目を向けることが求められている。企業におけるセクハラ、パワハラはなくなっていないものの、社会的問題として認知されたことが功を奏し、ハラスメントに対して意識が高くなった人も多いだろう。スクールハラスメントの場合、被害者は被害を説明できないような幼い子どもだったり、周囲の目が気になる多感な時期だったりと露見しにくい条件がそろっている。だからこそ、社会として問題視していくこと、それが子どもたちを守ることにつながっていくはずだ。
(江崎理生)

最終更新:2016.08.05 06:43

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