スクールセクハラで懲戒200人以上! のぞき、性交…わいせつ教師が増えるのは構造的理由があった

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 ほかにも児童買春や痴漢など、教師による犯行が日々ニュースになり、恐ろしいことに、私たちはいつの間にかこの手の事件を聞き慣れた状態に陥っているのではないだろうか。増え続けるわいせつ事件を予防するために、どういった要因や背景があるか、本格的に検証する時期が来ている。そこで今回は、教師による生徒へのセクハラ(=スクールセクハラ)の加害者・被害者を取材した、共同通信社記者の池谷孝司氏による『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』(幻冬舎)から、スクールハラスメントの要因を探ってみたい。

 まず第一の要因は、教師側が「特別権力関係」を意識していないことだ。本書に出てくる、25年のキャリアを持つ元教師は、教え子だった6年生の女児にホテルでわいせつ行為をして逮捕され、執行猶予付きの実刑判決が下っている。驚くことに、彼は「好きになった相手が十歳でした」と話し、スクールセクハラではなく、恋愛だったと主張したのだ。ロリコン趣味を疑われたが、彼の自宅からはその手のDVDは押収されず。シングルマザーの家庭で育つ女児のほうから元教師に手紙や電話をしていたため、彼は女児が自分に好意を持っていると勘違いし、暴走したのだという。女児はキスを嫌がったり、体を触ることを拒否していたのだが、元教師に怒られることを恐れ、言うことに従っていたという。

 また、担任教師に半ば強引にホテルに連れていかれ、強姦まがいの行為をされた女子高生も、内申書や日々の学校生活における嫌がらせに怯え、言われるままに4〜5回、教師との密会を重ねることになる。

 どちらの場合も教師側は「恋愛」と主張しているのだが、生徒側からすれば日々の学校生活を“人質”にされた格好だ。しかし、教師側は常に年下である生徒と向き合っているために、自分の持っている権力や生徒が嫌がっていることに気づかないことが多いという。もちろん権力を理解したうえで関係を無理強いするケースもあるが、自分の権力に対する無自覚さは、教師という独特な職務がいっそう拍車をかけているのかもしれない。

 2つ目の要因は、周囲の理解の欠如だ。本書で取り上げられている女子中学生の剣道部員と顧問の男性教師のケースは、教師本人はもちろん校長や教育委員会の対応も鈍かったために裁判沙汰になったのだが、思わぬ伏兵が現れたのである。それは、同じ剣道部員の保護者だ。この中学では、顧問の体罰を伴う厳しい指導のおかげで全国大会に出場したこともあり、勝利至上主義の親が「恩をあだで返すのか」「輝かしい実績に泥を塗るのか」と、被害者家族に訴えを取り下げるように言い寄ったという。

 また、高校生の娘が夜な夜な担任から「お風呂あがりか~」といったメールを受け取っていることに気づいた母親が校長に直訴したケースでは、担任も校長も「悪意はなかった」と反省の色を見せず。それどころか、今度は校長が母親を無理やり食事に連れて行ったり、連絡先を渡したり、セクハラ行為を行ったという。さらには、保護者会では他の保護者から被害者母がやり玉に挙げられ、娘は転校を余儀なくされた。助けを求めた被害者側が、加害者や周囲の保護者にさらに追い詰められる「二次被害」が起こるのだ。これでは、ただでさえ露見しにくいスクールセクハラ被害が、ますます地下に潜ってしまう危険性も高いだろう。

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