戦後70年談話で迷走、安倍首相が怯える「天皇のお言葉」…天皇から憲法軽視と歴史修正主義への批判が?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 安倍政権と天皇、皇后のスタンスの違いがいちばんハッキリしているのが、日本国憲法に対する考え方だろう。即位後の朝見の儀で「皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い」と宣言した明仁天皇の“護憲発言”については、本サイトでもたびたび取り上げている。もっとも踏み込んだ発言は、第2次安倍政権発足後の2013年の誕生日会見でのものだ。それまでの80年の歩みを振り返って「やはりもっとも印象に残っているのは先の戦争のことです」と語り、こう続けた。

「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」

 この発言のポイントは、日本国憲法を作った主体を「日本」としていることだ。「連合国軍の占領下にあった日本」が「平和と民主主義を守るべき大切なもの」として日本国憲法を作った、というのが天皇の認識だ。ところが、安倍政権の憲法認識は「マッカーサーが、日本を無力化するため、部下に命じて、たった8日間でつくりあげた」というものだ(自民党の政策パンフレット「ほのぼの一家の憲法改正ってなあに?」より)。安倍首相自身、4日の国会答弁でも「(現行憲法は)極めて短期間に連合国総司令部の25人の人々によってつくられた」と述べているし、かつてはネット番組で「みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人がつくったんじゃないですからね」などと語っている。

 天皇の認識と安倍一派の考えが、まったく真逆であることがわかるだろう。

 一方、美智子皇后も13年の誕生日には、「5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます」 とした上で、以前、あきる野市五日市の郷土館で「五日市憲法草案」を見たときの思い出を語っている。

「明治憲法の公布(明治22年)に先立ち、地域の小学校の教員、地主や農民が、寄り合い、討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で、基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が、日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが、近代日本の黎明期に生きた人々の、政治参加への強い意欲や、自国の未来にかけた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでした」

 美智子皇后は、現行憲法の理念である基本的人権や法の下の平等、言論の自由などが明治期から日本に少しずつ根づいており、安倍一派が言うようなアメリカからの“押し付け”でないことを示唆した。

 また、天皇は「天皇皇后両陛下御結婚満50年に際して」の記者会見でこう述べている。

「大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の天皇の在り方を比べれば、日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

明仁天皇と平和主義 (朝日新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

戦後70年談話で迷走、安倍首相が怯える「天皇のお言葉」…天皇から憲法軽視と歴史修正主義への批判が?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三野尻民夫の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 三浦瑠麗の〈#検察庁法改正案に抗議します〉攻撃の間違いを徹底検証
2 安倍首相「黒川検事長の“訓告”は検事総長の判断」はやはり嘘だった
3 検察庁法案改正賛成でわかった維新と吉村洋文知事の正体!
4 松本人志が「黒川検事長は新聞記者にハメられた」と陰謀論で擁護!
5 テラスハウスの出演者がセクハラ告白
6 検察は河井克行を逮捕できるのか? 捜査は買収の原資“安倍マネー”に
7 田崎史郎が“黒川検事長と賭けマージャン”を正当化!
8 箕輪のセクハラを告発した女性が暴露したエイベックス松浦の疑惑
9 昭恵のNEWS手越ら芸能人と花見報道に安倍首相が逆ギレも説得力なし
10 内閣支持率「27%」だけじゃない、安倍政権の危機を表すデータ
11 官邸が黒川検事長の“賭け麻雀”を悪用、稲田検事総長に「辞職」圧力
12 河井克行前法相は東京の“緊急事態宣言解除”の直後に「逮捕許諾請求」
13 葵つかさが「松潤とは終わった」と
14 窮地の安倍首相が櫻井よしこの「言論テレビ」に逃げ込み嘘八百!
15 検察庁法改正でダダ漏れ指原莉乃の政権批判を封じたい本音
16 検察庁法改正が抗議の声を無視し強行採決へ! 安倍首相は嘘八百会見
17 黒川検事長と賭け麻雀、産経記者が書いていた黒川定年延長の擁護記事
18 つるの剛士が「桜を見る会」問題で台風被災者をダシに安倍政権擁護
19 検察OB意見書にあったロックの言葉を訳した安倍の大学時代の教授が
20 佐川不起訴の裏に法務省の官邸代理人
1官邸が黒川検事長の“賭け麻雀”を悪用、稲田検事総長に「辞職」圧力
2窮地の安倍首相が櫻井よしこの「言論テレビ」に逃げ込み嘘八百!
3検察庁法案改正賛成でわかった維新と吉村洋文知事の正体!
4検察は河井克行を逮捕できるのか? 捜査は買収の原資“安倍マネー”に
5田崎史郎が「#検察庁法改正に抗議します」で“黒川と安倍は近くない”と嘘
6安倍応援団の攻撃に怯まない「#検察庁法改正に抗議します」の有名人たち
7松本人志が「黒川検事長は新聞記者にハメられた」と陰謀論で擁護!
8三浦瑠麗の〈#検察庁法改正案に抗議します〉攻撃の間違いを徹底検証
9検察庁法改正で松尾元検事総長が安倍首相を「中世の亡霊」と批判!
10検察庁法改正が抗議の声を無視し強行採決へ! 安倍首相は嘘八百会見
11黒川検事長と賭け麻雀、産経記者が書いていた黒川定年延長の擁護記事
12安倍首相「黒川検事長の“訓告”は検事総長の判断」はやはり嘘だった
13検察OB意見書にあったロックの言葉を訳した安倍の大学時代の教授が
14内閣支持率「27%」だけじゃない、安倍政権の危機を表すデータ
15河井克行前法相は東京の“緊急事態宣言解除”の直後に「逮捕許諾請求」
16田崎史郎が“黒川検事長と賭けマージャン”を正当化!
17国会で井浦新、宮本亜門の批判を突きつけられた安倍首相が…
18加藤清隆、百田尚樹ら「#検察庁法改正案に抗議します」攻撃のトンデモ
19 百田尚樹と対照的! 橋本愛が「文化・芸術は死んだ心を生き返らせる」
20検察庁法改正でダダ漏れ指原莉乃の政権批判を封じたい本音

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄