オウムだけじゃない。自己啓発セミナー、ブラック企業…どこにでもある洗脳の落とし穴

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
sennounosubete_01_150319.jpg
『洗脳のすべて』(宝島)

 戦後最大級の無差別殺人として世界を震撼させた「地下鉄サリン事件」から20年。事件を引き起こしたオウム真理教についてはこの間、いろんな側面から語れてきたが、中でも大きな注目を集めたのは、麻原彰晃(本名・松本智津夫=60)を中心とした“洗脳”の手法だった。

 オウムによる洗脳は、単に執拗な勧誘や過酷な修行だけではない。瞑想の際にLSDを服用させ深い悟りが得られたかのように思い込ませる修行や、高橋公判でもたびたび出て来る「ニューナルコ」と呼ばれる、電気ショックによって脳に刺激を与え記憶を消すという修行などで信者の脱会を困難にした。違法薬物を使いまくり信者の脳に直接働きかけていたのである。

 このように同教団による洗脳手法は過激で異質だが、今年1月に刊行されたムック『洗脳のすべて』(別冊宝島/宝島社)では身近な洗脳手法がさまざまな事例とともに紹介されている。

 まず巻頭は、X JAPANのボーカリストとして不動の人気を築いていたToshlのロングインタビュー。自身がかつて心酔していた「ホームオブハート」についてだ。自己啓発セミナーを主宰する同団体に出会ったいきさつやそこでの出来事、逃亡から現在までの壮絶な日々を語っている。Toshlは1993年に元妻と出会い、彼女に連れて行かれたセミナーやコンサートで、同団体のトレーナー・MASAYAを紹介される。「今すぐここで決めて下さい。決めないのがあなたのパターンです」と迫られ、ついにセミナーに参加するようになってしまったという。これは元妻の影響が大きかったようだ。

「自分が有名になったり、大きなお金が動く事で、家族がおかしくなり、自分が知らなかった強欲さを目の当たりにする。子どもからしたら、親や兄弟の今までと違う一面を見るということは、とてもショックなんですね。そうすると「もしかしたら、自分がいけないんじゃないか」という感情にもなってくるし、そこからいろんなものが崩れていく。さらにそこへきて当時のX JAPANの状況も重なって、僕自身、自信というものを見失っていた」

 孤独を強め〈自分の拠り所がどんどんなくなっていった〉というToshlのもとに近づいてきたのが、元妻だった。

「彼女を否定すると自分のことも否定することになる。自分が選んだ相手のことを最後まで信じたいという、ある種、心に不安を持つ人間独特の心理が働いてしまっていた」

 元妻と自分を同一視し、唯一の拠り所とするまでになっていたToshlは、同団体にとって格好のカモだっただろう。こうして、高額なセミナー代に加え、MASAYAのCDなどさまざまなモノを買わされるようになる。さらには、かつて大きく報道された「化け物アゴ男」「エゴ人間」「劣等男」といった気の毒な罵声の数々を浴びせられる“フィードバック”という手法、殴る蹴るの肉体的な暴力で、さらに自分に自信をなくし同団体への忠誠心を強くしていった。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

洗脳のすべて (別冊宝島 2289)

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

オウムだけじゃない。自己啓発セミナー、ブラック企業…どこにでもある洗脳の落とし穴のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。オウム真理教ブラック企業洗脳高橋ユキの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍首相が秋葉原街宣で動員以外の一般市民を排除
2 安倍首相が圧力問題で自分の嘘をバラし犯人を示唆
3 安倍首相が総裁選でトンデモ発言継続中
4 樹木希林が辺野古に現れた日
5 安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
6 安室奈美恵のラストライブをめぐり自民党が
7 指原莉乃がセクハラをハニトラと
8 石田純一「セクハラは今も昔もアウト」
9 タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
10 安倍の北方領土交渉失態に応援団が沈黙
11 安倍チル議員から圧力受けた『ちびまる子ちゃん』映画
12 沖縄県知事選で創価学会幹部が暗躍
13 総裁選で安倍側近・西村官房副長官が地方議員に圧力
14 大坂なおみを“日本スゴイ”に利用する政治家とメディア
15 安倍政権が「賃金データ」を恣意的操作
16 秋元康のガールズバンド計画が大炎上
17 “慰安婦像に蹴り”人物と杉田水脈、和田政宗の関係
18 美輪明宏が安倍と支持者を一喝!
19 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
20 BBCが山口事件の被害者・詩織さんを特集
1安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
2北海道地震でも安倍はネトウヨ番組『虎ノ門ニュース』に
3北海道地震の停電でホリエモンら「泊原発再稼働させろ」
4関西空港の惨状は民営化と運営会社のせい?
5安倍政権が「賃金データ」を恣意的操作
6安倍チル議員から圧力受けた『ちびまる子ちゃん』映画
7 「新潮45」杉田水脈擁護に安倍応援団揃い踏み
8 “慰安婦像に蹴り”人物と杉田水脈、和田政宗の関係
9 安倍が「やってる」アピールで自ら地震の死者数発表するも大間違い
10 安倍首相がまたも台風21号被災地を放置
11 日露首脳会談で“外交の安倍”の大嘘が露呈
12 秋元康のガールズバンド計画が大炎上
13NHKが「安倍首相が〜」の冠ニュース連発する異様
14ウーマン村本が『朝生』を痛烈批判!「沖縄問題やれ」
15タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
16仲里依紗が“夫・中尾明慶の家事”賞賛の声に異議
17大坂なおみを“日本スゴイ”に利用する政治家とメディア
18安倍がネトウヨ「虎ノ門ニュース」出演
19安倍の北方領土交渉失態に応援団が沈黙
20安倍陣営幹部が産経に「北海道地震は選挙戦にプラス」

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄