安倍政権を批判しただけで「イスラム国寄り」人物リストに! 戦前並みの言論統制が始まった

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 ようするに、産経新聞は発言の一部だけを都合良く切り貼りし、安倍政権を批判している者をすべて「イスラム国寄り」だとレッテル貼りして排除しようとしているのだ。まさに戦時中の特高警察を想起させるような言論検閲。いくら安倍政権の御用メディアといっても、ここまでくると、狂っているとしか言いようがない。それとも、曽野綾子のアパルトヘイト発言を載せるなど、ネトウヨ相手の商売でなんとか新聞を売ろうとしている産経の必死さのあらわれなのか。

 しかし、いずれにしてもこれを産経という一メディアの暴走ですませるわけにはいかないだろう。実はこの国ではすでに、政府の対応を検証し、報じるという当たり前のことができなくなっているのだ。安倍政権を少しでも批判すると、「イスラム国寄り」だとか「国賊」、「挙国一致の非常時に政権批判など論外」という批判で炎上する。その結果、テレビ局や新聞社などの大手メディアはほとんどが沈黙してしまった。

 そういう意味で、産経は戦前の言論弾圧を牽引した「原理日本社」の役割を演じていると言ってもいいだろう。

 こうした流れに抗すべく、今月9日、ジャーナリストや作家、学者らが、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」を発表した。

 映画監督の想田和弘氏、音楽家の坂本龍一氏、社会学者の宮台真司氏、作家の平野啓一郎氏、フリーアナウンサーの吉田照美氏ら、さまざまな表現に携わる1200人余りがこの声明に賛同し、テレビ局ディレクターや新聞記者もその名を連ねている。

 声明では冒頭、「[ISIL]と称する組織・集団」による「邦人人質惨殺事件」を「卑劣極まりない」行為であるとし、「強く非難し、抗議」すると同時に、この事件以降、「現政権の施策・行動を批判することを自粛する空気が国会議員、マスメディアから日本社会までをも支配しつつあることに、重大な危惧を覚え」ていると表明。

「政権批判の『自粛』という悪しき流れに身をゆだねず、(略)誰が、どの党が政権を担おうと、自身の良心にのみ従い、批判すべきだと感じ、考えることがあれば、今後も、臆さずに書き、話し、描くことを宣言」している。

 この声明文がネット上で発表された2月9日、東京・永田町の参議院議員会館では記者会見が開かれ、ジャーナリストの今井一氏、元経産省官僚の古賀茂明氏、憲法学者の小林節氏、お笑い芸人のおしどりマコ氏ら7人が、それぞれの思いを語っている。

 記者会見の席で今井氏は、作家の中沢けい氏が、「こういうのは私の趣味ではないと思っていたが、もう無理。ここで言論人がスクラムを組まないと、この国は手遅れになる」と声明文に賛同したと吐露した。

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