橋下市長と安倍首相の言論封殺コンビ誕生!「参院選で野党を割って改憲に協力」の密約か

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言論封殺コンビ(左 橋下徹オフィシャルウェブサイト/右 衆議院議員安倍晋三公式サイト)


 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長と京都大学大学院教授・藤井聡氏とのバトルは酷いものだった。きっかけは、藤井教授がメールマガジンで「大阪都構想:知って欲しい7つの事実」と題する文章を配信したことだ。

「大阪都構想」は言わずと知れた橋下市長の看板政策だ。紆余曲折の末、それまで反対だった公明党が賛成に転じ、今年1月の大阪府議会・市議会で「協定書」が承認され、5月17日に都構想実現の是非を問う住民投票が行われることになっている。

 これに対して藤井教授が「都構想に賛成するにせよ反対するにせよ」知っておくべき事実があるとして、「今回の住民投票で決まっても『大阪都』にはなりません」「年間2200億円の大阪市民税が市外に『流出』します」などと、構想の問題点を列挙した。

 これに飛びついたのが橋下市長だ。得意のツイッターで〈バカな学者の典型〉〈専門外のことに口を出すな〉〈この、小チンピラだけはただしていきたい〉などと罵詈雑言をばら撒いたり、連日の記者会見でも本題そっちのけで“藤井批判”を始めたのだ。

 しかし、これはたんにブチ切れたわけではないだろう。安倍政権の内閣官房参与を務め、関西ではテレビ出演も多い人気の大学教授にケンカを売ることで注目を集め、都構想の住民投票を有利に進めようという魂胆だ。要は計算づくなのである。

 橋下氏の批判者に対する反撃の手口はいつも同じだ。執拗なツイッター攻撃と会見での連続口撃、仕上げは“公開討論”の場への引きずり出しだ。とくに最後の“公開討論”は切り札で、相手が応じれば「飛んで火に入る夏の虫」。ああ言えば上祐(古い!)よろしく、口達者な橋下氏の餌食になる。応じなければ「あいつは逃げた!」と追い討ちをかけ、自らの正当性を印象づける。ある種の印象操作と言っていい。

 案の定、今回もこの常套手段が使われた。メルマガ配信の数日後、大阪維新の会から藤井氏へ「公開討論の申し入れ」が届いた。応じたら橋下氏の思うツボだ。熟慮の末、藤井氏はこれを「『討論』でなく、『ケンカ』の申し入れ」「一種の脅迫と解釈しています」と主張し、「申し入れには応じません。返答をするつもりもありません」と一蹴した。待ってましたとばかりに橋下氏は、ツイッターに〈京大の藤井教授。やっぱりでしたが、公開討論に応じないとのこと〉〈あなたが常日頃言っているお国のために公開討論に応じるべきだ〉〈陰でまた色々言うのだろう。やれやれ〉と“連投”を繰り返した。論争というより嫌がらせだ。

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