沖縄いじめどこまで…政府がオスプレイ反対運動に参加したと7歳の女児を訴えていた!

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 だが、こうした重要な事実さえ、わたしたちはほとんど知らない。沖縄の基地問題は日本の大きな問題であるのに、三上氏の指摘の通り、大手メディアは伝えようとしない。国が沖縄の声を無視するのと同じように、メディアもまた無視しているのだ。そればかりか、ネット上ではネトウヨたちが辺野古の住民による反対運動を「補償金目当ての国賊」「バカ左翼が湧いてる」などと罵る事態に陥っている。

 そして、ついにはその刃は、この『標的の村』という作品にも向かっている。今月28日に横浜市西公会堂で上映される予定だった『標的の村』を後援していた横浜市教育委員会が、「市民などから市教委の後援を疑問視する趣旨の電話やメールが約20件」あったことを理由に、「市教委がオスプレイ配備について賛成、反対の判断をしているかのように見えるのは適切ではない」として後援を取り下げたのだ。

 配給元の東風が映画HPに掲載した見解によれば、横浜市教育委員会は「映画の内容そのものがどうこうというお話ではありません。まだ市教委は誰も映画本編を観ていないからです」と回答したという。観てもいないのに苦情がきたという理由で後援から下りるというのは、言論封殺に加担したのと同等ではないか。オスプレイ配備云々だけが問題ではなく、沖縄の現在を知る機会を奪ったのだ。

 子ども同士のいじめでは、加害者だけでなく、傍観している人間もいじめの加担者だといわれる。では、この沖縄いじめはどうか。あきらかな加害者である政府はもちろん、基地問題や沖縄の声に触れないメディアも加担者だ。さらには、歴史も知らず、大きい者の声になびき、人の痛みに鈍感な者たちがそこに加わっている。

 座り込むという精一杯の抵抗さえ無碍にし、虐げられてきた人びとを無情にも訴え、裁判にかけるという暴力をはたらくのが、この国の実態である。『標的の村』が伝えようとする現実を、わたしたちは知らなくてはいけないはずだ。
(水井多賀子)

最終更新:2018.01.23 04:08

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