ドラえもんの黒歴史(後)藤子不二雄の解散はドラえもんのせいだった!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
doraemon2_01_140821.jpg
『ドラえもん(感動編)』 (小学館コロコロ文庫)

 昨日、お送りした国民的アイドルキャラクター『ドラえもん』の黒歴史。前編では、“日テレ版ドラえもん”ことテレビアニメ『ドラえもん』の第一シリーズが、藤子・F・不二雄の意志によって封印されていることを、安藤健二氏のルポ『封印作品の憂鬱』(洋泉社)をもとにお伝えした。後半である今回は、『ドラえもん』こそが藤子不二雄の解散劇を招いた、という噂について紹介しよう。

 まず、藤子不二雄が突如「解散」を発表し、世間を驚かせたのは1987年のことだった。ご存じの通り、藤子不二雄というのは藤本弘氏(藤子・F・不二雄)と安孫子素雄氏(藤子不二雄Ⓐ)のユニット名で、デビュー時の足塚不二雄(名字は尊敬する手塚治虫の名から「手塚の足下にもおよばない」という意味で付けたもの)などを経て、53年から名乗っていた。藤子不二雄Ⓐによる名著『まんが道』(中公文庫)にも詳しいが、そもそも2人は小学校からの付き合い。互いにアイデアを出し合い、ときに刺激し合い、2人で“マンガ家になる”というひとつの夢を追いかけてきた仲である。

 解散発表の際は、その理由を「私たちはお互い50ン才。もうあんまりアトがありません。新しい展開としてそれぞれがやりたいことをやってみるのも面白いんじゃないかと思ったわけです」と述べ、そのほかのインタビューでも“喧嘩別れしたわけではなく、自分たちの個性を尊重するためにコンビを解消した”ことを強調していた藤本氏と安孫子氏。だが、安藤氏の著書『封印作品の闇』(だいわ文庫)によると、これはあくまで表向きで、じつは解散にいたったのには別の理由があったのだという。それはずばり、2人の“収入格差”問題だ。

 もともと藤本氏と安孫子氏がコンビを組んでいたときには、藤子不二雄として得た収入を折半していた。たしかにコンビ時の長者番付を見ると、その納税額はほぼ同じ。が、コンビを解消した2年後以降の長者番付を見ると、藤本氏のほうが“圧倒的に”納税額が多い。安藤氏の取材でも、複数の関係者が「八〇年代の『ドラえもん』の大ヒットで、はたから見て稼いでいるのは藤本先生だというのは明らかになっていました」と口を揃えたという。

 しかし、それまで折半でやってきたにもかかわらず、なぜ突然、収入が問題となったのか。引き金となったのは、藤本氏の体調問題だ。コンビを解消する直前に藤本氏は胃潰瘍の手術を受け、「その後も肝臓を悪くして通院」していたのである。藤子不二雄の2人とトキワ荘時代からの知人で、赤塚不二夫のブレーンを務めていたマンガ家・マンガ評論家の長谷邦夫氏は、『漫画に愛を叫んだ男たち』(清流出版)にこう書いている。

「重病を抱えた藤本は自分の死を考えれば、これまでのような二人でほぼ五〇%分割に近い著作権料のままでは、藤本家全体が承服できることではないと思ったのだろう。(中略)彼ら二人っきりだったら、友情という絆だけで、どのようにも分割できる。しかし、二人にはすでに家族が存在する。後にトラブルを起こさないよう、明確に分離しておかねばならない。子供時代よりの美しい絆も、現実の前にはかくもはかないものに変わらざるを得なかったのだ」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ドラえもんの黒歴史(後)藤子不二雄の解散はドラえもんのせいだった!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。家族水井多賀子漫画家の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
2 国連も「組み体操」の危険性を指摘!
3 “バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
4 竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
5 つんく♂が秋元のメンバー差別に
6 元旦朝生のウーマン村本は間違ってない
7 外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
8 古市憲寿「平成くん、さようなら」と「終末期医療打ち切れ」論
9 松本人志が指原莉乃に悪質セクハラ差別発言! 
10 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
11 DA PUMPがEXILEに挑戦状
12 収賄疑惑の甘利大臣がバンダイとも
13 追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
14 フジ『バイキング』で金美齢が部落差別
15 日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
16 JOC竹田会長が女性死なせる交通事故
17 産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
18 NGT48問題でも秋元康の“無責任”
19 純烈・友井報道で芸能マスコミジャニーズ御用体質 
20 沖縄2紙の記者を警察が拘束する暴挙
1安倍首相が辺野古の土砂投入で「サンゴを移した」と大嘘
2追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
3クイーンのB・メイ辺野古署名に『ボヘラプ』鑑賞の安倍首相は…
4元日『相棒』が今年も安倍政権批判!
5ローラ、村本、りゅうちぇる芸能人よく言った大賞後編
6所ジョージが沖縄米軍基地反対ソング! 
7ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア
8安倍首相の“サンゴ移植した”嘘を追及しない本土メディア
9竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
10早野龍五・被曝論文に重大誤り!お墨付き与えた糸井重里の責任
11産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
12安倍首相の改憲キャンペーンに松本人志、小藪千豊らが協力?
13 仏司法当局が東京五輪誘致汚職で竹田恒和JOC会長の捜査開始!
14日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
15 ゴーン前会長出廷で露呈した特捜部の無理スジ国策捜査
16 バカリズム、指原莉乃が外国人労働者問題で差別丸出し
17外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
18安倍政権の反韓煽動が酷い!「韓国へ渡航禁止」まで主張
19平沢勝栄だけじゃない自民党の性差別 
20落合陽一は反省表明したが…古市憲寿と落合の無自覚

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄