河野太郎が出馬会見で露骨な安倍忖度! 森友問題再調査の質問をはぐらかし「ワクチンであらゆるデータを開示」と真っ赤な嘘

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出馬会見する河野氏(KonoTaroGomameより)


 本日、河野太郎・行革担当相が自民党総裁選への正式な出馬表明をおこなったが、やはりあらためてその変節ぶりがあらわとなった。

 河野氏といえば、8日に安倍晋三・前首相と面会するや否や、その後の取材で「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要」と発言。河野氏は2020年に女系天皇を容認する発言をおこなっていたが、これについても安倍前首相の面会後には「男系で続いてきているというのが日本の天皇のひとつのあり方」などと言い出した。
 
 そして、こうした露骨な変節は本日の会見でも浮き彫りに。実際、エネルギー政策について河野氏は「安全が確認された原発を当面は再稼働していく。それが現実的なんだろう」と述べ、記者から「自身としては脱原発派だと考えているか」と質問された際には「どういう定義で脱原発と言うのかは人によって違いますから、何かひとつの言葉で括るのはやめておいたほうがいい」とお茶を濁す始末。

 また、女性・女系天皇を含めた皇位継承の検討の必要性について問われると、「有識者会議、非常に堅実な議論をしていただいて、多くの方が『なるほど』と思えるような最終の取りまとめを出してくれるのではないかと期待している」と述べ、有識者会議に丸投げした。

 キングメーカー気取りの安倍前首相に“拝謁”した途端、持論だった脱原発や女系天皇容認というこれまでの主張をあっさりと曲げてしまう──。河野氏は本日配布した政策パンフレットに「自民党を変え、政治を変える。」と銘打っていたが、よくもまあこの体たらくでこんなことが言えたものだ。

 だが、河野氏の本日の会見でもっと酷かったのは、森友公文書改ざん問題の質問に対する回答だ。

 まず、河野氏は森友公文書改ざん問題にかんする再調査の必要性について記者から問われた際、「必要ない」という見解を示したのだが、この問題について、『報道特集』(TBS)の金平茂紀キャスターがさらに追及。「振り返ると安倍・菅政権で国民がもっとも政治に対する絶望感を抱いたことのひとつは、都合の悪いことは隠す、なかったことにする(という点)」「公文書の破棄、改ざんというようなことを目の当たりにして国民の間に非常に絶望感が広がっているというのもまた現実」と指摘し、「『再調査は必要ない』と断言されたが、こういう答えで国民は納得するとお考えか」と質問した。

 すると、河野氏は「この問題についてはもうすでに検察、司法まで動いている」と答えたのだが、そのあと、こんなことを言い出したのだ。

「私がやってきた、たとえばワクチンについては、あらゆるデータを都道府県市区町村に開示をして、そしてお互いの意思疎通を図りながらやってきました。そういう数字についても逐一、記者会見で報告しながらやってまいりました。ですから私の政権では、情報はつねに国民のみなさまに開示をし、それに基づいていろいろと議論をし、多くのみなさんに納得していただいて政策を実行してまいりたい」

「自分は情報開示に積極的だ」と主張するのなら、森友の再調査のみならず、加計や「桜を見る会」で隠してきた文書を一切合切オープンにすると言えばいい。それを打ち出さないということは、たんなる安倍の傀儡だと認めるようなものではないか。

「森友問題をすっきりさせて信頼を」という質問にも「国民が知りたがってるのはコロナ」とごまかし

 しかも、噴飯ものだったのは、言うに事欠いて「自分はワクチンでも自治体と意思疎通を図り、逐一、数字を報告してきた」と自画自賛したことだ。

 ご存知のとおり、河野氏はモデルナ製ワクチンの6月末までの供給量が当初の予定より3分の1に減ることをゴールデンウィーク前に把握しておきながら、7月になるまでその事実を隠蔽していた張本人だ。その上、自治体から「供給がない!」と悲鳴があがっても、「各自治体にはまだそれなりの在庫がお手元にあると思う」と、あたかも自治体が在庫を抱え込んでいるだけで自分には責任がないかのように発言。これには自治体から「在庫ではなく2回目接種分だ」「在庫などない」と反論が巻き起こり、全国知事会も「国にはしごを外されて混乱している」と批判した。

 そもそも、河野氏がワクチン担当としてやったことと言えば、自治体の声も無視して一方的に「早くどんどん打て」と高圧的に発破をかけるだけで、接種記録システムへの情報入力が遅い自治体には“ワクチン配送を飛ばす”などと恫喝までかけた。挙げ句、当初の予定よりワクチン供給量が減るという国民にいち早く知らせるべき重大事さえ2カ月以上も隠蔽していたのだ。なのに「自分はワクチンでも自治体と意思疎通を図り、逐一、数字を報告してきた」などと胸を張るとは、呆れてものも言えない。

 だが、河野氏の醜い発言はこれだけではない。質疑応答では、ジャーナリストの田中龍作氏が「『国民と情報を共有する』とおっしゃったが、国民がもっとも知りたがっているのが森友の公文書改ざん。ここをすっきりさせないかぎり政府への信頼は戻ってきません」「そんなに安倍さんからの支援がほしいのか」と追及。すると、ここでも河野氏は問題を森友公文書改ざんからコロナにすり替え、こんなことを言い出したのだ。

「おそらく国民がいま求めているのはコロナにどう対応するのかという、コロナにかんするさまざまなデータなんだと思います。それを国民にきっちりとお示しをして、科学的な根拠をもった議論をしていくというのが、いまの政治に求められているということだと思います」

 繰り返すが「国民と情報を共有する」と言うのなら森友再調査もコロナのデータもしっかり出せばいいだけの話なのに、河野氏はまたも“それよりコロナ”と話題をすり替えたのである

 しかも、河野氏は「コロナのデータを国民に示して科学的根拠がある議論をしていく」などと一見真っ当そうなことを言っているが、はっきり言って河野氏がこれまでやってきたことは真逆だ。

「コロナのデータと科学的根拠のある議論」が聞いて呆れる、河野の恣意的なデータ利用とデマ

 というのも、本サイトでも既報のとおり(https://lite-ra.com/2021/07/post-5939.html)、河野氏は全国の自治体からワクチン供給不足の悲鳴があがっていた最中、お得意の英語で発信している自身のTwitterアカウントに、世界のコロナ関連データを集計している「Our World in Data」の「人口100人あたりの1日のワクチン投与量」(7日間平均)の表を貼り付けた上で、〈Vaccination in Japan. Not bad, isn’t it?〉(日本のワクチン接種。悪くないでしょう?)などと投稿した。

 しかし、今年1〜2月の段階から接種をスタートさせていたアメリカやイギリスはその時点ですでにかなりの量を接種し終えており、たんに日本はそれらの国から遅れに遅れて接種をスタートさせ、その時点で急激に右肩上がりとなっていたというだけ。これには英語でツッコミが相次ぎ、河野氏はとんだ笑い者になったのだが、しかし、その後も懲りることなく、一見すると日本の接種状況が良く見える恣意的なデータをもって“日本スゴイ”を煽りつづけたのだ。

 また、河野氏は政策パンフレットの「主張と政策」のなかでいちばん最初に「命と暮らしを守る政治」を掲げ、その具体的な中身として〈最新の科学的知見に基づいたわかっていること、わからないこと、できること、できないことをしっかりと国民と共有し、謙虚に、わかりやすい対話をしながら決めていきます〉といの一番に挙げているが、すでに河野氏にはワクチンにかんして科学的知見を無視したデマを流した前科がある。

 こちらも本サイトで既報のとおり(https://lite-ra.com/2021/09/post-6012.html)、7月に公開された人気YouTuberのはじめしゃちょーとのコラボ動画のなかで河野氏は「いろんな国の様子を見てると、たぶん発症しないとか重症化しないだけじゃなくて、ワクチンを打ったらたぶん感染しないっていうことも言えるんだと。だんだん、いろんな研究を見ると、感染しないって言えるんじゃない?ってところまで来てるんで」などと、ブレイクスルー感染の可能性を完全に無視した発言をしているのだ。

会見で「再質問OKに」というリクエストもはぐらかし! 菅首相と同様、国民に説明する気なし

 いま政治に対して求められているのが情報公開であることは間違いないが、それは国 や為政者にとって都合の悪いデータや情報でもきちんと公開する、ということであるはずだ。だが、河野氏はこのように、ワクチン担当大臣としても科学的根拠に乏しいものや恣意的なデータ引用でも自分にとって好都合な情報は必死に喧伝し、一方で不都合な情報は隠蔽してきた。

 いや、河野氏のこれまでの態度や言動からも、その政治スタイルは独断専行の密室政治だ。ようするに、安倍・菅政権と何ら変わらない「隠蔽、改ざん、捏造」政治なのである。

 実際、河野氏が安倍・菅政権と同じ体質であることは、きょうの会見にも表れていた。本日の河野氏による出馬表明会見は16時にスタートしたが、最初から、その後に予定があることを理由に17時までと時間が区切られ(結果的に少し延長はされたが)、質問の回答に対する再質問、いわゆる更問いもシャットアウトした。

 この河野氏の会見への態度に対しては、菅首相の会見でも鋭い質問を放ってきたイギリスの軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」東京特派員の高橋浩祐記者が「総理大臣になられたら再質問はOKにするとか、ネットメディアも入れるようにするとか、少し改革してもらえないか」と要請。だが、河野氏の回答は、このようなものだった。

「あの、国民としっかりと対話ができるようなスタイルをとっていきたいと思っています。それは記者会見もあるでしょうし、直接国民に語りかける、あるいはネットを通じてやりとりをする、さまざまな方法があるんだと思います」

 記者の質問に幅広く最後まで答えてほしいという要望だったのに、首相会見のあり方には踏み込まず、「直接国民に語りかける」「ネットでやりとりする方法もある」などと言い出すとは……。河野氏といえば、自分を批判しそうなユーザーをことごとくブロックしている上、7日の閣議後会見でその問題を問われると「実際に通りすがりの見知らぬ人を罵倒しないと思うが、SNS上ではそういうことが頻繁に起きている」と言ってブロックを正当化したばかり。国民による政策批判を「罵倒」などと言い募る政治家がネット上で国民とやりとりしても、それはたんなるファンミーティングになり、批判的な国民はアンチとして出禁にされるのがオチだろう。

「国民と情報を共有する」「国民と対話していく」と言いながら、批判や記者からの質問はシャットアウトし、都合の悪い話は隠蔽する。会見では、ジャーナリストの横田一氏から「安倍さんへの忖度政権になるのではないのか」「安倍・麻生の長老支配を打ち破る考えは」と問われると、「河野太郎として日本を引っ張ってまいりたい」などと答えていたが、この男が首相になっても、独断専行のポピュリズム政治が横行し、新自由主義政策によって格差が拡大していくという安倍・菅政治がつづいていくことになるだけだと言っておきたい。

最終更新:2021.09.10 11:06

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