【2019年読まれた記事】ジャニー喜多川社長の美談を垂れ流し性的虐待問題を一切報じないマスコミ!元ジュニアが法廷で証言、最高裁でも確定してるのに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
【2019年読まれた記事】ジャニー喜多川社長の美談を垂れ流し性的虐待問題を一切報じないマスコミ!元ジュニアが法廷で証言、最高裁でも確定してるのにの画像1
タブーだったジャニー喜多川の姿をとらえた「噂の真相」92年9月号


 2019年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
(編集部)
*************
【2019.07.11.初出】
 6月9日にジャニーズ事務所の代表取締役社長であるジャニー喜多川氏が逝去し、ワイドショーのみならず『報道ステーション』(テレビ朝日)や『news23』(TBS)などの報道番組まで、ありとあらゆるメディアが横並びで追悼報道を展開している。

 ジャニー社長のショービジネス、芸能・エンタテインメント界での功績、スターを多数輩出した卓越した審美眼、タレントたちとの親子のような強い絆……。湯水のようにジャニー社長賛美報道が繰り広げられているが、しかし一方で、メディアが一切触れていないことがある。ジャニー社長の性的虐待という問題だ。

 実はかなり古い時代から、ジャニー社長のタレントやジュニアに対する性的虐待の告発は数多く存在した。なかでも衝撃的だったのが、1988年に元フォーリーブスの北公次が出した告発本『光GENJIへ』(データハウス)だろう。北はこのなかでジャニー社長からの性的虐待を赤裸々に記しているが、その後も元ジャニーズの中谷良による『ジャニーズの逆襲』(データハウス/1989年)、平本淳也の『ジャニーズのすべて 少年愛の館』(鹿砦社/1996年)、豊川誕の『ひとりぼっちの旅立ち』(鹿砦社/1997年)、光GENJIの候補メンバーだった木山将吾の『Smapへ――そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社/2005年)などの告発本が刊行され、いずれもジャニー社長からの性的虐待を訴えたのだ。

 多くのマスコミは、ジャニーズタブーのため、これら告発本やその内容はほぼ黙殺、まともな検証がなされていないため、現在ではジャニー社長の性的虐待を“都市伝説”のように思っている向きも多いだろう。しかし、ジャニー社長のタレントたちへの性的虐待は都市伝説などではないばかりか、最高裁でも認定された事実なのだ。

 その裁判のきっかけは、1999年に「週刊文春」(文藝春秋)がジャニーズ事務所の数々の問題を告発するキャンペーン記事を掲載したことだった。キャンペーンは10回以上に及び、そのなかでも衝撃的だったのがジャニー社長の性的虐待や児童虐待だった。

 記事は複数の元ジュニアやジャニーズOBの証言をもとに、ジャニー社長の性的虐待を赤裸々に告発するものだったが、これに対し同年11月、ジャニーズ事務所は名誉毀損で「週刊文春」を提訴。そして裁判でジャニー社長の性的虐待の有無が争われることとなった。その裁判の過程で「週刊文春」側証人として元ジャニーズJr.の2人が出廷、裁判の場で、性的虐待の実態を赤裸々に語ったのだ。

 ジャニーズタブーのためマスコミはその裁判の動向はほとんど報じていなかったことに加え、元ジュニアの証言は性被害というセンシティブな問題であることから非公開で行われたため、まったく外部に伝わっていなかったが、月刊誌『噂の真相』(2002年2月号)が、その証言内容をつかみ詳細を報じている。

 記事によれば、証言に立った元ジュニアは2人とも未成年。2001年7月25日大阪地裁のある法廷でのことだという。証言者のひとりであるA君は仕事で夜遅くなり、電車がなくなったとき、他のジュニア数人と“合宿所”と呼ばれるジャニー社長の自宅である六本木の高級マンションに宿泊した。そんななかジャニー社長から性的虐待を受けたのだという。

法廷で元ジュニアが証言したジャニー喜多川社長による性的虐待

 A君の証言によると、「合宿所で寝ていたらジャニーさんが横に来て、足をマッサージし始めた。普通に触ってきた。ちょっとイヤだった」と言い、その後、「だんだんエスカレート」し、性的な行為をされたという。これ以上は生々しいため具体的な記述は控えるが、もっと直接的な性行為などの詳細な証言もあったという。

 もう一人、SMAPやV6のバックで踊ったり、CMやジュニアのコンサートにも出た経歴があるというB君も、寝ているときにジャニー社長が布団の中に入ってきて性的な行為をされたという証言をしている。

 さらに、A君もB君もそろって、ジュニア仲間や先輩らの間で、こんなふうに言われていたと明かしている。

「断ればテレビや舞台に出ることができないらしい」
「ジャニーさんからそういう行為を受けたら、いい仕事がもらえる。逆に受けなかったり拒否するとデビューできない」

 ジャニー社長の行為は性的虐待だけでなく、その立場や力関係を背景にしたパワハラでもあったということだろう。しかも、それを未成年者に対しておこなっていた。これら被害者証言の後には、ジャニー社長の証言が控えており、ジャニー社長もその法廷にいたという。

 そして、ジャニー社長は自身の証言として「(被害者少年たちが)嘘をついている」と反論していたというが、その後の裁判の展開はむしろ、ジャニー社長のセクハラ行為を認定するものになった。

最高裁でも確定してもジャニー社長のセクハラを一切報じないマスコミ

 こうしてジャニー社長の性的虐待が裁判の場で告発されたのだが、2002年3月の一審判決は「セクハラ行為の重要部分が真実だと証明されていない」という不可解な理由で「週刊文春」側に880万円の損害賠償を求めるものだった。しかし、これに対し「週刊文春」側が不服とし控訴、2003年7月の高裁ではジャニー社長のセクハラ行為が認定されるという逆転判決が出され、損害賠償も120万円と大幅に減額。判決は「逆らえばデビューできなくなる拒絶不能な状態に乗じ、社長がセクハラしている」との記載について、「被害者の少年たちの証言は具体的で詳細なのに、事務所側は具体的に反論していない」と指摘し、「セクハラに関する記事の重要部分は真実」と判断した。そして、ジャニーズ側が不服として最高裁に上告したが、2004年2月に上告は棄却、これで最高裁においてもジャニー社長のセクハラ行為が確定されたのだ。

 この衝撃的な裁判は、当時、海外メディアでも大きく報じられたが、しかし国内マスコミはほぼ黙殺。ジャニー社長の行為のみならず、裁判で確定したセクハラ問題までジャニーズタブーで沈黙する日本メディアの姿勢も、それ以上に大問題だろう。

 また、一部で取り上げられたとしても、当時はジャニー社長の性的指向ばかりがセンセーショナルにクローズアップされるかたちとなっていた面もあるが、ジャニー社長の行為の本質は、芸能人生の命運を握る権力者であることを背景にしたパワハラをともなう性的虐待、しかも未成年への虐待だ。

 しかし当時も、そして#MeToo運動の拡大もあり世界中でセクハラ・パワハラに対する問題意識が高まっている現在においても、ジャニー社長の負の問題について、マスコミは口をつぐんだままだ。
 
 なかには“十年以上も前の過去のこと”などと嘯く人もいるかもしれない。だが、世界的に見ても、#MeTooの発端となった映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインへの告発は十年以上前や数十年も前の行為も含まれており、また大きな衝撃をもって報じられたカトリック教会の莫大な人数の神父による性的虐待・隠蔽もまた、過去に遡って検証されている問題だ。

 ジャニー社長が歴史に残るプロデューサーであることは否定しないが、であればこそ、正の面だけでなく負の側面も検証されてしかるべきだろう。実際、イギリスの公共放送局・BBCは、ジャニー社長の訃報を伝える記事のなかで、その功績だけではなく性的虐待問題にも言及している。しかし、上述の通り、国内メディアはジャニー社長賛美一色。『報道ステーション』や『news23』のような報道番組までもが横並びの賛美報道しかできないのは異常だ。

 いまメディアで喧伝されているジャニー社長の功績とされる部分の多くもまた、男性グループを実質的に独占してきたことなど、こうしたジャニーズ事務所の強権的なマスコミ支配によるところが大きいことも付記しておきたい。

 ジャニーズタブーに縛られたマスコミだが、ジャニー社長が逝去したいまこそ、こうした性的虐待、パワハラの実態を再び検証すべきではないのか。
【2019.07.11.初出】

最終更新:2019.12.31 06:34

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

【2019年読まれた記事】ジャニー喜多川社長の美談を垂れ流し性的虐待問題を一切報じないマスコミ!元ジュニアが法廷で証言、最高裁でも確定してるのにのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ジャニー喜多川セクハラパワハラ北公次告発本性的虐待編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 「医療逼迫していない」は嘘だった!なのにGoToキャンペーン前倒し強行
2 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
3 「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
4 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
5 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
6 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
7 葵つかさが「松潤とは終わった」と
8 安倍政権の「Go To」批判封じを『ひるおび』八代弁護士がポロリ
9 森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
10 「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
11 安倍政権がコロナ増税の動き! 新会議に震災で復興税導入を主張した経済学者
12 アパホテルのトンデモ極右思想の正体
13 河井克行の買収に安倍事務所が関与の新証言!現金渡した相手を首相秘書が訪問
14 香港問題で安倍首相と自民党の二枚舌
15 マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
16 大谷医師が明かしたネトウヨの電凸攻撃!「反日」と怒鳴り込まれたことも
17 フジ特番が触れなかった津山事件の真相
18 王将社長射殺事件と闇社会の関係
19 年金積立金が1~3月期で18兆円マイナス! 国民の年金を溶かした安倍政権の責任
20 吉村洋文知事は「武富士」の盗聴犯罪を隠蔽するスラップ訴訟の代理人に
1 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
2 年金積立金が1~3月期で18兆円マイナス! 国民の年金を溶かした安倍政権の責任
3 小池百合子都知事が東京アラート解除のため陽性者数を操作していた疑惑
4 「医療逼迫していない」は嘘だった!なのにGoToキャンペーン前倒し強行
5 小池百合子が当選後、コロナ対応担う都立病院の合理化計画
6 森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
7 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
8 大谷医師が明かしたネトウヨの電凸攻撃!「反日」と怒鳴り込まれたことも
9 河井克行の買収に安倍事務所が関与の新証言!現金渡した相手を首相秘書が訪問
10 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
11 「専門家会議廃止」の裏に緊急事態宣言の解除をめぐる安倍官邸と専門家の対立
12 安倍政権がコロナ増税の動き! 新会議に震災で復興税導入を主張した経済学者
13 東京都の感染者100人超で小池知事、加藤厚労相、安倍首相の仰天言動
14 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
15 吉村洋文知事がコロナワクチン開発でもペテン手口!
16 安倍首相がイージス・アショア停止を悪用して「敵基地攻撃能力」保有へ
17 「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
18 「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
19 河井事件でバービーが「安倍首相の名前で金を受け取らせたのは圧力」
20 小池百合子、小野泰輔の“ヘイト”に津田大介が切り込んだ

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄