橋下徹のトランプ絶賛に、池上彰と佐藤優が「トランプと橋下は似ている」「安倍首相も同じミニ・サルコジ」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
tramphashimoto_161115.jpg
上・ドナルド・トランプTwitterアカウントより/下・橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジンより


 トランプ大統領の誕生に日本のメディアも大騒ぎの状態が続いているが、そんななか、橋下徹がトランプ支持をツイッターで展開し、話題を呼んでいる。

〈トランプ氏はとりあえずはアサド政権を容認し、その代わりロシアと組んでIS壊滅。きれいごとだけを言う政治家にはできない判断。ビジネスマンだ〉
〈トランプ氏は北朝鮮は頭がおかしいか天才かだと指摘。本質を突いている。きれいごと政治家では言えない〉
〈トランプ氏、犯罪歴のある不法移民を強制送還し、それ以外の不法移民に一定のルールのもと法律で市民権を与える。メキシコとの国境警備を強化する。シリアアサド政権を容認してロシアと組んでISを壊滅する。これだけで歴代大統領の中で最高の実績者となる。政治はきれい事ではなく実行だ。恐るべし〉

 このように橋下は、トランプが掲げる不法移民政策とシリア政策の転換などを挙げ、手放しで賞賛しているのだ。

 しかし、一体この政策の何が「最高の実績」だと言うのだろう。トランプは国境沿いに“万里の長城”を築くと宣言した際、同時にメキシコ人のことを「麻薬や犯罪を持ち込む。彼らは強姦犯だ」などと蔑視感情を露わにしている。また、アサドは一般市民への弾圧だけではなく大量殺戮まで行っている非道な独裁者である。そんな政権をトランプが容認することで起こり得るのはこれまで以上の悲劇でしかなく、シリア難民はさらに増えるだろう。しかも、トランプはシリア難民にかんしても「強制送還する」方針を打ち出しており、くわえてトランプの長男は難民受け入れを「毒入りキャンディ」に喩えてもいる。

 つまり、橋下が絶賛するこうしたトランプの政策は、彼の強烈なゼノフォビア、人種差別主義を前提にしたものであり、事実、アメリカ国内ではトランプの次期大統領就任が決まるや否やヘイトクライムが起こっている。そうしたものに目を向けることなく無批判に「政治はきれいごとではない」などと述べる橋下の危険性が改めて浮きぼりになったといっていいだろう。

 だが、このように橋下がトランプの政策に同調するのは、トランプと似た者同士であるがゆえだ。実際、その共通点を、政治に精通する論客たちも言及している。それは、ジャーナリストの池上彰と作家の佐藤優だ。

 ふたりがトランプと橋下の類似性について述べているのは、10月に発売した共著『新・リーダー論 大格差時代のインテリジェンス』(文藝春秋)でのこと。まず、池上がトランプについて「「これは口には出さない方がいい」と皆が思うような問題に敢えて触れることで、質の悪い連中を駆り立てて、結局、共和党を乗っ取ってしまった」と言うと、佐藤は「その潜在的な素質は橋下徹にもありますね」と返答。池上も「トランプと橋下徹は、似ている部分がある」と言い、以下のように“池上解説”をはじめるのだ。

「橋下は、大阪の子供たちの学力が低いのは学校の先生のせいだ、教育委員会のせいだと言ってバッシングする。そうやって、わかりやすい敵をつくる。実はその背後には貧困の問題があるのに、そこには目を向けず、「先生が悪いんだ」と非難する。言われた以上、先生たちも必死になり、多少は学力が上がったりもするのでしょうが、明らかに本質ではないところに敵をつくり出してバッシングすることで人気を得る、という形を取っている。
「トランプがアメリカ大統領になるのがいいことか悪いことか」とゲストに訊ねるテレビの番組で、「日本にとってはとんでもないことだ」と皆が答えているのに、ただ一人橋下徹だけが「日本にとっていいことだ」と答えていました。「日本の独立について改めて議論するきっかけになるから」「駐日米軍がいなくなったらどうするのかということを私たちが真剣に考えるきっかけになるから」というのです。トランプの発想と大変似ています」

 根本的な問題をはぐらかすために仮想敵をつくり出し、それを攻撃することで強いリーダーであることを演出する。たしかにこれは、前述したトランプの態度であり、橋下の態度そのものである。

 さらに池上の発言に対し、佐藤は「「米軍駐留をやめる」などと発言するトランプが、真面目に考えていないのは明らかです。注目を浴びさえすれば、何でもありなのです」と言い、橋下のトランプ評の甘さを指摘。それに続けて池上は、トランプの「炎上商法」を取り上げて「橋下徹がわざと極端なことを言ってメディアに取り上げられたのと同じです」と述べている。

 橋下は自分とそっくりだからこそ、トランプを褒めあげる──。なんとも気持ちの悪い光景だが、しかし、これは橋下に限った話ではない。この国のリーダーである安倍首相もまた、橋下的・トランプ的な政治家であり、橋下と同じように安倍首相もすでにトランプへの同調を見せているからだ。

 安倍首相とトランプの親和性については既報の通りだが、じつは前掲書でも佐藤がその点を指摘している。

 同書では橋下やトランプといった大衆迎合型の新自由主義者の先駆けとしてフランスのサルコジ前大統領の名を挙げているのだが、佐藤はフランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッドのサルコジ論から引用するかたちで、サルコジの特徴を「思考の一貫性の欠如」「知的凡庸さ」「攻撃性」「金銭の魅惑への屈服」「愛情関係の不安定」としている。そして、「橋下徹も、トランプも(中略)サルコジの特徴のすべてが見事に当てはまります」と佐藤は明言。「トランプは「アメリカ版のサルコジ」で、安倍首相も多かれ少なかれ「ミニ・サルコジ」なのです」と話している。

 以前、本サイトでは、思想家の内田樹が橋下と安倍の共通点を「幼児的で攻撃的で不寛容」「二人を駆動している政治的な情念がある種の「怨念」」「首尾一貫性を維持しなければ自分の知的誠実さが疑われると思っていない。言葉なんか、ただその場しのぎでいいんだと思っている」と分析していることを紹介した。これらはある意味、サルコジの特徴とほぼ同じであり、トランプにも当てはまるものだ。

 社会から市民の連帯が失われる一方で、保守系政治家はナショナリズムと同時にマイノリティを危険分子だと攻撃し他国の脅威を煽り、メディアがそれを喧伝する。そうして不安や恐怖を駆り立てられた人びとは排斥感情を募らせ、「強いリーダー」になびく──このような流れのなかで橋下や安倍、トランプといった政治家が支持を集めているわけだが、しかし、結果として得をするのは大企業や富裕層だけ。強いリーダーたちによって、民主主義はどんどん破壊されていくだけである。

 これから「似た者同士」たちは手を組み、排他的な政治を進めていくだろう。そして日本でも、橋下と安倍が手を組み、憲法改正と人権破壊に向かって動き始める。まさに恐怖としかいいようがない。
(水井多賀子)

最終更新:2017.11.12 02:11

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

橋下徹のトランプ絶賛に、池上彰と佐藤優が「トランプと橋下は似ている」「安倍首相も同じミニ・サルコジ」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。トランプ大統領佐藤優橋下徹水井多賀子池上彰の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 裁判で「安倍首相は逃げている」と陳述、赤木さんの妻が小川彩佳に語った覚悟
2 松本人志「好きな人ができると女はだめになる」に指原莉乃が鋭すぎる反論
3 「#GoToキャンペーンを中止してください」ツイート25万超
4 「医療逼迫していない」は嘘だった!なのにGoToキャンペーン前倒し強行
5 首相官邸のSNSはやはり電通が仕切っていた! 高橋まつりさんも母親に
6 GoTo強行の安倍政権、専門家の感染拡大予測メールを破棄した東京都
7 電通社員自殺でも弘兼憲史が宴会芸賛美
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 村上春樹が『猫を棄てる』で歴史修正主義と対決、父親の凄惨な戦中体験を
10 辛坊治郎が新宿区のコロナ見舞金を「ホストが10万円狙いで感染」とデマ
11 “フジのスシロー”平井文夫解説委員の安倍擁護は“本家”田崎史郎より酷い
12 木下優樹菜の「新しい不倫相手」は本当に存在するのか?
13 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
14 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
15 公安庁が沖縄めぐりネトウヨ並み報告書
16 伊坂幸太郎が直木賞にブチキレ!
17 『進撃の巨人』のシキシマはリヴァイ?
18 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
19 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
20 久米宏が終了決定のTBSラジオで田中真紀子と
1 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
2 「医療逼迫していない」は嘘だった!なのにGoToキャンペーン前倒し強行
3 年金積立金が1~3月期で18兆円マイナス! 国民の年金を溶かした安倍政権の責任
4 小池百合子都知事が東京アラート解除のため陽性者数を操作していた疑惑
5 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
6 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
7 森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
8 首相官邸のSNSはやはり電通が仕切っていた! 高橋まつりさんも母親に
9 「#GoToキャンペーンを中止してください」ツイート25万超
10 大谷医師が明かしたネトウヨの電凸攻撃!「反日」と怒鳴り込まれたことも
11 河井克行の買収に安倍事務所が関与の新証言!現金渡した相手を首相秘書が訪問
12 安倍政権がコロナ増税の動き! 新会議に震災で復興税導入を主張した経済学者
13 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
14 GoTo強行の安倍政権、専門家の感染拡大予測メールを破棄した東京都
15 東京都の感染者100人超で小池知事、加藤厚労相、安倍首相の仰天言動
16 裁判で「安倍首相は逃げている」と陳述、赤木さんの妻が小川彩佳に語った覚悟
17 「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
18 「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
19 辛坊治郎が新宿区のコロナ見舞金を「ホストが10万円狙いで感染」とデマ
20 香港問題で安倍首相と自民党の二枚舌

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄