吉村知事を三浦瑠麗が「本人も間違ったと思ってる。顔見ればわかる」一方、維新幹事長はヨード推奨批判にまで“対案出せ”

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吉村知事を三浦瑠麗が「本人も間違ったと思ってる。顔見ればわかる」と嘲笑! 一方、維新幹事長はヨード推奨批判にまで対案出せの画像1
吉村洋文公式HPより


 吉村洋文大阪府知事の「ポビドンヨードを使ったうがい薬がコロナに効く」発言のトンデモぶりが明らかになるにつれ、マスコミでもポツポツと批判が聞かれるようになってきた。

 きょうの『ワイドナショー』(フジテレビ)でも、権力者が大好きな松本人志は「アグレシブさは買ってあげたい」「65点ぐらい取っても、残りの35点取れないって、みんなでうわーって怒るから」「みんなが叩くと、偉いさんたちが萎縮してしまう」などと必死で吉村知事を擁護していたが、他の出演者はおおむね批判的だった。

 東野幸治はこの話題を紹介するときから「我々国民からすると、ただ不安(を煽っただけ)というか。この会見が必要、言わなくちゃいけなかったのかなって」と発言していたし、ゲストコメンテーターのヒロミも「全部瓶も並べて、はちょっとね。あれ見たら、そういうのあるんだと思いましたもんね。これは絶対、世の中から消えるな、なくなるな、とも思ったし」と、軽率さを批判。

 歌手の西川貴教は、本サイトでも報じた実験のずさんさや、その扇動が招く危険性にまで踏み込んでいた。

「これ、ポビドンヨードを使った人と使ってない人っていうふうな発表のされ方だったように思うんですけど、本来は、他の製品とか、塩、水、お茶とかいろんなものをやって検証した結果、こうでしたという発表のほうがよかったかなと思いました」
「同時に、医療現場で枯渇するみたいなことになってしまうっていうことが、非常に危険なんじゃないかな、というふうに思います」

 さらにこの日は、三浦瑠麗氏が出演していたのだが、普段の維新べったりぶりからてっきり吉村知事を全面擁護するかと思いきや、「カリスマ的」「いい政治家」と持ち上げたあと、例の笑みを浮かべながら、こう語ったのだった。

「これはこれで買い占めを予見すべきだったから私は批判すべきだと思いますし、ご本人もおそらくちょっと間違ったかなって思っているんですよ。そうでしょ、だって顔を見ればわかるもん」

 さすが三浦センセイ、半可通のテキトーな情報を自信満々に喋る“同類”の感情は手に取るようにわかるらしい。

 しかし、“自分が間違ったことをわかっている”はずの当の吉村知事は、これまた三浦センセイがそうであるように、いまだ間違いを認めていない。例の「言いたいことも言えなくなる」という“ポイズン”発言をしたきり、会見の撤回も謝罪も一切せず、完全に開き直っているのだ。

維新の馬場伸幸幹事長が吉村会見を批判した医師団体を「共産党系」とデマ攻撃した上、“対案出せ”

 しかも、ここにきて維新の最高幹部がとんでもない反論をツイートした。

「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」という吉村知事の会見の後、大阪府の開業医らで構成される「大阪府保険医協会」や「大阪府歯科保健協会」が吉村知事の発表に科学的な証拠がなく、健康被害や医療現場の混乱を招いていると指摘。「知事の発言は住民の命と健康に関わることを肝に命じて発言を」「医療機関と府民を混乱に陥れたことを真摯に受け止めよ」と批判した。

 まさに正論だが、しかし、維新の馬場伸幸幹事長がツイッターで、このニュースをRTしたうえ、こうコメントしたのだ。

〈ひどいね〜 批判してる団体は共産党系、普段から政府や役所を批判している。今の制度がダメなら実現性のある提案をお願いします!〉(8月7日)

 まったく呆れるしかない。大阪保険医協会や大阪府歯科保健協会はたしかにこれまでも、維新の政策を批判したことがあるが、それは維新の医療費削減政策が大阪の医療体制を崩壊させることを危惧しているからで(実際、今の大阪はその危惧通りになっている)、両団体は共産党系ではない。たとえば、大阪府保険医協会には6000人以上の開業医が加盟しており、これは大阪府全体の開業医以外も含めた医師数の約4分の1に当たる。 それがすべて共産党系だったら、大阪でもっと共産党が勢力をもっているだろう。

 ようするに、馬場幹事長は自分たちが批判されたことをごまかすために“共産党”というデマレッテルを貼って攻撃しているだけ。そのやり口はほとんど「戦前の治安維持法」か「赤狩り」ではないか。

 しかし、もっと呆れたのはそのあとだ。吉村会見を批判したことに対して「ダメなら実現性のある提案をお願いします!」って……おいおい、「ヨードうがい薬がコロナに効く」会見を批判したら、代わりに効く薬をこっちが提案しなきゃいけないのか? 国民が効く薬を提案できないなら、黙って吉村知事の勧めるヨードうがい薬を使えってことか? 

 維新といえば、政権や自分たちへのあらゆる批判に「だったら対案出せ」と切り返す“対案厨”ぶりが有名だが、まさかヨードうがい薬の件でまで対案を出せと迫ってくるとは……。もうむちゃくちゃである。

 しかも、これ、馬場幹事長個人が「救いようがないくらい頭が悪い」ということで片付けられる問題はない。

ALS患者殺害事件でも維新の「優生思想」を体現した馬場幹事長、今回も“反知性”全開

 馬場幹事長といえば、先日、ALS患者の嘱託殺人事件をめぐって、やはりALS患者であるれいわ新選組・舩後靖彦参院議員が「生きる権利を守る、生きやすい社会に」と発言したことに対して、「議論の旗振り役になるべき方が議論を封じている」などと攻撃。「優生思想丸出し」と大きな批判を浴びた。

 しかし、これは馬場幹事長だけの問題ではなかった。表向き馬場幹事長を諌めていた維新代表の松井一郎市長も、同時に「生きやすいかどうかは個人の感性の問題」などと問題を矮小化、なおもALS殺人をきっかけに尊厳死を議論すべきと主張していた。馬場幹事長は頭が悪いため露骨な物言いしかできないだけで、そもそも維新の底流に「生きる権利より医療費削減」「生産性の低い高齢者は早く死んだほうがい」という優生思想が流れているのだ。

 そういう意味では、今回も同じだ。「対案を出せ」というのは、一見、政策を発展させる建設的な主張に聞こえるが、そもそも維新にそんな上等な目的があるわけではない。大阪では自分たちへの批判を封じ込め、国政では安倍政権に対して自分たちの利権になるような政策を飲ませるために、この言葉を使っているだけだ。

 馬場幹事長の「ポビドンヨードうがい薬の対案を出せ」ツイートはそのことをはっきりさせたといえるだろう。

 しかし、残念ながら、ほとんどの大阪府民、日本国民は、維新のこうした本質にはまったく気づいていない。感染拡大と医療崩壊をごまかすために吉村知事や松井市長が次々繰り出す詐術に乗せられ、「維新はがんばっている」「維新だけが建設的な政策を考えている」と信じ込まされている。

 兵庫との往来自粛、ワクチン開発、そして今回のヨードうがい薬……。維新の詐術なんて、ほんのちょっと目を凝らせばすぐバレるような底の浅いものばかりのものなのだが、それでもこれだけ国民を騙せるというのは、維新のメディア戦略がよほど長けているのか、それともこの国の反知性主義が想像以上に進んでいるということなのだろうか。

最終更新:2020.08.09 09:31

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