米沢瑠美のヌード載せた「フライデー」にAKB運営が版権引き上げの恫喝

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「フライデー」14年11月14日号(講談社)

「フライデー」(講談社)とAKBといえば、スキャンダルを一切やらないかわりにメンバーの連載やグラビアを毎号のように掲載している御用雑誌の関係。だが、その「フライデー」が今、AKBの運営と大もめにもめているらしい。

 原因は11月14日号に袋とじヌードグラビア「元AKB48人気メンバー 衝撃の完全へアヌード!!」を掲載したことだった。この元AKB48メンバーというのは、初期の頃から活躍していた米沢瑠美。米沢は07年からAKB48のチームBやKで活躍、09年にはシングル選抜22位を獲得する人気メンバーだった。だが12年に男子との親しげな写真や飲酒を思わせる写真がツイッターで流出し、AKB脱退を余儀なくされる。その後は事務所も移り、舞台女優など細々と芸能活動を続けていたが、13年末からは移転した新事務所のHPプロフィールからも姿を消し、引退説も囁かれていた。

 そんな米沢が名前を変えて「フライデー」に登場。袋とじで乳首やヘアもさらすフルヌードになったのである。しかも、米沢は同号で表紙まで飾った。

 ところが、AKBの運営サイドはこれに激怒し、同号が発売されるや、「フライデー」と講談社に猛抗議を行ったのだという。

「『フライデー』編集部だけでなく、講談社の上層部にまでねじ込んだようです。その怒りは凄まじく、講談社発行の雑誌などへのメンバーの出演拒否だけでなく、既に刊行されたAKB関連書籍の版権をすべて引き上げるとまでいってきているようです」(AKBに詳しい週刊誌記者)

 AKBの抗議はそれだけでは済まなかった。講談社のグループ会社のキングレコードにも「フライデー」に圧力をかけるよう求め、「週刊文春」などごく一部を除いた多くのスポーツ紙や出版社などAKB御用媒体に「米沢のことについて今後一切触れるな。後追いするな」と箝口令を敷き、通達まで出したという。

 講談社はこの動きに震え上がったという。秋元康率いるAKBの運営会社AKSが各出版社に写真集やグラビア、連載、カレンダーなどのAKB利権を分配し、熱愛スキャンダルなどを封じ込めてきたのは有名な話だが、中でもその利権にもっとも浴してきたのが講談社だった。各種写真集に、単行本、グラビア、連載、そして公認の「総選挙ガイドブック」……。

「とくに、『総選挙ガイドブック』は億単位の金を稼ぎだすドル箱です。これを切られたら講談社としては大損害になる。そのため、編集幹部など関係者が次々とAKSに出向いて必死に謝罪したようです」(同前)

 その結果、版権引き上げは免れたというが、しばらくの間「フライデー」にはAKBのグラビアを一切掲載させないというペナルティが科せられることになったともいわれている。

 AKBサイドとしてはまさに“伝家の宝刀”を抜いたかたちだが、それにしても、運営はなぜ、今回の件でここまで激怒したのだろうか。フライデーは現役メンバーのスキャンダルを報じたわけではない。脱退した元メンバーのヌードを掲載しただけである。

 だが、1〜2年前くらいから、運営サイドはこの元メンバーのヌードやAV出演に対してものすごくナーバスになっているらしいのだ。

「運営はAKB人気が下降していることに焦っているんですよ。卒業した前田敦子や大島優子、板野友美といった元中心メンバーたちも、卒業後の活動はパッとしない。これで、元メンバーのヌードやAV出演が続出したら、AKBのブランドイメージが崩れて、三流のヨゴレの集団のようなイメージになってしまいかねない。そのため、メディアを必死で締め付けて、些細なマイナス記事も出ないようにしているんです」(芸能関係者)

 実際、元AKBのグラビアモデルやAV嬢が次々登場しているにもかかわらず、御用メディアは、AKBサイドの許可をえないかぎり、掲載できない状態だという。

「フライデー」は昨年、やはり元AKBメンバーの成田梨紗のヌードを掲載しているが(8月16日号)、これは事前に運営に根回ししており、表紙や中吊り広告には「国民的アイドルグループ」としただけで、「AKB」の名前は一切伏せていた。

 しかし、その「フライデー」は今回、なぜかそういった根回しをせず、しかも表紙に堂々と「元AKB48人気メンバー」と打った。その結果、運営の怒りを買ったわけだが、実はこの「フライデー」の変化にも、AKB人気の陰りが関係しているようだ。

「ずっとAKBを担当していて『友撮』シリーズをつくっていた編集者が異動になったというのもあるようですが、やはり大きいのは、AKBがあまり売り上げに結びつかなくなってきたことじゃないでしょうか。編集現場では『グラビアを掲載しても部数に結びつかないなら、文春のようにスキャンダルをやったほうがいい』という声も出てきているんです。そんな中で『元メンバーのヌードくらいならいいだろう』となったようです」(講談社関係者)

 しかし売り上げが落ちたとはいえ、『総選挙ガイドブック』などがあげる収益はまだまだ大きく、最終的には講談社上層部が運営の抗議に屈してしまった。しかし、このままAKBの人気下落が進めば、運営の利権を使った縛りもどんどん効かなくなっていくだろう。

 今回のヘアヌード掲載騒動はもしかしたらAKBメディア支配の「終わりのはじまり」かもしれない。
(田部祥太)

最終更新:2014.12.10 04:16

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AKB48総選挙公式ガイドブック2014 (講談社 Mook)

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