“ステマ”は小泉進次郎だけじゃない 自民党が十数年、組織ぐるみでやってきた卑劣な“ステマ”野党攻撃と情報操作の手口を検証

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野党攻撃のデマサイトやトンデモフェイク冊子にも自民党の影、電通とタッグでSNS対策も

 さらに自民党関係者がネトウヨ向けサイトを運営していた疑惑もある。有名なのが、「政治知新」なるネトウヨ向けサイト。共産党の吉良よし子参院議員の不倫デマや沖縄県知事のさなかに玉城知事のたい麻吸引というデマを流したのをはじめ、フェイクやデマを交えてしょっちゅう野党や政権批判者を攻撃してきたことで知られる。

 2019年、このサイト「政治知新」のドメイン情報から、登録されている運営者が菅義偉官房長官(当時)の息のかかった自民党神奈川県議の弟であることが発覚。さらに、その運営者とされる本人はなんと、2019年4月に開催された安倍首相主催の「桜を見る会」に招待されていたことを、自らFacebookで報告していた。

 また、2019年7月の参院選前には、正体不明の発行元による“野党&メディア攻撃”まとめ本を、自民党本部が所属国会議員にバラまいていたことが判明。『フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識』なるタイトルの冊子は150ページもあり、たとえば「トンデモ野党のご乱心」なる第一章では、「立憲民主・枝野代表の無責任を嗤う」と題して〈辺野古移設への反対活動には過激派も入り込んでいます。枝野氏は、革マル派活動家が浸透しているとされるJR総連などから献金を受けており、革マル派に近いといわれています〉などとネトウヨ界隈で定番となっている“枝野幸男=革マル”のデマ攻撃が掲載されるなど、典型的な“野党攻撃”があふれていた。

 冊子の奥付には「terrace PRESS」なる聞きなじみのないウェブサイトの名称が記されており、そのサイトからピックアップされた記事を〈見出しを含め、加筆、修正したものを掲載〉しているとのことだった。しかし、この「terracePRESS」は検索エンジンにかけても、まったくヒットせず、収入源となるはずのウェブ広告の類も一切なかった。そうしたことから、同サイトの本を所属議員に配布した自民党の関係者がこのサイトの運営に関与し、身内だけで密かに“野党叩きの作戦指南サイト”として利用している可能性が指摘された。

 このように挙げだすとキリがないほどだが、自民党ではこうしたネットやSNSを使った謀略が日常化してきた。だからこそ、今回の小泉陣営によるやらせコメント問題が判明しても、コメント例で腐された高市氏を筆頭に他の候補者たちも積極的な批判や追及を避けているのだ。

 フェイクやデマ、誹謗中傷、罵詈雑言を駆使して野党や批判者らを貶め、自分たちに有利にはたらくように世論誘導する政党、それが自民党だ。新総裁が小泉氏になろうと高市氏になろうと、自民党の不正・腐敗・堕落を正すことなど不可能であり、期待することが馬鹿げているとしか言いようがないだろう。

最終更新:2025.10.03 01:36

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