西村大臣の飲食店圧力に菅首相が同調していた証拠が…しかも国税の取引停止指示を継続、業者への支援金は拒否連発で支払い2割

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金融機関を使う方針は撤回したが、国税庁が酒類提供飲食店との取引停止を指示

 いずれにしても、菅首相がこの金融機関を使ったヤクザまがいの恫喝に同意していたことは間違いない。

 そして、菅政権は金融機関を使う方針は撤回したものの、同様の横暴な飲食店に対する圧力は継続している。じつは、内閣官房と国税庁酒税課が酒類業中央団体連絡協議会に対し、酒類提供停止に応じない飲食店とは取引を停止しろと「依頼」する事務連絡を8日付で出しているのだ。

「金融機関を使った働きかけ」という方針の下劣さのせいで霞んでしまっているが、しかし、この国税庁を使った「依頼」もヤクザの発想と言うほかなく、相当に酷い。それは飲食店に対する兵糧攻めであるということだけではなく、酒類の卸業者に対する締め付けでもあるからだ。

 ご存じのとおり、時短営業や酒類提供停止の要請に応じた飲食店には協力金が支払われるが、一方、飲食店と取引して食材や器材の納入などをおこなう関連業者には協力金などの補償はなく、飲食店の休業・時短営業や外出自粛の影響で売上が半分以下になった事業者に対する月次支援金(法人・上限月20万円、個人事業者・上限月10万円)しかない。そのため、飲食店からは同じように苦境に立たされている卸業者の先行きを心配する声があがり、それを理由に要請に応じず酒類の提供をつづけている店もある。

 つまり、政府が対策を強化するというのであれば、飲食店への補償の見直しと同時に、関連業者に対する手厚い補償策を打ち出すべきなのだが、前述したように、今回の宣言発出で菅首相は新たな補償策を何ひとつ用意しなかった。そればかりか、「酒類提供を停止しない飲食店とは取引するな」とまで言い出すとは、これは飲食店と関連業者に首を括れと言っているようなものだ。

 しかも、政府による関連業者に対するイジメは、これだけではない。業者にとっては「雀の涙」でしかない支援金さえ「申請したのに支給がされない」という悲鳴があがっているからだ。

 その支援金とは、1月におこなわれた2度目の宣言発出時に実施された一時支援金(法人・上限60万円、個人事業者・上限30万円)。対象となったのは月次支援金と同じく飲食店の時短営業や外出自粛の影響で売上が半分以下になった事業者で、すでに6月15日に申請が締め切られたが、所轄する経産省によると、6月10日時点で申請が通って支給された支援金は予算の2割にすぎない。

 支援金は死活問題であるにもかかわらず、なぜ給付が進まないのか。じつはそこにはあるカラクリがあった。それは、申請をおこなっても「提出した書類に不備がある」という長文メールを送り返され、ハードルが高すぎる書類による証明を次々に求められるという「不備ループ」と呼ばれるものだ。

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