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何が「断腸の思い」か…安倍首相が横田滋さん・早紀江さんにとった冷淡対応! 直訴の手紙を無視、公務と嘘ついて国民大集会を途中退席
会見で横田滋氏の逝去について語る安倍総理(首相官邸HPより)
「滋さんが早紀江さんとともに、その手でめぐみさんを抱きしめることができる日が来るようにという思いで今日まで全力を尽くしてきたが、総理大臣としていまだに実現できていないことは断腸の思いであり、本当に申し訳ない思いでいっぱいだ。めぐみさんをはじめ、拉致被害者の方々のふるさとへの帰還、帰国を実現するためにあらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していかなければならない」
北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんの父親である横田滋さんが亡くなったことを受け、安倍首相は5日夜、記者団のこんなコメントを発した。
もっとも、このコメントには国民から批判の声が多数上がっている。「断腸の思いと言っているが、絶対に痛みなど感じてはいない」「安倍晋三は口だけ」「必ず取り戻すと言って家族会に会うたびに同じことを言ってたが、何もやった気配なし」「全力あげてきたのは改ざんで、拉致問題に全力尽くしてないだろ」
当然だろう。拉致問題を自らの人気取りに利用し、ことあるごとに「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけ」などとアピールしていた安倍首相だが、この間、成果なんてなにもなし。それどころか、近年は拉致問題をないがしろにするような動きまで見せていた。
たとえば、2018年に文在寅大統領とトランプ大統領が南北首脳会談、米朝首脳会談に向けて動いていたときも、安倍首相は拉致問題の解決を進展させる絶好機にもかかわらず、自らの極右イデオロギーを優先。日韓首脳会談では文大統領に「米韓合同軍事演習を予定通り進めることが重要だ」と内政干渉して融和ムードへ冷や水を浴びせかけ、平昌五輪開催中の日米電話会談後には「北朝鮮に最大限の圧力をかけつづけていく点で完全に一致した」などと発言した。そして、南北首脳会談実現に向けて動く韓国に対して、外務省を通じて「まだ時期が早い」「思いとどまるべき」と、再三にわたって圧力をかけつづけたのである。
米朝首脳会談が開催されることが決まると、ポチぶりを発揮して手のひら返し。「米朝会談は拉致問題解決の千載一遇の機会」と、トランプ大統領の任せておけば大丈夫であるかのような喧伝をしていたが、結局、何も働きかけはできず。米朝の合意文書に拉致問題の「拉」の字さえ載らなかった。
しかも、これはたんに結果が出なかったということではない。安倍首相はある時期から明らかに拉致問題に対して関心を失っていた。
たとえば、安倍政権は第二次政権発足時に「拉致問題対策本部」のもと拉致関連の会議体を6つも発足させているが、2015年を過ぎたあたりから、いずれの会議体もほとんど開かれることなく開店休業状態になっている。
さらに、安倍首相のやる気のなさを象徴するのが、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)などが毎年春と秋に開いている「国民大集会」への姿勢だ。安倍首相は、2018年、2019年ともに「公務」「政務」を理由に途中退席しているのだが、実際は公務も政務もしておらず、そのまま東京・富ヶ谷の私邸に直行。来客もなく自宅で過ごしていたのだ。
この冷淡な対応は、拉致運動を牽引し、それこそ総理大臣にまでのぼりつめる安倍人気の原動力として利用してきた横田夫妻に対しても同様だった。横田夫妻は安倍首相や救う会の「圧力を強めることが唯一の解決策」というスローガンのもと、北朝鮮への対決姿勢を煽る象徴的な役割を担わされてきたが、数年前から「40年経っても何もわからない状況で本当に信じていてよかったのだろうか」と疑念の言葉を口にするようになっていた。しかも、横田早紀江さんが思いを綴った長文の手紙を安倍首相に送ったにもかかわらず、安倍首相は何の返事も連絡もよこさなかったのだという。
あれだけ横田夫妻の存在を自分の政治家としての人気取りや極右政策の実現に利用したにもかかわらず、利用価値がなくむしろマイナスと見るや、あっさりと切り捨てていたのだ。
本サイトは2017年12月、この安倍首相の横田夫妻に対する冷淡な対応を記事にしている。これを読めば、長年「拉致問題の解決」を連呼してきた安倍首相の目的が実際は自分の人気取りと極右政策の実現にすぎず、拉致問題の解決や被害者家族の思いなんてまったく本気で考えていなかったことがよくわかるはずだ。
(編集部)
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