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安倍自民党の“改憲”取り込みが露骨に! 下村博文が改憲推進本部長退任4日前に立憲・山尾志桜里へラブコール

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「議論したい」と言いながら従来の主張を繰り返す下村本部長に直撃

 下村氏は「安保法制は元々合憲」などと言い張るが、このまやかし、詐術こそが安倍政権下の改憲に国民が不信感を抱いている最大のポイントだろう。安保法制で憲法を骨抜きにしながら、「何も変わらない」などと言って9条加憲を主張しても、信じることなんてできるはずがない。

自民党がもし本気でまともな議論をする気があるなら、まずは枝野代表の言うように安保法制の違憲部分の撤回を考えるべきだが、彼らにそんな姿勢は微塵もない。そこで、筆者は下村氏の本音を引き出すために、あえて「憲法論議を進めたいなら」という立場に立って、質問をぶつけてみた。

――枝野(幸男)さんは「安保法制は違憲だ」と言っているわけだから、そこが一番のポイントなのではないか。(安保法制に対する認識が)食い違ったままだと、いつまで経っても憲法改正(論議)が進まない。

下村氏 食い違っているから国会で議論をするべきではないか。他の法案もそうだが、与党野党を含めて特にこういう問題は全員がほとんど一致して同じ意見はありえない話ですから。

――だから野党は「違憲の安保法制をまず(合憲に)変えることが先決だ」と言っているわけですから。「憲法改正が先だ」というのは、順番が逆なのではないですか。

下村氏 「逆だ」と考える方もいらっしゃるかも知れないが、我々はあくまでも憲法で加憲で自衛隊を明記するというのは、安保法制と直接関係する話ではないというふうに思い続けています。

 結局、下村氏は最後まで、壊れたテープレコーダーのように、「安保法制は合憲である、改憲とは関係がない」という主張を繰り返し続けただけだった。「議論すべき」などと言っているが、自民党のほうこそが議論する気などさらさらなく、所詮、野党の一部を切り崩して、強行突破するための大義名分、ポーズに過ぎないのだ。

 実際、ナショナリズムを煽る対韓強硬外交で内閣支持率が上昇傾向の安倍首相は明らかに「今がチャンス」とみて、一気に改憲をゴリ押ししようという姿勢を見せている。

 下村氏は講演後の囲み取材で、「一気に憲法改正を進める考えか。韓国に対して嫌韓政策で支持率が上がっている今がチャンスだという考えはあるのか」という私の質問に対して、「それは直接関係がない話だと思います。憲法議論は憲法議論でもっと盛り上げたいと思っているが、政局絡みの話ではないと思う」と答えていたが、もちろんこれは本音ではないだろう。

 講演から4日後の党役員人事で下村氏は憲法改選推進本部長を降板することになったが、同日の新内閣発足で環境大臣に抜擢された“小泉進次郎効果”で内閣支持率は軒並み上昇、安倍政権が改憲に突き進む可能性はさらに高まった。10月召集の臨時国会での与野党の攻防が注目される。

最終更新:2019.09.23 02:49

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