中間選挙を前にマイケル・ムーア監督が日本の民主主義に警告!「安倍もトランプみたいにおかしくなっているのか」

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マイケル・ムーア「投票率が低い日本やアメリカでは、民主主義は生き残れない」

 6300万人の投票で多くの人が望んでいない無茶苦茶な政策が推し進められてしまうアメリカの現実は、安保法制や共謀罪など国民の世論調査で大半が反対の意思を示しても強行採決され、国民の大半が納得していないと答えている森友・加計問題など疑惑の説明責任から逃げつづける日本の現実と軌を一にする。だからこそ、マイケル・ムーア監督は、日本にもこう呼びかける。

「テレビの前の人たちも『きっと良くなる』と願うだけだろう? でも希望だけでは何も実現しない。希望は行動ではない。必要なのは行動であり、みんながそれに加わることだ。投票率が低い日本やアメリカでは、民主主義は生き残れないよ」(『報ステ』より)

 絶望の淵に立たされているアメリカと日本。しかし、それでもアメリカはまだマシなのかもしれない、と思わされることがある。というのも、アメリカでは国民皆保険や教育無償化、銃規制の強化など社会主義的な政策に賛同する若者たちの動きが活発化し、草の根の運動を展開しているからだ。

 なかでも注目を浴びているのは、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏。彼女はプエルトリコ出身の母とサウスブロンクス出身の父をもつ、ヒスパニック系の候補。29歳の元ウェイターで、いまだ学生ローンを支払っているという政治経験のない“一般市民”だった。だが、2016年の大統領選挙の民主党予備選でヒラリー・クリントンと戦ったバーニー・サンダース候補の選挙スタッフとなり、今年6月、中間選挙に向けおこなわれた民主党予備選に出馬。民主党重鎮の現職下院議員を破るという快挙を果たし、一躍有名人となったのだ。

 アメリカの民主党はリベラルの政党と言われながらも、ヒラリーやオバマのように「中道」を打ち出してきた。しかし、そうやってエスタブリッシュメントに迎合するのではなく、弱者の暮らしに重きを置いた政策を掲げ無党派層の求心力を高めようという動きが、アメリカの民主党内部では起こりつづけ、実際に若者を惹きつけている。──これこそが、アメリカにはあって日本にはまだない動きだと言えるだろう。最大野党となった立憲民主党にしても、枝野幸男代表は自分たちを「リベラル」「弱者の味方」と宣言することもできず、逆に「真の保守」などと右傾化の風潮に媚を売っているありさまだ。

「実力者や独裁者が国を牛耳るのを、人は望むだろうか? 望むわけがない。これまでにない危険な時代だ。本当にそう思っている」(『報ステ』より)とマイケル・ムーア監督は言う。果たして、中間選挙でアメリカはどのようなジャッジを下すのか。あらゆる意味で日本の未来にかかわるこの選挙結果を注視したい。

最終更新:2018.11.06 10:19

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