美智子皇后の誕生日談話「マクワウリ」に隠された意図が? 天皇夫妻が発信し続けた護憲・平和への思い、安倍改憲への危機感

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宮内庁HP『皇后陛下お誕生日に際し(平成30年)』より

 昨日20日、美智子皇后の誕生日に際した恒例の文書コメントが発表された。来年4月をもって今上天皇が退位することで、「皇后」として最後の誕生日コメントということもあり、皇太子妃、皇后として明仁天皇とともにした道のりの回想が主だったが、そのなかに、美智子皇后から安倍首相への“メッセージ”とも解釈できる部分が隠されていたのをご存知だろうか。

 ほとんどの人は気がついていないと思うが、それは文章の終盤、今後皇后の公務から離れたら何をしたいかについて語っている箇所にある。美智子皇后は、これまで手をつけられなかった小説などをじっくり読みたいと記してから、唐突に、こう筆を進めている。

〈また赤坂の広い庭のどこかによい土地を見つけ、マクワウリを作ってみたいと思っています。こちらの御所に移居してすぐ、陛下の御田の近くに1畳にも満たない広さの畠があり、そこにマクワウリが幾つかなっているのを見、大層懐かしく思いました。頂いてもよろしいか陛下に伺うと、大変に真面目なお顔で、これはいけない、神様に差し上げる物だからと仰せで、6月の大祓の日に用いられることを教えて下さいました。大変な瓜田に踏み入るところでした。それ以来、いつかあの懐かしいマクワウリを自分でも作ってみたいと思っていました。〉

 一見、自らの“引退後”のささやかな夢を思い出深く語っているようだが、ここに、さりげなく意味深長な語句が挿入されている。「大変な瓜田に踏み入るところでした」という部分だ。実は、誕生日コメントが掲載されている宮内庁のホームページには、今回の文書の終わりにわざわざ「(参考)」として、こんな解説文が添えられていた。

〈「大変な瓜田に踏み入るところでした」
 広く知られている言い習わしに「瓜田に履を納れず」(瓜畑で靴を履き直すと瓜を盗むのかと疑われるのですべきではないとの意から、疑念を招くような行為は避けるようにとの戒め)がある。〉

「瓜田に履を納れず」は「李下に冠を正さず」の対句としてしばしば使われる中国由来のことわざである。「李下に冠を正さず」のほうは聞き馴染みのある人も多いはずだ。

 そう、このフレーズは、昨年からの森友学園、加計学園をめぐる一連の疑惑で、しばしば登場した言葉なのである。

「自分には関係がない」といいはる安倍首相に対して、野党やメディアが、「政治家、ましてや総理大臣には『李下に冠を正さず』という姿勢が必要だ」などと追及。安倍首相自身も国会で「(加計孝太郎理事長は)長年の友人でもあり、そうした疑いを持たれるということももっともなことだ、こう思いますから、李下に冠を正さずという気持ちで注意を払わなければいけなかった」などと繰り返す事態に追い込まれた。

 こうした安倍首相を諌めるために使われた慣用句の対句となる言葉を今回、美智子皇后が発した。これは単なる偶然なのだろうか。

 実際、皇后の誕生日文書をよく読むと、そこに強い意図があることは明白だ。語られているエピソード自体は、皇后がそうとは知らずに神聖な瓜田のマクワウリを取りたいと言ったところ、天皇から止められたというもの。ところが、そこにいきなり前述した「大変な瓜田に踏み入るところでした」という強い表現が加えられ、わざわざ「瓜田に履を納れず」の“注釈”がつけられる。つまり、マクワウリをめぐる夫妻の思い出話が、「地位のある者は疑われるような行為をしてはならない」というメッセージに発展しているのだ。

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