南北首脳会談開催でも「騙されるな」と水を差し続ける日本マスコミの異常! 安倍政権の失政ごまかしに協力

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北朝鮮拉致タブーに縛られ「対話」を言い出すことができないマスコミ

 こうした御用メディアや安倍応援団の支離滅裂な言動は、森友・加計問題で彼らが見せた態度とまったく同じものだ。モリカケでは、小学生でも言わないレベルの無茶苦茶な安倍擁護を繰り返す彼らに対して“エクストリーム擁護”なるツッコミの言葉が登場したが、今回もまさに、安倍首相をなにがなんでも擁護するための“エクストリーム南北会談批判”と言ってもいいかもしれない。

 しかし、今回の南北会談を批判しているのは、安倍御用メディアや応援団だけではない。前述したように、むしろ、南北会談を前向きに評価しているメディアでさえ、最後には必ず「北朝鮮は信用できない」「圧力を続けていくべき」「慎重に対応しないと」などの意見を紹介して、留保することを忘れない。

 これはやはり、この15年間、日本のメディアを縛り続けている“拉致タブー”のせいだろう。2002年、小泉訪朝によって北朝鮮による拉致が明らかになると、国民の間には拉致被害者やその「家族会」への同情と、反北感情が巻き起こった。

 しかも、当時、官房副長官だった安倍晋三や、拉致問題に取り組んでいた極右団体「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(「救う会」)が中心になって、日本国民の反北感情を煽り、ある種の“愛国ヒステリー”のような状況をつくりだした。

 その結果、「圧力を強めて北朝鮮の体制を崩壊させる」ことが拉致解決の唯一の方法だという主張が日本社会を支配。少しでも北朝鮮との対話の必要性を口にしたり、妥協の道を探ることを提案したら、袋叩きにあうという状況が生まれてしまった。

 実際、日朝会談の仕掛け人である田中均・外務省アジア大洋州局長(当時)などは、拉致被害者帰国を実現させた功労者であるにもかかわらず、圧力強化に抵抗したことで、安倍氏らから「売国官僚」との徹底糾弾を受け、自宅に爆発物を仕掛けられるというテロ未遂被害にまであった。

 こうした攻撃にメディアは震え上がり、以来、北朝鮮問題を報じるときには必ず「北朝鮮の言い分を鵜呑みにしてはならない」「圧力を強化せよ」という一言を入れるようになってしまった。そして、北朝鮮との対話を模索すべき、という議論を一切封印してしまった。

 おそらく、今回、御用メディア以外のテレビ、新聞までが、南北首脳会談を前向きに評価できないのも、この記憶があるからだ。「北朝鮮への歩み寄りを少しでも評価したら、“売国”と総攻撃を受ける」という恐怖がメディアを縛り、無理やり「まだ具体的な成果はなにもない」「圧力を緩めてはならない」というエクスキューズを入れさせているのだ。

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