リテラの新年特別企画●フェイクニュース大賞(後編)

泉放送制作、前川出会い系バー、安倍の捏造も…リテラが選ぶ2017フェイクニュース大賞、いよいよ大賞発表!

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★2017年「フェイクニュース」大賞
官邸の謀略にまんま乗っかり「前川前事務次官、出会い系バー通い」と報じた読売新聞

 やはり、大賞はこれをおいてないだろう。加計学園問題で「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と書かれた内部文書が飛び出た5月、文科省の前事務方トップ・前川喜平氏の実名告発の動きがあるなか、読売新聞5月22日付で報じた「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」の記事だ。
 年のため振り返っておくと、記事にある事実は、「歌舞伎町の出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことが関係者の取材でわかった」ということのみ。そのあとは、〈「割り切り」と称して、売春や援助交際を男性に持ちかけることが多い〉など示唆し、前川前次官が〈女性と連れ立って店外に出たこともあった〉などと書いているが、買春を裏付ける根拠らしいものは何もなし。ところが読売は、ご丁寧に〈不適切な行動に対し、批判が上がりそうだ〉と誘導までしていた。はっきり言って、三流週刊誌レベルのやり方だ。
 実際、この“買春疑惑”を週刊誌やテレビも取材したが、結局、前川氏が買春を行なっていたという事実は一切浮び上らなかった。
 むしろ、出会い系バーで前川氏と出会った女性は、「週刊文春」での告白で「口説かれたこともないし、手を繋いだことすらない。私が紹介した友人とも絶対ない」と買春行為を全面否定。『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)が直撃した出会い系バーの店員も「遊びではなく、見学に来ているように見えた」「前のめりになってるほかのお客さんとは、ちょっと違った」と証言。また、「FLASH」(光文社)が取材した前川氏から同席希望を受け店外で食事をしたという女性も、食事のあとに売春をほのめかすと「僕はないなあ」と言われ、5千円をもらって「(時間が)遅いけれど気をつけてね」と言われたと話している。
 当然だろう。本サイトでも報じてきたとおり、この読売の記事は、前川氏の動きを察知した官邸が読売にリークして書かせたものだった。このときすでに前川氏はNHKや民放のインタビューに応じていたのだが、その告発をつぶすために、読売ならまず書かない実話誌のような下半身スキャンダル記事を出してきたのだ。その不自然さは複数の読売OBからも指摘された。たとえば、元読売新聞社会部記者の大谷昭宏氏はこのように喝破している。
「同じニュースでも東京、大阪、西部それぞれの本社が編集するので、見出しや記事の大きさは異なる。でも、あの記事はすべて同じ。これは依頼が断れない記事を指す『ワケアリ』の特徴です。官邸との癒着を読売は否定するだろうが、内部にいた人間なら誰でもわかる」(「AERA」17年6月12日/朝日新聞出版)
 また、本サイトで伝えたように、実は読売記事が出た直後から1日後にかけての官邸記者クラブのオフレコ取材では、安倍首相側近の官邸幹部が「官邸が流したのか」という記者の質問にこう言い放っていたという。
「読売の記事にはふたつの警告の意味がある。ひとつは、こんな人物の言い分に乗っかったら恥をかくぞというマスコミへの警告、もうひとつは、これ以上、しゃべったらもっとひどい目にあうぞ、という当人への警告だ」
 政権に不都合な人物は、謀略のフェイクニュースをあてがわれて“始末”されてしまう。とうとう日本は、そんな独裁謀略国家のような体制になってしまったのだ。
……………………………………

 いかがだっただろうか。ご覧の通り、「フェイクニュース」は、単なる誤報や勘違いから生まれるものではない。情報それ自体に、政治権力などによる特定の意図が込められており、またそれを報道媒体が批判的に検証せず、丸乗りすることで拡散されていくのだ。
 リテラでは2018年も、こうしたデマや謀略報道を徹底検証し、その深層や裏側を積極的に報じていく所存である。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます!

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