横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」①

議論なきカジノ法案衆院通過の暴挙 推進議員の献金疑惑も浮上!?の官邸主導売国法の本質

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 そして反転攻勢に出る構えもみせた。国会審議で内閣委員会の国会議員がカジノ業界からの献金の有無を曖昧にしたことに対し、「調べてみたい」と意気込んだのだ。

 言うまでもなく、内閣委員会の自民や維新などの推進派の国会議員が「カジノ関連業者に献金をしてもらった恩返しにIR法案成立に励んだ」というギブ・アンド・テイクの関係が明らかになれば、国会議員の地位利用利得罪や贈収賄罪の疑いが出てくる。

「日本国民代表の国会議員が海外カジノ業者のために動いた」となれば、「売国奴紛い政治家」「議員失格」と集中砲火を浴びるに違いない。

 IR推進の国会議員に「売国奴紛いではないか」という疑いの眼差しが向けられる理由はいくつもある。カジノに詳しい大谷大学の滝口直子教授はこう話す。

「海外のカジノ業界の大物が駆け付けた国際会議に参加、パネリストを務めたことがありますが、カジノ業界がターゲットとする主な顧客は外国人観光客ではなく、日本人の富裕層でした。『日本人の富裕層の個人金融資産量』を『日本に出来る推定カジノ施設数(3〜10)』で割り、『海外に比べて日本の一つのカジノ当たりの個人金融資産量は突出しているから日本のカジノは莫大な利益が確実』と投資を呼びかけるプレゼンもありました」

 “カジノミクス”を掲げ始めた安倍政権は、二枚舌が得意だ。「IRは外国人観光客を呼び込む成長戦略の目玉」と口先では言っているが、今回の法案は「外国人限定(日本人入場禁止)」が盛り込まれていない。カジノ問題に長年取り組む新里宏二弁護士は6日の会見で、「IR推進議連が慎重姿勢の公明党の賛成を得るために『日本人入場禁止』を入れることを検討したのですが、官邸側から否定されたことがあった」と指摘する。安倍政権は、海外カジノ業界に日本人の金融資産(国富)が流出することを黙認する立場のようなのだ。
 
 民主党政権時代、内閣委員長を1年半務めた大島九州男参院議員(民進党)はこう振返る。

「あらゆるカジノ関連の外国企業がIRの素晴らしさについて説明に来たが、『今だけ金だけ私だけ』という新自由主義にくみすることはできないと拒否。幸い、審議されることなかった」

 しかし今回は、安倍政権下でIR法案は審議入りし、前代未聞の“暴走審議”で成立させようとしている。「海外カジノ企業に尽くす売国奴政権なのではないか」と疑われても仕方がないだろう。

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