井筒監督が「在日差別」描いた映画めぐるマスコミの差別的対応を暴露! 電通が土下座、産経は取材ドタキャン

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

「『パッチギ!』公開の時ってワールドカップの予選をやってたんですよ。で、日本対北朝鮮戦にスポットCMを打とうとしたんです、沢尻エリカ演じるリ・キョンジャが鴨川沿いで『このままずっと私と付き合って結婚したら、あんた朝鮮人になれる?』って言うシーンの。で、CMを作り考査も通ったんですけど、オンエアの1週間ぐらい前に、電通の人とテレビ朝日の部長が訪ねてきて『変えてくれないか』って。でもあの台詞があの映画を象徴している言葉なので『変えられない』って何度も断ったんですが、最後は『自分たちはこのままじゃクビになっちゃう』って言って帰られないんですよ。もう土下座みたいな感じで……参ったなと思って」

 このシーンは、それまでも何となく好き合っているという空気はあったものの、完全な恋仲ではなかった二人が遂にお互いの恋心を理解し、それと同時に、この恋には障壁があるということを理解するシーンだ。確かに、この映画のなかで最も重要なシーンである。ただ、あくまでも画としてはロマンチックなシーンであり、街中の建物が破壊されるパニック映画やゾンビがうごめくホラー映画のCMは何の問題もなく、これがダメというのは、理解しがたいメディアの保守性を象徴するようなエピソードである。

 ただ、メディアのダメさを表すエピソードはこれだけにとどまらない。李氏は続けてこんな思い出を語る。

「それと、監督に名古屋のラジオに出てもらった時の話もすごかった(笑)」
「そのラジオ番組のスタッフの方が、“いやー素晴らしかったですよ、泣きました”って言ってね。“映画の話をして、じゃあこの辺で1曲”っていう流れだったんです。事前にリクエストしていたわけです。もちろん『イムジン河』を。そしたら“『パッチギ!』、素晴らしい!”って言ってたその人が、“いや『イムジン河』は流せないんですよ”って(笑)」
「ちょっと待ってください。これ、流しちゃいけない歌なんかないっていう映画なんだよ。その映画を観て、素晴らしいって言ってくれたのに、今まで語ってきたこと全部、吹っ飛びますよ、って(笑)」

 ここで語られる「イムジン河」は、言うまでもなく、朝鮮歌謡の原曲をザ・フォーク・クルセダーズが日本語に訳して歌い話題となった名曲。北と南で故郷が分断された朝鮮半島の悲しみを歌ったこの曲は、政治的配慮から当時、発売中止および放送自粛の憂き目にあっている。

 映画のなかで主人公は、大友康平演じるラジオ局のディレクターに誘われ、素人参加の歌番組で「イムジン河」を弾き語りすることになるのだが、いよいよ出番という段になってプロデューサーから「これは北朝鮮の歌だ」とストップがかかる。そこで大友康平は「歌っちゃいけない歌なんてないんだ!」と怒鳴って上司であるプロデューサーをボコボコに殴ったうえスタジオから締め出し、放送を強行するという感動的なシーンがあるのだが、これとまったく同じ自粛が、21世紀に入ってからも残り続けていたという、もはや苦笑するしかない話である。結局、映画とは違い、現実ではそのまま放送は自粛となってしまったらしい。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

井筒監督が「在日差別」描いた映画めぐるマスコミの差別的対応を暴露! 電通が土下座、産経は取材ドタキャンのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ヘイト井筒和幸新田 樹李鳳宇電通の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 『なつぞら』が宮崎駿・高畑勲も闘った「東映動画・労使紛争」を矮小化
2 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
3 田崎とケントに自民党からカネが!
4 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
5 久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
6 久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
7 陸上・朝原宣治がスポーツの政治利用に危機感
8 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
9 岸田『ひるおび!』出演にネトウヨが
10 葵つかさが「松潤とは終わった」と
11 テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
12 「あおり運転」警察の過剰捜査とワイドショーの異常報道
13 久米宏が電通タブーに踏み込む激烈な五輪批判
14 白鵬・モンゴル力士バッシングとヘイト
15 ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!
16 秋元康の東京五輪に椎名林檎が危機感
17 日韓対立で『ワシントンポスト』が日本の歴史修正主義が原因と指摘!
18 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
19 吉本興業の改革委員会に、自民党御用学者、裏金隠蔽の元検察・警察
20 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
1安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

カテゴリ別ランキング


人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄