伊藤美誠、白井健三、池江璃花子…五輪選手の親はみんな“毒親”なのか? 感動物語の裏で虐待スレスレの英才教育

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 こうした批判をすると、その教育の結果、オリンピックに出られるほどの選手になれたんだからいいではないか、という反論が返ってくるかもしれないが、それはあくまで結果論だ。

 こうした教育虐待で成功を得られるのはほんの一握りであり、多くの子どもたちは途中で挫折し、「青春を奪われた」と親を恨むようになるケースも少なくない。前述したように、精神を蝕まれて、摂食障害やうつ病などになったり、自殺したりしているケースもある。

 親が自分の果たせなかった夢を子どもに仮託するケースも多いため、共依存や親の精神状態が壊れることも少なくない。

 また、小児神経学の権威である古荘純一青山学院大学教授らの著書『教育虐待・教育ネグレクト』(光文社新書)は、スポーツの英才教育についてこんな危険性も指摘している。

〈スポーツ、音楽、芸能関係の練習や活動を、学校や家庭教育よりも優先していくことで、協調性が乏しく、人格的にも、またさまざまな能力のバランスとしても、極めて偏りのある子どもたちが存在するようになっているのは事実であり、それを問題視する意見も出てきています。つまり、当事者自身はそう思っていない(気づいていない)が、周囲から見ると、子どもに有害な行為がなされているのです。〉
〈早期教育の一方向性は、子どもの立場からすれば「あるがままの自分に愛情を提供されない」「親が先回りして危険なものを取り除いたり、親が必要と考えるもののみと触れさせることで、実体験から学ぶことができなくなったり、実体験が乏しくなったりする」というネグレクトの側面も持ち合わせています。〉

 そのうえで、同書はこう断じている。

〈もちろん、その指導には本人も同意しているばかりでなく、周囲のほとんどの人は肯定的に見ており、『虐待』とはかけ離れたイメージを持っていると思います。しかし、その指導や、要求に基づいた練習や生活が、本人にとって『有害なこと』であれば、虐待と考えなければいけません。〉

 ところが、マスコミはこうした虐待につながりかねない、幼児期からのスポーツ英才教育を絶賛し、「世界で勝てる人間を育てるためにはそこまでやる必要がある」と主張するのである。

 たしかに、前述したように、今のオリンピックで優秀な成績をおさめるためには、幼児期からの英才教育は必須になっている。だが、これは考え方が逆だろう。むしろ、そういう人間しかオリンピックで活躍できない状況が異常であると考えるべきなのではないか。

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