『報ステ』古舘伊知郎が最後の反撃! ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、安倍首相とヒトラーの類似点を示唆

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 くわえて草案には、ダメ押しで、《この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない。》とある。つまり、法の下の平等、身体の拘束と苦役からの自由、思想と良心の自由、表現の自由といった人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」(厳守ではない)程度の扱いになるのである。

 参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得し、緊急事態条項の新設となれば、いよいよ本当に安倍首相はヒトラーのように独裁にひた走るのではないか──。実際、この日の『報ステ』では、ワイマール憲法の権威であるドイツ・イエナ大学のミハエル・ドライアー教授にこの緊急事態条項を見せたところ、ドライアー教授はこう述べていた。

「この内容はワイマール憲法48条(国家緊急権)を思い起こさせます。内閣の一人の人間に利用される危険性があり、とても問題です。
 一見、読むと無害に見えますし、他国と同じような緊急事態の規則にも見えますが、特に(議会や憲法裁判所などの)チェックが不十分に思えます。(中略)なぜ一人の人間、首相に権限を集中しなければならないのか。首相が(立法や首長への指示など)直接介入することができ、さらに首相自身が一定の財政支出まで出来る。民主主義の基本は「法の支配」で「人の支配」ではありません。人の支配は性善説が前提となっているが、良い人ばかりではない」

 良い人ばかりが首相になるわけではない。安倍政権の強権的な態度を考えると、じつに含みのある話である。さらに番組ではスタジオゲストとして、2015年の安保法制の国会審議の際、与党の推薦で参考人として国会に招致され「安保法制は違憲」という見解を示した長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授が登場。長谷部教授は、「内閣総理大臣がそう(緊急事態だと)思えば(緊急事態宣言を行える)という、主観的な要件になっている。(発動要件が客観的ではなく)非常に甘い」「場合によっては怪しいと思われれば令状なしで逮捕される、そんなことになるということも理屈としてはあり得る」と緊急事態条項の危険性を述べ、また、“緊急事態条項が必要ならば憲法に入れるのではなく法律を設けたらいい話なのではないか”という見解も示した。

 このように、多角的に緊急事態条項を掘り下げた『報ステ』。しかし、古舘キャスターは番組中、「ヒトラーのような人間が日本に出てくるとは到底想定できないんですが」と何度も念を押し、さらには一度たりとも「安倍」という二文字を発しなかった。

 だが、この特集のテーマは緊急事態条項と国家緊急権の類似性のみに留まらず、緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の危険性をも暗に伝えるものだった。

 たとえば、ドイツからのリポートVTRでは、ヒトラーが経済政策と民族の団結を全面に打ち出したこと、ヒトラーが「強いドイツを取り戻す」という言葉で民衆から支持を得ていったこと、そしてヒトラーは巧妙に言葉を言い換え、独裁を「決断できる政治」に、戦争の準備を「平和と安全の確保」と表現していたことを、古舘キャスター自らが紹介した。お察しの通り、これはすべて安倍首相に置き換えられるものだ。

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