小保方晴子『あの日』出版で再燃! STAP 報道を改めて検証する(後)

ES細胞へのすり替えは小保方氏ひとりの問題か? 疑惑発覚前、若山教授が「ネイチャー」で語っていたこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
anohi_160128_top.jpg
小保方晴子『あの日』(講談社)

 小保方晴子氏の手記『あの日』(講談社)に書かれた内容ははたして事実なのか。STAP報道を改めて検証しようというこの企画だが、前編では、小保方氏の主張どおり、STAP細胞の作製が途中から小保方氏ではなく若山照彦氏の主導で進められ、しかも、若山氏は途中から小保方氏が捏造・すり替え犯であるかのような情報をマスコミに流していたと指摘した。

 たとえば、2014年6月、若山氏は、小保方氏のSTAP細胞を元につくったSTAP幹細胞が若山研究室には存在しないマウスのものだったと発表し、小保方氏のすり替えを示唆したが、1カ月後にこの発表は誤りで、解析されたSTAP幹細胞は若山研のマウス由来の可能性が高いことがわかっている。

 また、同年7月27日には、『NHKスペシャル』が、やはり若山氏の情報に基づいて、若山研にいた中国人留学生のES細胞を小保方氏が盗み、STAP細胞に混入させたことを示唆する報道をしたが、中国人留学生がこのES細胞を紛失したのは、12年の12月以降のこと。STAP細胞は11年11月にキメラマウス作製が成功、12年には実験がほぼ終了しており、このES細胞は何の関係もなかった。

 この2つのケースを見ると、若山氏がマスコミに間違った情報を流し、“小保方氏がES 細胞をこっそり混入させ、STAP細胞を捏造した”というストーリーをつくろうとしていたのは間違いないだろう。

 しかし、だからといって、STAP細胞が捏造でない、ということではもちろん、ない。周知のように、昨年12月に発表された理研の調査委員会の調査報告書では、STAP細胞には、別のES細胞が混入していたことが判明している。

 調査委員会は理研に試料として残されていた 3 種類の STAP 幹細胞 (FLS、GLS、AC129)を解析しているのだが、調査報告書では〈いずれもES 細胞(それぞれ FES1、GOF-ES、129B6 F1ES1)に由来することが確実になった。〉と断定しているのだ。

 ネットでは、理研の調査はSTAP細胞=ES細胞という結論ありきでストーリーがつくられており、信用できないという意見も見かけるが、それは陰謀論がすぎるだろう。調査報告書を読むと、少なくとも調査対象となったキメラマウスやSTAP幹細胞については、ES細胞由来であったことが客観的に立証されている。

 ただし、STAP細胞の正体がES細胞だったとしても、それが即、小保方氏が捏造していたことにはならない。

 たとえば、FLSというSTAP幹細胞のもとになったFES1というES細胞は、05年にCDB(理化学研究所発生・再生科学総合研究センター/当時)若山研メンバーによって樹立されたものだったが、理研の調査で小保方研の冷凍庫で発見されたため、あたかも小保方氏がそれを盗み、混入させたかのように報道された。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ES細胞へのすり替えは小保方氏ひとりの問題か? 疑惑発覚前、若山教授が「ネイチャー」で語っていたことのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。エンジョウトオル小保方晴子の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 キャンセル続出も…「五輪観戦子ども動員」ラグビーでは1試合1万3千人!
2 赤木ファイル公開で改ざん指示は安倍から菅、菅から佐川のルートが濃厚に 
3 宮本亞門が衝撃告白「トップの方が裏で大金を渡し招致を決めたと自慢げに」
4 五輪映画監督の河瀨直美が露骨な五輪礼賛発言、反対の声を八つ当たり扱い!
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
7 立民議員「50歳と14歳」問題でおぎやはぎが「多様性」「ロリータは名作」
8 “G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
9 五輪感染対策がザル化!開会式の観客は2万人、毎日PCR検査が抗原検査に
10 組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
11 安倍首相の1億総活躍社会はインチキ
12 安倍が天皇“お気持ち表明”に報復人事
13 平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
14 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
15 五輪組織委の現役職員が異常な人件費と中抜きの実情を告発!
16 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
17 自殺した近畿財務局職員が手記であげた「刑事罰を受けるべき財務省職員」
18 国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
19 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
20 聖火リレーの醜いスポンサーファースト 子どもにスポンサー品の着用強要
1赤木ファイル公開で改ざん指示は安倍から菅、菅から佐川のルートが濃厚に 
2「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
3「大阪の自宅死が全国最多」でも吉村知事を追及できないマスコミ 朝日も…
4組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
5G7で“借りてきたネコ”状態の菅首相をヨイショするためNHKがフェイク!
6平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
7国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
8吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 
9“G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
10五輪感染対策がザル化!開会式の観客は2万人、毎日PCR検査が抗原検査に
11五輪の有観客開催強行のため菅首相が会見で空疎な嘘を連発!
12宮本亞門が衝撃告白「トップの方が裏で大金を渡し招致を決めたと自慢げに」
13安倍晋三が「赤木ファイル」を冒涜するツイート!
14夫婦別姓もLGBT法案も安倍晋三がツブした!
15キャンセル続出も…「五輪観戦子ども動員」ラグビーでは1試合1万3千人!
16立民議員「50歳と14歳」問題でおぎやはぎが「多様性」「ロリータは名作」

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄