橋下徹に最後まで転がされ、尻尾をふり続けた大阪の新聞とテレビ局…退任会見の醜態をあらためて振り返る!

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弁護士法人橋下綜合法律事務所公式サイト弁護士紹介ページより


 橋下徹・前大阪市長の退任から1週間あまり。橋下氏は退任の18日中に自分が写ったポスターやホームページ画像の消去を維新議員らに指示するなど、テレビタレント復帰へ向けて政治色の払拭に躍起だ。退任前の13日には橋下綜合法律事務所の名前で「これからは私人。社会的評価を低下させる表現には厳しく法的対処をする」と恫喝的なツイートをして批判や論評を抑え込もうとしている。

 しかし、退任後もおおさか維新の会の法律顧問を務め、退任翌日にはさっそく安倍晋三首相、菅義偉官房長官の官邸ツートップと長時間の会談で改憲を協議したという橋下氏が、自身の主張する通り、「私人」と言えるのかどうか。ツイッター上では「私人になった平松邦夫・前市長の自宅前での街頭演説で『平松さーん、あなたは全く市長の仕事をしなかった』と言い放つなど散々罵倒してきたくせに、自分への批判は許さないというつもりか」といった声が上がっている。

 その点はとりあえず措くとしても、8年間にわたって大阪府知事・市長を務め、公人中の公人であった期間の発言や政策の可否、大阪に与えた影響が検証され、必要とあらば批判にさらされるのは当然のはずである。だが、退任前後の在阪のマスメディアの報道を見ても、そういう姿勢はほとんど見られない。橋下の在任中、完全に手玉に取られ、報道をコントロールされてきたトラウマがあるのか、せいぜい「検証」を装った突っ込みの浅い回顧記事を載せる程度だった。

 退任会見の翌日には「橋下劇場 ひとまず幕」(朝日新聞)、「橋下節 最後まで」(読売、産経新聞)といった見出しが並んだ。そこには「橋下劇場」を用意し、「橋下節」を煽って垂れ流し続けたのは自分たちではなかったか、という自省が微塵も見られない。まるで緊張感のない“お別れ会見”の模様を、『誰が「橋下徹」をつくったか─大阪都構想とメディアの迷走』(140B)の著者であるライターの松本創氏が発売中の「週刊金曜日」(金曜日)に書いている。

●突き放しては持ち上げる“ツンデレ”に転がされる番記者たち

〈「ちょっと二、三、メディアに文句を言いたいところもあるので、言わせてもらいます。まず中労委命令の受け入れに関して、報道内容について不満があります」
12月18日、大阪市政記者クラブで退任会見に臨んだ橋下氏の第一声は、もはや恒例となったメディア批判だった〉

 不当労働行為を指摘された市職員労組への締め付け、文化行政予算の削減、さらには、大きな反発と混乱を招いた「慰安婦発言」への評価などをめぐり、橋下氏は冒頭10分あまりにわたってメディアに反論する形で持論を繰り広げた、という。

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