100人以上が原告に名前を連ねる大規模な安保法制「違憲訴訟」の計画が進行中! 憲法学者や作家、大物芸能人も参加か

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 だが、安保法制が法廷にもちこまれたときに最大の障壁となるのが、あの悪名高き“統治行為論”だ。これは砂川事件の最高裁判決で初めて示されたとされる法理論で、国家機関の行為のうち「極めて高度の政治性を有するもの」は、裁判所は法令審査権の限界として判断を避けるというもの。ようするに、権力になびいた裁判所は、個別具体的な事例に関して一見して明白に違憲であると認められない限り、違憲の疑いのある法令それ自体にかんしては、司法判断を放棄するということである。

 もちろん、過去には裁判所が法令自体を違憲と判断した例もある。司法が違憲立法審査権を発動した尊属殺重罰規定違憲判決(最大判昭和48年)などがそれだ。また、与党は当初、自衛隊によるホルムズ海峡の機雷掃海を、集団的自衛権行使の代表例、政府のいう「存立危機事態」の典型例として立法の根拠としてきた。だが、9月になると首相自らが「現実の問題として発生することを具体的に想定していない」と答弁、つまり、最大の立法事実が存在しないことが明らかになったのだ。言うまでもなく、法律の合憲性については立法事実の有無が重要になる。この点について「極めて高度の政治性を有する」憲法論争を回避しながら追及していくという手段も考えられる。

 とはいえ、これまでの最高裁判決を考えると、裁判所は明白に違憲であると思われても「違憲状態」という留保的判断をし、法令自体の無効化までは強制しないだろう。しかし、小林氏は、仮に裁判では勝てなくとも“真の狙い”が別にあると打ち明けている。

「違憲であることを訴え続け、来年の参院選、数年後の衆院選に勝利して、安保関連法を廃止する。控訴審あたりで衆院選になるから、弁護団で会見を繰り返して、国民に問題を思い出させるのです」(前出「週刊朝日」より)

 安倍政権は今後、安保法案で下がった支持率を取り戻すために、アベノミクスや消費税関連、TPPなどの経済・外交政策に話題をシフトし、ほかにもあの手この手をつかって、国民に戦争法案の瑕疵を忘れさせようとするだろう。

 だが、安保法案を巡る一連の過程で、人々は間違いなく“本来の民主主義”に目覚めた。SEALDsに代表される若者の政治的関心が高まり、国会前では連日デモが行われ、いまでも強行採決に対する抗議は続いている。民主主義とは選挙で選ばれた“かりそめの為政者”に白紙委任することではなく、365日、わたしたちが直接声をあげ、政治家の手綱を握り命令をきかさせることだということに、多くの国民が気づいたのだ。

 次は、裁判所の内外で、国民の怒りの声があがり続けることになる。“本来の民主主義”はまだ、始まったばかりなのだ。
(小杉みすず)

最終更新:2015.09.20 10:05

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