高倉健と山口組のディープな関係 健さんが田岡組長に奨学金提供を直談判!

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 X氏は組を引退し、隠棲中だというが、当時は最高幹部の一人で相当な大物だったようだ。そのX氏と高倉の出会いは「(63年)当時、山口組直参として他団体ににらみを利かせていたX氏の新居祝いに、任侠スターとして売り出す以前の高倉がひょっこり顔を出した」のがきっかけだというが、かなりディープなものだったようだ。X氏は、高倉に女をあてがったときの話としてこんなエピソードを披露している。

「ロケが終わって、ホテルに帰った健さんの部屋から悲鳴が聞こえてくるんですよ。それも『そんなことやめてくれ』って、扉をドンドン叩いてね。いつもタレントにするように女性をあてがっただけなんですが、清癖な健さんはまったく受け付けなかった。(略)ドアを破らんばかりの勢いで出てきましたよ」

 また、テレビCMの出演依頼に頑としてクビを縦にふらなかった高倉が、X氏の説得に折れて出演を受け入れた話や、「務め」に行くことになった組の若い衆のためにギャラをX氏に差し出したというエピソードも語られている。

 たしかに、当時は、暴力団抜きには興行が出来なかった時代で、ヤクザと芸能人の交友はかなりおおっぴらに行われていた。だが、「アサ芸」の記事が事実なら、その中でも健さんは相当に暴力団とズブズブの芸能人だったといえるだろう。

 しかし、その健さんも、70年代の後半に入ってからは一転して、暴力団と距離をおくようになった。周知のように、高倉健は70年代に入ってから、ヤクザもの以外の映画に出演したいという希望をもちはじめ、76年には「このまま東映にいるとヤクザ役しか出来なくなる」という理由で独立したといわれる。だが、この背景には、プライベートでもヤクザと距離をおきたいという気持ちもあったのではないかといわれている。ベテラン芸能ジャーナリストがこう語る。

「健さんの本質は読書や映画が好きなインテリで、もともとヤクザのような単純な『男の世界』にはあまりなじまないところがあった。任侠映画のスターということで、暴力団関係者との交友が増えていくことにも負担を感じていたんじゃないでしょうか。しかも、当時、東映のヤクザ映画が任侠シリーズから実録シリーズに移行して、ますます暴力団との関係が濃密になってきた。それに耐えられなくなって、独立へとさらに拍車がかかったような気がする。実際、80年代くらいからは、引退した信頼できる人をのぞいて、ほとんどの暴力団関係者とは縁をきっているはずです」

 実際、後年の高倉の暴力団嫌いは有名で、高倉の死後、11月22日にビートたけしが『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)で明かしたとろによると、高倉は知り合いの暴力団組員に「そういう商売はやめなさい」と言って暴力団をやめさせ、付き人にしたということもあったという。

 同世代の俳優や歌手の多くが今もずるずると暴力団との関係を引きずり続けている中で、ここまできっぱりと関係を断ち切ったというのは、かなり希有な例ではないだろうか。

 そういう意味でいうと、「アサ芸」の記事は、過去の黒い歴史だけでなく、高倉健という俳優の“変わろうとする意志の力”を改めて証明したといえるかもしれない。
(時田章広)

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