高倉健と山口組のディープな関係 健さんが田岡組長に奨学金提供を直談判!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
takakuraken_141128.jpg
VHS『山口組三代目』(東映ビデオ)より

“最後の銀幕スター”高倉健が逝去して以来、芸能マスコミや週刊誌は追悼特集で埋めつくされている。そんな中、「アサヒ芸能」(徳間書店)12月4日号が いかにも「アサ芸」らしい特集記事を掲載した。

 題して「高倉健と山口組」。タイトルの横に山口組・田岡一雄三代目組長とのツーショットが掲載されている、衝撃的な記事だ。

 確かに、近年はすっかりそういうイメージはなくなってしまった高倉健だが、もともとは東映の任侠映画のスター。当時は私生活でも普通に暴力団との交友をもっており、とりわけ田岡三代目との関係は有名だった。「アサ芸」の記事はその部分にスポットをあてたもので、こんな書き出しから始まる。

「高倉健と山口組──。日本を代表する俳優と日本最大のヤクザ組織の縁が始まったのは、1950年代後半にまで遡る」

 高倉が東映に入社したのは55年。当時、高倉は美空ひばり主演の相手役が多かったが、ひばりの後見人は、言わずと知れた田岡一雄・山口組三代目組長、その人だった。また高倉は59年に江利チエミと結婚するが、江利はひばりの親友でもある。つまり、女性を仲立ちにするかたちで関係が始まったようで、「アサ芸」によれば、「(高倉の)結婚式には田岡三代目組長も列席した」という。

 だが、その関係が「蜜月」になっていくのは、73年に『山口組三代目』で田岡組長役を高倉が演じたことだった。この映画は田岡三代目の自伝をもとにその半生を描いたものだが、ある日の撮影後、高倉は田岡三代目を訪ねていったという。

「心臓病で入退院を繰り返していた田岡三代目がちょうど在宅しており、親分の部屋で2人きりで、30分ほどでしたが、お互いをねぎらい合ったんです」

 当時、雑誌のインタビューで高倉は田岡三代目について惚れ込み、共感さえ感じたことを自ら語ってもいる。

「三代目は人間的に興味ありますよ。どん底から叩き上げて、文字通り死にもの狂いでやってきた。ぼくはあの人が“他人より一杯メシを食いたかった”といっている気持ちがよくわかるんですよ」(実業之日本社「週刊小説」73年7月20日号)

 そして、映画にかける強い意気込みについては、「作品の人物にホレこむという映画は久しぶりですから」と答えている。

 同映画は空前のヒットとなり、田岡三代目は高倉に感謝する意味で、京都の料亭に招いたこともあったらしい。こうした交友の中で、同作の監督である山下耕作は、高倉が田岡に仰天の計画をもちかけていたことを「アサ芸」に証言している。

「高倉は『親分と同じように、頭がよくても貧しいために学校に行けない子はたくさんいる。そんな子のために山口組で育英資金を出してはどうですか』と話しかけた。すると、田岡三代目は『それはええ考えやな。さっそく検討してみよう』と即答したという」

 しかも、高倉と山口組との関係はこれだけではなかった。「アサ芸」にはもうひとり、高倉と親しかったX氏という匿名の山口組最高幹部が登場する。

 X氏は組を引退し、隠棲中だというが、当時は最高幹部の一人で相当な大物だったようだ。そのX氏と高倉の出会いは「(63年)当時、山口組直参として他団体ににらみを利かせていたX氏の新居祝いに、任侠スターとして売り出す以前の高倉がひょっこり顔を出した」のがきっかけだというが、かなりディープなものだったようだ。X氏は、高倉に女をあてがったときの話としてこんなエピソードを披露している。

「ロケが終わって、ホテルに帰った健さんの部屋から悲鳴が聞こえてくるんですよ。それも『そんなことやめてくれ』って、扉をドンドン叩いてね。いつもタレントにするように女性をあてがっただけなんですが、清癖な健さんはまったく受け付けなかった。(略)ドアを破らんばかりの勢いで出てきましたよ」

 また、テレビCMの出演依頼に頑としてクビを縦にふらなかった高倉が、X氏の説得に折れて出演を受け入れた話や、「務め」に行くことになった組の若い衆のためにギャラをX氏に差し出したというエピソードも語られている。

 たしかに、当時は、暴力団抜きには興行が出来なかった時代で、ヤクザと芸能人の交友はかなりおおっぴらに行われていた。だが、「アサ芸」の記事が事実なら、その中でも健さんは相当に暴力団とズブズブの芸能人だったといえるだろう。

 しかし、その健さんも、70年代の後半に入ってからは一転して、暴力団と距離をおくようになった。周知のように、高倉健は70年代に入ってから、ヤクザもの以外の映画に出演したいという希望をもちはじめ、76年には「このまま東映にいるとヤクザ役しか出来なくなる」という理由で独立したといわれる。だが、この背景には、プライベートでもヤクザと距離をおきたいという気持ちもあったのではないかといわれている。ベテラン芸能ジャーナリストがこう語る。

「健さんの本質は読書や映画が好きなインテリで、もともとヤクザのような単純な『男の世界』にはあまりなじまないところがあった。任侠映画のスターということで、暴力団関係者との交友が増えていくことにも負担を感じていたんじゃないでしょうか。しかも、当時、東映のヤクザ映画が任侠シリーズから実録シリーズに移行して、ますます暴力団との関係が濃密になってきた。それに耐えられなくなって、独立へとさらに拍車がかかったような気がする。実際、80年代くらいからは、引退した信頼できる人をのぞいて、ほとんどの暴力団関係者とは縁をきっているはずです」

 実際、後年の高倉の暴力団嫌いは有名で、高倉の死後、11月22日にビートたけしが『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)で明かしたとろによると、高倉は知り合いの暴力団組員に「そういう商売はやめなさい」と言って暴力団をやめさせ、付き人にしたということもあったという。

 同世代の俳優や歌手の多くが今もずるずると暴力団との関係を引きずり続けている中で、ここまできっぱりと関係を断ち切ったというのは、かなり希有な例ではないだろうか。

 そういう意味でいうと、「アサ芸」の記事は、過去の黒い歴史だけでなく、高倉健という俳優の“変わろうとする意志の力”を改めて証明したといえるかもしれない。
(時田章広)

最終更新:2015.06.18 06:34

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

高倉健 DVD-BOX

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

高倉健と山口組のディープな関係 健さんが田岡組長に奨学金提供を直談判!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。スター時田章広暴力団の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 『いだてん』が関東大震災「朝鮮人虐殺」を示唆!
2 マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
3 香港市民はデモの力示したが、日本は…
4 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
5 安倍イラン訪問でNHK岩田明子記者がまた安倍フェイクPR
6 F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
7 田崎史郎「65歳から年金もらってます」
8 安倍政権が関東大震災・朝鮮人虐殺を
9 黒澤明も関東大震災の朝鮮人虐殺を証言
10 秋篠宮家の料理番がブラック告発
11 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
12 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
13 『クロ現』降板の国谷裕子が圧力を語る
14 防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
15 産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
16 藤田孝典「一人で死ねと言わないで」に古舘伊知郎、ニッチェ江上が賛同
17 拍手・起立を井筒監督と松尾貴史が批判
18 長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
19 維新応援団・野村弁護士が懲戒、橋下徹にも請求が
20 安倍が甘利明を党三役に起用、改憲の旗振り役に
1 安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3 金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4 産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5 安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6 菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7 金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8 F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9 金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10 防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11 長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12 講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13 映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14 渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15 マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16 田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17 川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19 松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20 農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄