リベラル派の間で高まる公明党=創価学会“頼みの綱”論の危うさ

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 劇作家・評論家の山崎正和氏と対談した山口那津男代表は、公明党が連立与党に参加する意味を「自らの主張を自らの手で実現できること、つまり政権の力を生かして公明党の政策を実現できること」と言い切り、「全国3000人の議員ネットワークを駆使して民意を吸収する力は他党を圧倒している」と高らかに宣言する。公明党のメリットはそのまま国民のメリットである、とも強調する山口代表の論理は外野から見ればいささか強引だし、「自らの主張を実現させる」と本音を漏らした後で、自民党を暴走させない役務を公明党にお任せください、とする論旨には、ことさら違和感を覚える。

 政権のブレーキ役で評価を上げることができていると踏めば、支持母体・創価学会との距離感をどう見せるべきか、プレゼン方法も変わってくる。たとえば「潮」の対談では、山口代表は自分からは「創価学会」という言葉を使わずに、ネットワークを使って自分たちの主張を実現させたいとした。でも、ネットワークってつまるところ、党ではなくて母体のこと。要するに公明党は、政権に対するブレーキとアクセルは持ってはいるものの、ハンドルは支持母体に握られたまま。ならばこちらは「自らの主張を自らの手で実現できる」に翻弄される懸念を意識的に持っておきたい。

 しかし、山口代表にはそんな懸念はまったく届いていないようで、「(集団的自衛権容認を)むしろ諸外国のメディアのほうが、今回の閣議決定の意義を冷静に見てくれています」と胸をはる。

 本当だろうか。「諸外国のメディア」について、胸をはった山口代表から具体的な例示はない。ならばこちらで拾い上げてみるが、ロイター通信は「戦後の日本の安全保障政策において歴史的な変化になる」、独紙フランクフルター・アルゲマイネは「戦争の記憶のある中高年らに不安を抱かせている」、ニューヨーク・タイムズ紙は「アジアにおける心配の種を増やした」と、“冷静に”懸念を表明している。

 そもそも、集団的自衛権を容認したのも、飯島勲内閣官房参与に「政教分離」を考え直すよと脅されたからじゃ……。

 だが、リベラル派の公明党に対する期待感は高まる一方だ。対談相手の山崎氏が言う。

「今の公明党は創価学会の支持だけでなく、『無党派層』と言われる有権者の票もたくさん集めています。無党派層の支持にも支えられ、公明党は日本の右傾化にブレーキをかける役割も果たしてきました」

 無党派層が実際に投票しているかははなはだ怪しいが、毎度お馴染み、選挙の際の「○○さんに入れてくださいね」という電話攻撃に替わる新たなプロモーションとして「右傾化にブレーキをかける党」アピールが出てきている。

 確かに、公明党は現政権の歯止め役ではある。しかし、そこに旧来の目的がじんわり染み込んでいるのも事実。そして、秘密保護法然り、集団的自衛権然り、なんだかんだで安倍政権の暴走を許容し続けている。風紀委員を買って出ているが、結局、学級委員の意向には逆らえない優等生だ。これが党のブランディングとして正しいとの読みなのだろう。ならば、やっぱり、その政党を「頼みの綱」にするのは危険だ。
(武田砂鉄)

最終更新:2015.01.19 04:57

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