リベラル派の間で高まる公明党=創価学会“頼みの綱”論の危うさ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
koumeitou_01_141021.jpg
公明党公式サイトより


 野党・民主党がすっかり弱体化したせいか、最近、与党・公明党に対するリベラル派の評価、期待感が高まってきているような気がする。

 例えば、公明党の平和主義を評価する佐藤優『創価学会と平和主義』(朝日新書)は、現在の政治体制でなぜ公明党の存在感が増してきたかを記す一冊。安倍首相を皮肉りつつ、集団的自衛権の議論をこう総括する。

「一国の首相が心の問題を持ち込んだ」「心の問題を公共圏に持ち出すことは禁じ手だ。公共圏で交わされるべきは合理的な議論なのだ」「理性の言葉で集団的自衛権に反対しても、安倍首相には届かない」。

 ここで唯一存在感を放ったのが公明党。公明党が最終的に集団的自衛権の閣議決定に参加したことに平和の党としての責務を問う声もあったが、佐藤氏は、もしも連立を離脱してまできれいな平和論を主張していたら公明党の平和主義は本物ではなかったとし、「平和の党の看板に傷がついても、現実に戦争を阻止し、平和を維持することが重要なのである。少なくとも現時点で公明党はその機能を果たしている」と評価する。

 一方で、潮出版社から『アは「愛国」のア』を出した森達也氏は同書の中で、公明党支持者の雑誌編集者と議論しつつ、そうはいっても公明党が最終的に集団的自衛権の行使を認めてしまったことは、安倍政権の暴走をギリギリ押しとどめてしまったということでもある、と指摘する。

 確かに、集団的自衛権の行使容認の閣議決定文に「明白な危険」を追記させたのは公明党だ。当初、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」という、余白を残しまくって後々で自由に解釈しちゃおうと企む文言だったが、この文言の企みを危惧した公明党が「根底から覆される明白な危険があること」と変えさせた。「おそれ」と「明白な危険」は黄信号と赤信号ほどの違いがあり、「これはもう限りなく赤に近い黄色でしょ」と危うい方向に持っていきたがる現政権に対する牽制としては、適確なものだったとは思う。もしかしたら安倍政権の暴走を止められるのは公明党かと、彼らのガードを期待するようになったわけだ。

 その期待感を汲み取っている公明党は、例えば、高市早苗総務相が靖国参拝の意向を示せば、山口那津男代表が「外交的な課題をつくるのは避けるべき」としたし、小渕優子経済産業相の政治資金問題が浮上すれば、漆原良夫中央幹事会長が「積極的な説明責任を果たすべき」としたし、アベノミクスの合法ドラッグ的存在であるカジノ構想については太田昭宏国土交通相が「議論が成熟していない」、井上義久幹事長が「ギャンブルに頼らない活性化策を」と慎重論を出してくる。

 政府の暴走や怠慢への対応をひとまず公明党の冷静さに頼ってみるという形が続いているが、彼らの目的意識を再認識しておく必要がある。間もなく結党50年を迎える記念特集号「潮」(2014年11月号/潮出版社)を開いてみれば、公明党および創価学会の意図は当然ながら変わっていない。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

リベラル派の間で高まる公明党=創価学会“頼みの綱”論の危うさのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。公明党創価学会武田砂鉄の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 自民・吉川議員“パパ活”問題と細田議長のセクハラめぐるワイドショーの忖度
2 岸田自民党政権が政府広報を使って事実上の選挙活動!
3 維新の不祥事が止まらない! 猪瀬直樹セクハラ、新たに部落差別
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 安倍内閣「日本会議」の目的は徴兵制
6 乙武洋匡が不倫旅行、5人の女性と関係
7 れいわ・大石あきこがNHK『日曜討論』で吉村批判、足立議員も一蹴
8 痴漢しても中島裕翔のドラマは放送開始
9 山本太郎・れいわ新選組の当選した2人をネトウヨが卑劣な差別攻撃
10 小田嶋隆・武田砂鉄対談 後編 糸井重里と松本人志をあらためて語る
11 安倍晋三が「統一教会」イベントでトランプと演説!同性婚や夫婦別姓を攻撃
12 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
13 “ネトウヨの尊師”青山繁晴と『虎ノ門ニュース』の醜すぎるケンカ!
14 安倍元首相「桜前夜祭」問題でサントリーに続きニューオータニとも癒着疑惑!
15 小田嶋隆・武田砂鉄対談 前編 ツイッターで安倍政権とどう向き合うか?
16 伊集院静を読むオジサンは嫌われる!?
17 統一教会が安倍トランプ会談を仕掛けた
18 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
19 れいわから出馬 水道橋博士が主張する「反スラップ訴訟法」の重要性!
20 代理出産、生殖ビジネスのトラブル
1安倍元首相「桜前夜祭」問題でサントリーに続きニューオータニとも癒着疑惑!
2岸田自民党政権が政府広報を使って事実上の選挙活動!
3維新の不祥事が止まらない! 猪瀬直樹セクハラ、新たに部落差別
4自民・吉川議員“パパ活”問題と細田議長のセクハラめぐるワイドショーの忖度
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄