あの蛭子さんが「安倍首相の右翼的な動きが怖ろしい」と発言する理由

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「正直、難しいことはよく分かりませんが、報復されるだけなんじゃないですか。 『集団』っていう響きも嫌いですね。集団では個人の自由がなくなり、リーダーの命令を聞かないとたたかれる。自分で正しい判断ができなくなるでしょ。(略)手を出すと倍返しされ、互いにエスカレートして、ナイフを持ち出すことになりかねません。歯止めがかからなくなり、最後には死を想像してしまう。漫画ならいいけど、現実に起きてはいけない」

 なるほど蛭子さんらしい率直な発言だ。そして本書でも戦争についてこんな考えを吐露するのだ。

「ここ最近の右翼的な動きは、とても怖い気がします。安倍首相は、おそらく中国と韓国を頭に入れた上で、それ(集団的自衛権)をとおそうとしているのでしょうけれど、僕はたとえどんな理由であれ、戦争は絶対にやってはいけないものだと強く思っています」
「戦争ほど個人の自由を奪うものなんて、他にはないんですよね。誰かの自由を強制的に奪うようなものは、いかなる理由があっても断固として反対です」

 なによりも自由が大切で、自由が好き。群れない個人を尊重し、あくまで“個人”として戦争に反対する。そんな蛭子さんの「ひとりぼっち」は素敵だ。だが、それ以上にすごいのは、自身の性格を「内向的」と分析し、恥ずかしがり屋で決して目立ちたくはないと言う一方、「誰かに『嫌われている』と思ったことがない」という点だ。

 その理由は「僕は誰かに嫌われるようなことをなにひとつしていない」から。だから自信を持って「戦争は反対」「友だちはいらない」「絆は強要されるものではない」と本音を言える。いや、本音しか言えないのだろう。

 本音を言えず、KYと指摘されるのを恐れ、同調圧力に苦しむ多くの人々、特に若い世代には是非読んで欲しい蛭子さんの人生哲学だった。
(伊勢崎馨)

最終更新:2015.01.19 05:13

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