ヒトラーがブーム! でも「我が闘争」が読めるのは日本だけ!?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
wagatousou_01_140720.jpg
『わが闘争』上巻(角川書店)

 ついにナチス復活か……。5月25日、ヨーロッパ各国で実施されたEUの欧州議会選挙で、なんと、ドイツとギリシャから極右ネオナチ政党に所属する議員が史上初めて当選を果たした。ドイツでは、ネオナチ政党「ドイツ国家民主党(NPD)」が約30万票を獲得。ギリシャもネオナチ政党「黄金の夜明け」が9パーセントを超える票を獲得、ドイツから1名、ギリシャから3名のネオナチ議員が欧州議会へ乗り込むことが決まったのだ。

 こうした「ナチス」あるいは「ヒトラー」に対する風向きの変化、擁護や再評価する動きは世界的な傾向のようで、日本でも今年3月、東京都内の図書館所蔵の『アンネの日記』が破られる騒動が、4月には東京・池袋で「ヒトラー生誕」を祝う一部の右翼がハーケンクロイツや旭日旗を掲げた集会を行なったことがニュースとなった。

 そんなヒトラー再評価をさらに加速させそうなのが、『我が闘争』再出版問題だろう。来年末、2015年12月31日をもって版権(著作権)が消滅、誰でも『我が闘争』の出版が可能となるというのだ。

『我が闘争』の版権は、ヒトラーが住所登録していたバイエルン州の州政府が保有してきた。州政府は、その著作権を盾にドイツ国内での出版を禁じてきただけでなく、世界各国に対しても出版しないよう強く求めてきた。

 その版権が切れれば、当然、自由に第三者による出版が可能となる。そのためドイツ国内では2013年ごろから「自由に出版するべき」「新たな法律を作ってでも禁止すべき」と、世論を二分する大論争となっていたらしい。

 実は、今のドイツ人、戦後生まれの60代以下の世代の多くは『我が闘争』を読んだ経験がほとんどないという。

 今更、説明するまでもないが、『我が闘争』はナチス及びヒトラーを知る上で、第一級の史料である。なぜ、ヒトラーが反ユダヤ思想に至り、アーリア人至上主義を唱えるようになったのか、ヒトラー自身が語っているのだ。ナチスの犯罪やヒトラーの政策を批判するためにも、真っ先に読むべき資料といっていい。しかも『我が闘争』とナチスドイツの暴走は決して無関係ではない。1925年の出版後、ナチスの勢力拡大とともに売り上げを伸ばし、ヒトラー政権下のドイツでは、結婚式の引出物として贈呈が義務づけられていたこともあって、第二次世界大戦終結時には、ドイツ国内で1000万部以上が出版されたほど。『我が闘争』でヒトラーが繰り返し主張したプロパガンダが、当時のドイツ国民をナチスの行なう蛮行へと駆り立て、それを正当化してきた側面もあるのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ヒトラーがブーム! でも「我が闘争」が読めるのは日本だけ!?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ネオナチヒトラーレイシズムの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍官邸「FTA言葉狩り」でNHKが忖度訂正
2 TDLが訴えた2人の女性キャストに口止め通達
3 BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
4 安倍「徴用工でなく労働者」と言い換えも麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」
5 BTSを「ナチス礼賛だ」と歪曲攻撃したナチ信奉者たち
6 BTSの『Mステ』締め出しは原爆を口実にした韓国ヘイト
7 ジャパンライフの広告塔に田崎とNHK島田も
8 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
9 安倍政権が北方領土のため「年金の金」でプーチンに貢ぎ物計画
10 安倍政権の水道民営化強行の裏! 日本の水道が崩壊
11 美輪明宏が安倍と支持者を一喝!
12 又吉も?厳しすぎる作家の金銭事情
13 大橋巨泉の安倍批判の遺言がテレビでカット
14 麿我問題よりディズニーの闇
15 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
16 医療亡国論の曽野綾子が夫の認知症で…
17 吉川晃司が「俺は現政権がでえっ嫌い」
18 植村隆の名誉毀損裁判で不当判決!櫻井よしこの捏造を無視
19 蓮池透氏がさらに安倍の詐術を批判!
20 ディズニーからバイトが次々逃げ出し!
1安倍政権の水道民営化強行の裏! 日本の水道が崩壊
2朝ドラ『まんぷく』の憲兵より本物の憲兵のほうがヒドい
3BTSの『Mステ』締め出しは原爆を口実にした韓国ヘイト
4安倍官邸「FTA言葉狩り」でNHKが忖度訂正
5片山さつきだけじゃない! “ほぼ全員スキャンダル内閣”
6マイケル・ムーア監督が安倍首相と日本の民主主義に危機感
7植村隆の名誉毀損裁判で不当判決!櫻井よしこの捏造を無視
8安倍首相が「消費税は全額社会保障に使う」をまた反故に!
9安田会見に坂上、東国原、土田らがゲス全開バッシング
10安倍首相が「文化の日」を「明治の日」に
11安倍政権が北方領土のため「年金の金」でプーチンに貢ぎ物計画
12田崎史郎にも“国会通行証”疑惑が浮上!?
13安倍「徴用工でなく労働者」と言い換えも麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」
14安倍首相も桜田五輪相と同じ「事前通告がない」ウソの常習犯
15徴用工問題は本当に解決済みなのか?
16竹田恒泰が慰安婦像に「鼻クソの刑」ツイートの愚行
17BTSを「ナチス礼賛だ」と歪曲攻撃したナチ信奉者たち
18入管法改正をめぐる安倍政権のデタラメ
19BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
20米・中間選挙を前に「トランプNO」ミュージシャンが続々

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄