広島原爆の日も核廃絶にやる気なし安倍首相 ノーベル平和賞ICANは防衛予算でPCR検査センター130カ所以上設置できると試算

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安倍晋三Twitterより


 本日、原爆投下から75年を迎えた広島。広島市の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」がおこなわれ、安倍首相も出席したが、今年も核兵器禁止条約については一言もふれることはなく、被爆者をはじめとする平和を希求する人びとの思いを裏切った。

 安倍首相は挨拶で、「わが国は、非核三原則を堅持しつつ、立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促すことによって、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしてまいります」などと述べたが、唯一の被爆国でありながらいまだに署名・批准していない核兵器禁止条約については今年もスルー。

 だが、この空疎な「橋渡し」という言葉や、安倍首相の核廃絶へのやる気のなさ、被爆者の思いを軽視する姿勢に対し、今年も松井一實・広島市長は「平和宣言」でNOを叩きつけた。

「日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たすためにも、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて同条約の締約国になり、唯一の戦争被爆国として、世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し「連帯」するよう訴えていただきたい」

 さらに、湯崎英彦・広島県知事は、はっきりと「裏切り」という言葉を用い、安倍政権の姿勢を痛烈に批判したのだ。

「なぜ、我々広島・長崎の核兵器廃絶に対する思いはこうも長い間裏切られ続けるのでしょうか。それは、核による抑止力を信じ、依存している人々と国々があるからです。しかしながら、絶対破壊の恐怖が敵攻撃を抑止するという核抑止論は、あくまでも人々が共同で信じている『考え』であって、すなわち『虚構』に過ぎません」

 安倍首相は「日米同盟のもとで通常兵器に加えて核兵器による米国の抑止力を維持していくことが必要不可欠」などと核抑止論を振りかざしてきたが、湯崎知事はこれを「虚構」と喝破したのである。

 しかも、湯崎知事は安倍首相が礼賛する「明治維新」まで引き合いに出し、こうつづけた。

「支配者であった武士階級が明治維新で廃止されたように、かつて最も敵対した国同士が今は最も親密であるように、どのようなものでもそれが人々の『考え』である限り転換は可能であり、我々は安全保障の在り方も変えることができるはずです。いや、我々は、核兵器の破壊力という物理的現実の前にひれ伏し、人類の長期的な存続を保障するため、『考え』を変えなければならないのです」

 虚構の核抑止論を変え、核兵器の廃絶を──。これはビデオメッセージを寄せた国連のグテーレス事務総長のスピーチも同様だ。

 グテーレス事務総長は「本日の式典は私たちの生活に多くの混乱をもたらした、新型コロナウイルスの世界的流行の影の下に取り行われています」と新型コロナに言及すると、「この感染症は、世界に多くの脆弱性が存在することを見せつけています。その中には核兵器の脅威に直面する脆弱性も含まれます」と指摘。「核兵器の危険を完全に排除する唯一の方法は、核兵器を完全に廃絶することです」と訴えた。

 安倍首相は安全保障だの軍備増強だのと叫んできたが、新感染症が世界中で猛威を振るうなか、この国の医療提供体制や検査体制がいかに脆弱か、はっきりと浮かび上がった。社会保障費を削りつづける一方で軍事費に5兆円以上の予算を注ぎ込んできた、その姿勢こそ私たちの命を危険に晒すということがわかったのだ。

ノーベル平和賞ICANはいずも空母化とステルス戦闘機予算でPCR検査センター130カ所以上設置できると試算

 しかも、その軍事費をコロナ対策に回せば、どれほどのものになるのか。2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員・川崎哲氏が試算をおこなっている。

 川崎氏がブログで公開している試算によると、2020年度の防衛予算5.3兆円のうち、戦闘機や武器の購入などの「物件費」から今年度の新規契約分の支出1.1兆円を新型コロナ対策に振り分けた場合、〈集中治療室のベッドを15,000床整備し、人工呼吸器を2万台そろえ、さらに、看護師7万人と医師1万人の給与をまかなうことができる〉という。

 さらに、〈護衛艦「いずも」を事実上の空母に改修するための費用が31億円、同艦で運用するステルス戦闘機F-35Bを米国から6機購入するための費用793億円が計上されている〉が、この合計824億円があれば、〈全国にPCR検査センターを130カ所以上設置できる〉というのである。

 軍備増強のための予算を、いまこそ新型コロナ対策に回すべき──。実際、そうした国は出てきている。たとえば韓国では、今年の国防予算から計約1兆7700億ウォン(約1600億円)を削減し、アメリカ製戦闘機の導入費などの予算を国民の給付金といったコロナ対策に割り当てたという(東京新聞7月26日付)。

 だが、安倍首相の頭の中にはそんな考えは微塵もないのだろう。現に、新型コロナ患者を受け入れた病院は経営が悪化しており、日本医療労働組合連合会の集計によれば、今年の夏のボーナスを昨年より引き下げた医療機関は約3割にものぼる。このままでは退職者が続出し、経営面だけではなく人手の面でも医療機関の維持が難しくなるという深刻な事態になりかねないが、しかし、安倍政権は新たなコストがかかる「敵基地攻撃能力の保有」には前のめりになる一方、医療機関に対する大胆な財政支援さえ打ち出そうとしない。それどころか、感染拡大を全国に巻き起こしている「Go Toトラベル」に巨額を注ぎ込む始末だ。

 この期に及んでも、国民や医療体制を守ることよりも軍備にしか興味のない安倍首相。それがいま私たちの安全を根底から脅かしているということに、国民はもっと怒りを向けるべきだろう。

最終更新:2020.08.06 01:19

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